代表取締役社長 伊久間 努
設立 | 平成18年10月13日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.waterdirect.co.jp/ |
世界中を旅した大学時代
大学時代は、アルバイトでお金を貯めては、バックパッカーとして世界中を旅しました。
きっかけは、たまたまその日が誕生日だった教授の授業の一コマ。
「今日は自分の誕生日だが、私が皆の誕生日にプレゼントをするとしたら決めているモノ
がある」との話。何をくれるのだろうと耳を傾けていると、意外にも「地球儀を贈りたい」と
の言葉でした。
続けて教授はこんな話をしました。
「これからあなた方は大学1年生をスタートするところで、すでに世界に目を向けなくては
いけない。自分の今いる世界はこんなに狭い世界なんだということに気付いて欲しい。
こんな狭い世界の中の、更に狭い大学の中のつまらないと思う講義など出るな。私の講
義もつまらないと思ったら出なくていい。単位はあげるから心配するな。但し、日本でボー
ッとするな、ボーッとするなら世界に出て、世界の中でボーッとしろ。見えてくる世界、感じ
ることが全く違う」とのこと。
その時、私の中で何かのスイッチが入りました(笑)
ちょうどその頃、私は地方から東京に出てきて、自分は“井の中の蛙”だと感じていたとこ
ろ。自分のまだ知らない世間、世界を、実際に、自らの目で見て、肌で触れたいと、一気
に気持ちが高ぶりました。
そして私は大学の4年間で、発展途上国を中心に40ヶ国を回りました。
またその他に、大学時代、夢中になったことは政治の世界で、よく選挙の手伝いをしてい
ました(当時、政治家になりたいという気持ちがありました)
ただ、実際に永田町の世界を見ると、ほとんどサラリーマン出身者がいなく、私は、一般
的な感覚のない人達が、世の中を統治していいのだろうかと違和感を感じました。
そういう意味で、私は先ずは“サラリーマン”になろうと思い、その後、一般企業への就職
を決めました。
大手商社入社、海外駐在。その後、不良債権処理へ
サラリーマンになるにあたっては、海外経験を踏まえ、国外に向けての仕事がしたく、
商社に入りました。最初の仕事は、輸出機械の営業で、そこで貿易という分野を学び、
出張ベースで海外にも行くようになりました。
そしてその後、イスタンブールへ駐在。
ある意味、希望どおりに事が進んでいるかのようでした。
ですが、忘れもしない98年のこと。
私は不本意にも途中で日本へ戻されるという事態に陥りました。
会社の辞令ではありますが、正直どうしても納得がいかず、悔しくて、会社を辞めて転職
をしてやる!と本気で思いました。
そのような中、大手自動車メーカーの海外営業部の募集を目にし、簡単にも、次はここで
働こうと応募をしました。
結果は不合格。しかも書類で落ちました。ショックでした。
世間から見たら、自分という人間はこんなに興味をもたれない人間だったのだと実感しま
した。そして、今働いている会社の中で、自分なりの価値というものをまだ見つけていな
かったことが、そこで初めてわかり、目が覚める思いでした。
私はもう一度初心に戻り、この会社で頑張ることを決めました。
ただ、私を待っていたのは、皆が嫌がる仕事、不良債権処理の仕事でした。
自力で米公認会計士資格を取得
海外向けの不良債権処理は、予想を遥かに超える山のような量でした。
また、日本語でも理解不能な会計用語、法律用語には、もうまるでお手上げ。
ですが、理由はどうであれ、やらなくてはならないのが仕事です。
自分は役に立たない人間だなどと言っている暇はなく、とにかくこれは、勉強しなくては
何も仕事にならないと一念発起、独学で猛勉強しました。
結果、私はアメリカの公認会計士資格、USCPAを自力で取得。
その後、努力していることが認められたのか、事業審査部という部署に移動になりまし
た。ただ、更にまた違った過酷な仕事が待っていました。
