代表取締役社長兼CEO 森田 正康

株式会社ヒトメディア 代表取締役社長兼CEO 森田 正康

株式会社ヒトメディア 代表取締役社長兼CEO 森田 正康

株式会社ヒトメディア
設立 2006年12月
事業内容
  • インターネットメディア事業
  • ウェブインテグレーション事業
  • 映像制作・配信事業
  • 広告代理・配信事業
  • 電子書籍・出版事業
  • コンサルティング・プロデュース事業
会社HP http://www.hitomedia.jp/


世界平和がきっかけだった。

カリフォルニア大学バークレー校では政治経済を学び、
ハーバード大学教育大学院ではインターネット教育、ケンブリッジ大学では教育心理学、
コロンビア大学ではメディア、そして帰国後、東京大学では工学を学びました。

4つもの大学で学んだ理由は、やりたいことをやる為、様々な分野を極める必要があったからです。

そもそも僕の最初の興味は“教育”ではなく、
授業で国際法を学んだということがきっかけで“政治の世界”にありました。
しかしアメリカにいる間、僕自身が戦争を体験したことで「国の指揮官という上の
立場から世界を良くしていくのは非常に難しい」ということを身をもって感じました。
ならば「国の土台を担う教育者という立場から世界を良くしていこう!」と思い
ハーバード大学教育大学院へ進学。

しかし、普通に教壇に立って教えるだけだと、生涯を通じて教えられる数に限りがあるので、
“全世界に教育を提供できるインターネット教育”に興味を持ち、その後も
ケンブリッジ大学で教育心理学、コロンビア大学でテレビメディア教育を学びました。

そして日本に帰ってきてからも、自分でIT技術をより深く学ぶために
東京大学の工学部で研究を続けました。

恩師の導きのもと、社会人へ

ケンブリッジ大学に通っていた頃、金銭的に苦しくて、遠隔でアルバイトができる場所を探していました。
当時の僕には、英語しかなかったので、インターネットで「英語」というキーワードを検索し、
出てきた株式会社アルクのWEBマスター宛てに「なんでもよいから仕事をください!」とメールをしました。

その時のご縁で、当時のWEBマスターの方から仕事を頂いたことをきっかけに、
2年後、“アルク子会社の取締役”から社会人スタートを切りました。
今でも、当時の仕事をくれたWEBマスターの方とは恩師としてお付き合いさせて頂いています。

学生時代にダメ元でメールをしていなければ、僕にこのスタートはなかっただろうと思います。
また、このチャンスをくれた恩師には今でも感謝をしています。

その後、僕はアルク本社の役員に就任し、ジャスダック上場を果たしました。
また研究者としても研究を続け、教授として大学院で講義・研究をする立場にもなりました。
30代で、アカデミックな面でもビジネスの面でも充足感を得ることができました。

ただ自分の中では、成功した過去を捨てて、一から今まで学んできたことの集大成とした
ベンチャーをスタートしたいと思い、アルクの孫会社として「ヒトメディア」をスタートしました。

今まで培ってきた経験や知識を最大限に生かしたベンチャーで、今度は自分が代表として、
仲間(社員)と上場を経験したいと思いました。

もちろん、その準備が自分にはできている自信もありました。

「本当の大学選びができているか?」という疑問から生まれた「ダイガク.TV」

当社は若者への支援や、学校側へのサポート、留学生の誘致等、
ネットやテレビを通してグローバルに働きかけています。

その中の一つ、「ダイガク.TV」は、大学情報をリアリティなものにしようと立ち上げたプロジェクトです。
実際、世間で大学の評判を聞いても、遠隔だと気軽に現地に行けないし、
パンフレットやホームページだけではわかりにくいじゃないですか。

だったらどんな情報を知りたいのか、あるいは発信したいのかを突き詰めると、
「リアルかつ臨場感溢れる情報だ」という。

それで学生が学生の為に大学情報を発信する「ダイガク.TV」を始動しました。
どんな大学も一長一短。偏差値抜きにして自分に一番合う大学はどこかを知る権利があります。
そんな彼らの為に情報ときっかけを発信しているのです。

学生の為の空間プロジェクト「ヒトメディア The Third Place」

実は僕が研究をしている頃から「The Third Place」という言葉はありました。
それはスターバックスコーヒーの創始者が定義した言葉です。

「1st place」とは家庭、「2nd place」とは職場とか学校となる。
でも人はそこを行き来するだけでは辛く、新しいことを得られず、落ち着くこともできないのです。
だから習性的に3番目の場所「3rd Place」を探し求める。それを作ったのが、スターバックスの創始者なんです。

その設計は、とても面白いもので「孤独で寂しくないところ」。
一見矛盾しているようで、矛盾していない、まさに人が求める空間なのです。

例えば、体育館で勉強しろと言われても、無理でしょう?
重低音が鳴り響くクラブで自分の趣味に没頭するのもできない。

自分の空間を求めるけれども、隣を見ると同じような人がいて、決して寂しくない場所。
その空間を実現し、学生に還元したいと作り上げたのが「ヒトメディア The Third Place」なんです。
そこには空間だけでなく、最先端の映像機材、パソコン機材が用意されています。

なぜ福岡だったかというと、これからアジアをマーケットに考えた際に九州がアジア戦略の
拠点になると感じたからです。学生がグローバルに情報発信やビジネスをしたいと
思った時に九州という地理的メリットがあると思いました。

「ヒトメディア」にある二つの指標

一つ目の指標は『社会への還元』。僕自身が一つの成功モデルを築けたので、
先輩として次の世代に受け継いでいきたい。

それは、ビジネスという枠を越えて還元していきます。

何かしたいというより、自分を支えてくれた恩を、誰かに返すことを実現したいのです。
上司や他役員に対して「僕がトップなんだからあれしてくれ、これしてくれ」と指揮して、
恩義を返しても、誰も喜ばないでしょう(笑)
     
二つ目はベンチャーの醍醐味である『企業成長・成功をわかち合うこと』。
アルク自体は大企業なので、上場のメリットを正直感じることができなかったと思っています。
そのためベンチャーとして、自分で一から企業を成長させようと思いヒトメディアを始めました。
とはいえ自分一人で成功を体感しても無意味ですよね。
喜びは一緒に分かち合うものだし、分かち合いたい人と共有したい。
だから、ヒトメディアは4名のスターティングメンバーから始まりました。

彼らは、アルク時代に一緒に頑張ってくれた仲間だったり、アルク時代の発注先だったり、
教授をやっている大学院の教え子だったりと、お世話になった方々、かわいがっていた学生達でした。
喜びや成長を分かち合うためにも、僕は何より「ヒト」の縁を大事にしていきたいと思っています。

学生へ「正直になろう」

嘘をつかず、自分のやりたいことをしっかり伝えなきゃいけないと僕は思います。
他人に好かれようとするが為に、面接で自分をよく見せようとウソをついてしまう人がいますが、
できないことはできないとハッキリ伝えたほうが利口です。

大人は馬鹿じゃないんですから、嘘なんてすぐわかります。
企業に合わせて好かれる自分を装うのではなく、自分らしさを大いにアピールしてください。
結局、嘘をついて入社しても入社後が辛いだけです。
しっかりと自分にあった社長、社風を選んで就職活動に勤しんで貰えればと思います。

ベンチャー自体、十人十色です。いろんな会社があります。
絶対に自分を求めてくれるベンチャー企業はあります。

ぜひそれを見極めてその会社に全力で、正直にアタックすることが
WIN-WINな関係を築ける第一歩だと思います。
頑張ってください。