税理士 野田泰永
設立 | 2006年 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.nodatax.com/ |
トラック運転手をしながら猛勉強 簿記1級を取得
学生時代は勉強が苦手で、高校卒業後はブラブラ遊んで過ごしていました。
そんなある日、建設会社の社長と知り合ってその会社に入り、手に職をつけようと鳶職に。
しかし、バブルが崩壊し、建設業界には光が見えないと思って、29歳で辞めました。
でも、就職氷河期に入り、大卒の若い人でも就職先がない時代。
とはいえ、妻と2人の子どもを養わないといけませんから、
しばらくは、トラックの運転手をしながら今後の仕事について考えました。
何をしたら食っていけるか。
サラリーマンは向いてないな。
弁護士になろうか。公認会計士、不動産鑑定士もいいかな。
しかし、高卒では受験資格がありません。
税理士は、日商簿記検定1級を持っていれば受験資格があるらしい。
じゃあ、税理士になろう!
ということで、トラックの運転手をしながら日商簿記の勉強をしました。
平日は夜、土日は15〜16時間勉強して1級を取り、会計事務所に入ったのが31歳の時。
そして、実務をしながら税理士試験に向けて勉強し、資格を取って、38歳で開業しました。
35年後に結果が出る仕事
僕は仕事中毒的なところがあって、朝起きた瞬間から仕事のことを考えています。
休んで何もしないということに、非常に抵抗があるんですよ。
仕事は毎日が大変なことの連続ですが、楽しようなんて思ったことはありません。
でも、それが苦労かというと……実はやりたくてやっているんですよね(笑)。
今はまだ結果を出していないので、仕事の本当のやりがいは感じていません。
例えば、35歳で知り合ったお客様が70歳くらいまで会社を経営して、
代表取締役から会長になって一財産築き、
安心して後継者に引き渡せる会社を作る、というのが目標だとしたら、
それを達成するためのお手伝いができたらいいなと思っているんです。
そして、お客様が老後にご夫婦で定期預金の通帳を見て
「野田さんに頼んでよかったね」。
35年後にその一言が聞ければいいな。
そこをゴールにしているので、今は全てが現在進行形です。
抗生物質よりも漢方薬のような税理士でありたい
同じ物を売るだけならだれから買っても同じですが、
税理士はサービス業なので、どう考えて対応していくのかが大事。
薬でいうと、基本的に抗生物質よりも漢方薬のような位置づけを心がけています。
目先の即効性があるけど副作用もあるようなものではなく、最終的に体にいいもの。
「法人税が節税になった」という目先のことではなく、
「法人税が下がったけど所得税が山のように。全部合わせてどうなのか」というようなことも
総合的に見て対処します。
ただ、案件をお預かりした時点では、
外科手術のような緊急手段が望まれる場合もあるので、
その後に漢方薬で体質改善をするというイメージです。
学歴、資格、経験なんてどうでもいい
採用の際に求めるものは2つあります。
1.コミュニケーション能力
お客様は全て中小企業の社長で、私も含めてみなさんクセモノ(笑)。
「我こそは!」という人ばかりです。
そんな方々やそのご家族とやり取りして、
相手が何を求めているのかを肌で感じて対処するには、
コミュニケーション能力がないとできません。
そのため、採用面接では1〜1.5時間かけて、じっくりと会話します。
「高校時代はどんなスポーツをやってた?」とか。
キャプテンをしていた人なんて好きですね。
人をまとめたり、教えたり、話を聞いたりすることが得意な人や、
「みんなでやろう」「最後までやり抜こう」という熱意がある人を求めていますから。
ご家族の仕事や家庭環境など、立ち入ったことも聞きます。
なぜなら、税理士の仕事は、お客様の家庭の事情に関することを考慮する必要があり、また相談されることも多いからです。
お子さんの年齢やお金のかかる時期、その他いろいろ。
数字だけではなく、そこまでやって初めて「数字に血が通う」と思っています。
また、業務ではメールはなるべく使わせないようにしています。
お客様からメールで質問がきたとしても、経営者は会計や税法のプロではないので、
質問があいまいなことが多いので、メールのやり取りだけでは
いつか行き違いが起こります。
やはり電話や対面で会話して確認することが大切です。
2.一定以上の精神力
人様の財産を計算するのに「あ、まちがっちゃった」では済まされません。
何度も確認して、面倒だし、つらい時もあります。
でも、仕事なのでつらいことがあっても当たり前。
それをめげずに乗り越えてほしいですね。
僕は、採用する際に以上の2つしか求めていないんです。
学歴、資格、経験、一切必要ありません。
どんな小さな仕事でも、ぶっちぎりの一番になれ!
経営者を目指す人は、今やっている仕事で一番を目指すべき。
それも、ぶっちぎりの一番です。
そんな人たちが命がけでぶつかり合うのが、ベンチャーの世界ですから。
「この俺が失敗するわけないだろ!」くらいの意気込みでやらないと、すぐにつぶれます。
そして、“Something Special”を身につけてください。
私自身たくさんの起業家を見てきて、成功者となる人は、
“Something Special”を持っている人です。
逆に、それさえあれば、他のものは後からついてきます。
突き抜けるためには、不満な仕事でも関係なく、
遠慮しないで常にアクセル全開でやること。
例えば、掃除やコピーなどの作業を頼まれたら、どうせやるなら誰よりも早く済ませて、
「終わったんですけど、他にやることないですか」という姿勢をし続けることが大事です。
そうするうちに、要領よくやってくれるということで「じゃあこれもお願い」と
次の仕事を頼まれるようになります。
そして、「こうしたらどうですか」「このほうが効率いいんじゃないですか」と小さなことでも
提案していくと「いいこと言うね。じゃあ君に任せるよ」と仕事がもらえるように。
そうして小さなブレイクスルーを積み重ねて、階段を上っていけばいいんです。
雑用だからといい加減にやっていたら、一生その場所にいることになるでしょうね。