代表取締役 藤井 優
設立 | 2007年10月1日 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.oryza-i.com/ |
学生時代のこと
高校生の頃に自分の進路のことを考え始めて、
将来は農業にかかわることがしたいとはっきり思っていましたので、
京都大学の農学部へ進学しました。
大規模な農業展開をしている穀物メジャーと
環境アセスメントが注目されるようになったり、
日本の過疎化も社会問題化する中で、社会課題として興味を持ったのがきっかけです。
大学時代は、勉強よりもむしろNPO活動の方を熱心に行なっていました。
所属していたのはアイセック・ジャパンという海外の企業への
学生インターンシップ交換事業を行なう団体で、
自分たちで企画してセミナーを開いたり、
インドネシアの焼畑農業と定住型農業を検証するという
研修旅行を企画に参加したこともありました。
この時はNGOの人にも協力してもらい、企業からの協賛を得ることもできました。
学生の頃から、何かの事業を企画するということに興味はあったのですが、
まさか自分が会社経営をするようになるとは思っていませんでした。
就職活動のこと
農学部に在籍していた大学時代でしたが、
就職先を考える頃には日本の普通の農業は儲からない
という現実の問題がありました。
そこで、農業に直接携わるのではないけれども深いかかわりのある
食品業界を就職先として選びました。
大学を卒業して入社したのは、広島県にある穀物の卸会社です。
ここは従業員が20人くらいの小規模な会社で、
海外から穀物を輸入して国内に卸すという仕事をしていました。
仕事に慣れてくるにつれて、
もっと大きなフィールドで事業企画的な仕事をしたいと思うようになり、
入社6年目で冷凍食品メーカーに転職しました。
冷凍食品メーカーでは希望していた経営企画に携わり、
充実した日々を送っていたのですが、
途中でオリザの立ち上げに関わることになり、代表を務めるために退職しました。
オリザを立ち上げた経緯1
就職してからは食品業界の視点から農業を見ていました。
東京に移ってから間もなく、
大学時代の友人である小平が浅井が始めた農業勉強会に参加することになりました。
食品業界にいるということで、
農業に対しての話をすることが当初の目的だったのですが、
事業計画を立てるにつれ巻き込まれるような形で会社の立ち上げに関わりました。
オリザは農業ベンチャーとして、当初は浅井、小平が協働代表をしていたのですが、
二人とも別に会社を経営することになり、
専属で経営業務に携われる人間は私しかいないということになり、
半ばなりゆきでCOOに就任することになりました。
オリザの強み
日本で農業を営んでいる人たちは会社で働いた経験がない場合が多いのですが、
オリザの立ち上げには色んな経験をしてきた人たちがかかわっています。
浅井と小平はコンサル会社に勤めていましたし、
私は流通、食品メーカーで働いていました。
勉強会で知り合った人たちも色々な人がいて、
オリザの事業に関わっていますので、
幅広い視野から色々な角度で農業をとらえることができるのではないかと思います。
通常、農産物の卸販売というと、
流通と生産は別々の会社や人が独立して行なっているので、
自分たちが買うものに対して生産段階で付加価値を加えるということは難しいのですが、
オリザの場合は実験圃場もあれば大学・研究機関とのネットワークもあるので、
生産段階で工夫をしたり、試験栽培をしたりということが可能なんです。
単に農産物を買い取って売るのではなくて、
生産に軸足を置きながらマーケティング活動ができるというのが
オリザの大きな強みだと思います。
今後のビジョン
今後の展望としては新しい農業のモデルを考え、
生産農地を拡大していくということにつきます。
特徴のあるこだわり商品、生産技術の開発、規模の拡大はもちろんですが、
強い農業モデルの開発をやっていきたいです。
最終的には、オリザ自体でも生産ほ場を確保し農業生産を行なうだけでなく、
物流を自社でまかなえるようにしないといけませんし、
海外を含めた新しい市場の開拓や
食品加工、農業資材の開発・輸入なども必要となってくるでしょう。
組織を大きくしていく必要がありますね。
学生へのメッセージ
最近の学生は危機感を持っている人が多いので偉いと思います。
ただ、入社してすぐに辞めてしまう人が多いというのは少し気になります。
入って2、3年で辞めてしまうとキャリアに傷をつけることになりかねないからです。
どこでもいいから内定を取りたいという気持ちは理解できますが、
自分がやりたい仕事というのは何なのか、どういう環境の会社で働きたいのか、
どの業界に興味があるのかをよく調べて、
すべてに納得した上で就職活動した方がよいと思います。
世の中には本当にたくさんの会社があるので、
自分に合った会社というのが必ずあると思うのです。
だから面接で落とされたからといって気にすることはないんです。
落とされた会社は自分には合わなかっただけ。
なかなか難しいことだとは思いますが、
面接は合コンで会話を楽しむくらいの感覚で受けるといいと思います。
悲壮感を漂わせて自分をPRするのではなくて、
この人と一緒に働いたら楽しそうだな、
と面接官に思わせることができるかがけっこう大事だと思いますよ。