事業審査部で、先ずやらされたことは、何千社という企業の財務分析。これは今までの
仕事の中で最も役立った仕事かもしれません。流通業、販売会社、製造業etc…ありとあ
らゆる企業を分析し、私は経営構造の全ての仕組みを頭に入れることができました。
そしてその2年後、次にやってみたいと考えていたM&A(買収)分野の社内公募があり、食
料カンパニーの経営企画部、M&A担当に応募。希望が叶い、そこでは、雪印グループへ
の支援やグループ会社の買収や合併など、折衝窓口として仕事に従事致しました。
次に自分に足りないものはマーケティング力
やりたかった仕事が出来たことに、当初はやりがいを感じましたが、苦労して買収をして
も、最終的に経営するのは、残念ながら自分ではなく、年功序列の順繰り人事、そこには
物足りなさを感じていました。
ですが、マーケティングの知識やマネージャー経験のない私が、すぐに経営者になれる
かと言ったら、それは無理な話だと思っていました。
そのような中、たまたまコンピューター会社のDELLから、営業部の部長をやらないかとい
う話を頂くことに。考えた末、私はDELLに行くことを決めました。入社後は、自分に足りな
いと感じていたダイレクトマーケティングの仕事を中心に、コールセンターマネジメント、メ
ディアの予算配分などの仕事を学び、一つ一つ積み上げていきました。
そして、いよいよ“経営者”として勝負できる自信をつけることが出来たのです。
その後、“REVAMP”というプロの経営者集団の会社と契約。
経営のお手伝いというところで、経営メンバーとして出向くことも多くなり、7、8社のプロジ
ェクト(ロッテリア、フージャースコーポレーションなど)に私は参加をしました。
株式会社ウォーターダイレクト、これからの事業展開
2006年10月、わが社は創業されました。
事業展開としてウォーターサーバーを使用した水の販売ですが、創業当初は全く売れ
ず、すぐに資金ショートに陥りました。そこで、REVAMPから投入されたのが私でした。
ある程度、資金が回ってきたのは3年目くらい。この間、語りつくせぬほど色々なことがあ
りましたね。
サーバーの資金は銀行から借り入れが出来なかった為、とにかく購入して頂ける代理店様を
探し、サポートしつつ、自らデモ販売をしたり(水のデモ販売は我々が先駆者です!)、
経費の出を一気に絞り、水の出所の所有者から土地を買い取ったりと、一つ一つを整理
し、4年目で何とか営業黒字にすることが出来ました。そして、私は社外役員から常勤役
員となり、社長を引き継いだというわけです。
今後の展開としては、今までの代理店様を大事にしつつ、直販に重きを置きます。
また通販や海外輸出、水の親和性の高い健康食品、サプリメントの販売も力を入れたい
と考えております。
〜どんな仕事も尊い〜 学生へのメッセージ
先ずベンチャーという観点から申し上げると、ベンチャー企業の良さは、順番を待たず
に、機会が回ってくるということです。
ただ、そのチャンスがきたところで、やってもいないうちから“出来ません”というタイプの
人、また、高い所から飛び込むと仮定して、下を見て“何mあるのだろう?”と思い悩む人
は難しいかと思います。とにかく、一旦飛び込んでみる。そしてその飛び込んだ後に考え
るタイプの方が、ベンチャーには向いていると思います。
また会社の看板に拘らなく、自分の力で勝負したいと考えている方もお勧めですね。
現在就職活動されている方に申し上げたいことは、自分自身、選り好みをしすぎていな
いか、もう一度考えて欲しいということです。初めは“営業は嫌”“企画がやりたい”など、
細かいこだわりは捨て、縁をもらった会社で先ずは3年頑張ることだと私は思います。
そこから自分の強み、勝負する分野が必ず見えてくるのです。
先ずは“仕事”をすること。そこから次の一歩が導けるはず。
どんな仕事であっても学びがあり、そして仕事とは尊いものなのです。