代表取締役社長 坂本 恒之

株式会社スマイルワークス 代表取締役社長 坂本 恒之

代表取締役社長 坂本 恒之

株式会社スマイルワークス
設立 平成15年7月
事業内容
  • サービス事業向けの情報システム及びサービスの提供
  • 事業企画開発・プロジェクトマネジメントサービス
  • EC・CRMなどセールス&マーケティングシステム
  • システム開発・運用サービス
会社HP http://www.smile-works.co.jp/

情報コミュニケーションの勉強からマーケティングの現場へ

私は大学在籍時、情報コミュニケーションについて学んでいました。
その中でも、システムを作るエンジニアリングの部分ではなく、
通信方法やメディアなどの手段が変わることによって
社会やビジネスがどう変わっていくかということを学びました。
もともと高校時代は理系だったのですが、高校3年生の時、改めて自分は
大学で何を勉強するのかと考えあぐねた結果、一人旅に出かけることにしました。
そこで、研究職やエンジニアとしてやっていくよりも、
社会やビジネスの部分に関わっていきたいという欲求に気づき
進路を変更して文系の情報コミュニケーション学科に進学したのです。
大学を卒業してからは、半年間バックパッカーをして
イギリスやオランダ、ドイツなどヨーロッパとアメリカを回りました。
それは就職に迷っていたからというわけではなく、半年間という長い期間を
自由に自分を磨けるというのは、働いてからだと難しいと思ったからでした。
若いうちに、思い切った時間の使い方をしておこうと思ったんです。
仕事を思いっきりやりたかったので、憂鬱を残したくなかったんですよ。
帰国後、就職活動を開始して営業企画という職種採用で、大手百貨店に就職しました。
大学で情報コミュニケーションを学びながら、情報を利用することで
ビジネスの流れがどう変わるのかということを勉強していたのですが、
それは一言で言うとマーケティングのようなものだったのです。
マーケティングの情報を得るためにはどうするのかというと
どのような形で消費が行われているかということを知らなければいけない。
そうなると、消費の最前線である流通の現場をわかっていないといけないと思いました。
最終的にはそこで5年間、様々なことを経験して、
たくさんの勉強をさせてもらいました。感謝しています。

ベンチャー企業での貴重な経験

5年間大手百貨店で働いた後、これからは「インターネット」というものが出てきて
世界が変わるという頃でした。
そこで、インターネット関連の会社に就職したいと思いましたが、理系ではないので、
インターネット業界で未経験者可というところを探して転職しました。
入社したのはインターネット系のベンチャー企業でした。
そこで未だに覚えていますが、入社初日に大イベントが・・・
「パスポートを持っていますか?」と秘書に聞かれたので「はい」と答えると
「なら明日から社長とアメリカに出張して下さいね」といわれたのです。
何をやったらいいのか全く分からず、とにかくアメリカに行きました。
そしてアメリカのサンフランシスコ空港に着いてから、社長の一言。
「これリストね。公衆電話でテレアポして」
英語はある程度しゃべれましたが、ビジネス英語は分からず、
外国の公衆電話の使い方も知らない。
ですがやるしかないと思い、空港の公衆電話から社長に渡された会社リストを
片っ端から英語でテレアポをしましたよ。
これが「ベンチャー」なのかと感じましたね(笑)
結局怒濤の1週間アメリカ出張を終えて帰ってきてから、
会社社員の紹介をしてもらいました。
ただ、ラッキーだったのは
「入社2日目で社長にアメリカに連れて行かれた可哀そうな新入社員」ということで
いろいろな部署の人に声をかけてもらうことができました。
そこで様々な人と話す機会が生まれ、わからないことを多くの人から教えて貰う事ができたのです。
そして半年位すると、最新のインターネット技術のことが大体わかるようになったので
お客様のところへ行くと
「そういうことが知りたかったんだよ」といってもらえるようになりました。
その頃から、大手企業のシステムエンジニア向けのセミナーをやったりするようになり、
目を付けられてたのかもしれませんが、外資系のIT企業からヘッドハンティングを受けたのです。

論理的なビジネスを学んで

その外資系で働く事により、いわゆる欧米流ビジネスのやり方を学ぶことができました。
とても勉強になったのは、ロジックを組み立て論理的に相手を説得し、
納得をしてもらうという行程です。
私は外資系企業の本社アメリカで既に出されている商品を、
日本向けに販売し直すという部署の責任者でしたが
日本のマーケットというのは、世界から見るととても特殊な市場で
なかなか世界標準のやり方ではちゃんと商品を売り出すことができないということを
論理的に説明することはとても大変ではありました。
ただ外資系の企業は成果を求められる分、権限も大きな範囲で任されるので
とても鍛えられたなとは思いますね。

中小企業の業務効率アップのための事業を

そして35歳になる頃に今の会社を立ち上げて独立しました。
大手、ベンチャー、外資系と回ったので次は起業だろ!と感じたのです。
起業するに当たって、それで何かをしようと考えたときに
まず中小企業向けのビジネスをやろうと思いました。
日本の中小企業を対象としたマーケティングはとても難しいと言われていますが、
あえてそこに挑戦していきたいと思ったのです。
その頃に企業向けの会計ソフトを作っている会社の方からお声をかけていただき
外部の経営メンバーとして大いに仕事をさせてもらいました。
その会計ソフトは中小企業が多く使っているソフトでしたので、
その仕事を通じて、今の仕事につながる様々なことを勉強させてもらうことができたと思います。
今は、企業の財務会計・給与計算・販売管理をWeb上で一括に管理する
システムを提供しています。
将来的には、会計作業や給与計算などのいわゆる間接業務といわれるような部分での
業務効率を改善できるようなサービスを提供していきたいと思っています。
この間接業務は、企業の中でコストがかかる部分として認識されていますが、
そこの能率を上げることで、中小企業が営業や製品を作るというような
利益を確保するところに注力できるお手伝いをしていきたいと思っています。

どんなことでも糧にして、失敗という経験値を積む

私が一緒に働いていきたいと思うのは自分で仕事を作れる人です。
こういうのをやったらどうですか、こういうのはだめなんですかということを
自分から言い出せる人はこれからの時代、求められる人だと思います。
最初は的外れなことしか出てこないと思いますが、
100個のアイデアを出して1個でもあたればそれはすごいことで、
大体100個出しても100個だめなことがほとんどです。
ただ、それだけ大量のアイデアを出すこと自体がその人の勉強になっているのです。
アイデアを出す為に考えて、それを説明する為に自分の考えを整理して、
その整理をする為にはいろいろなことを調べなければいけない。
そのステップを100回経験することがとても重要だと思います。
あとは現場での実証を経験していけば、正しい結果を導くことができるようになるので
しっかり的を射たアイデアを出せるようになり、仕事を自分から作ることができるのです。
若い人たちで、こういうことをやってもいいのかなというように
恐れながら仕事をしている人たちがいますが、
どんな人でも最初はそうですし、失敗して怒られるものです。
ただ、経験を積んでいくことで、いつか目に見える形で成果は出てきますし
続けることがマイナスにはならないので、失敗しても良いからやる。
大失敗だと思って落ち込んでも、世の中全体や会社全体からしたら
そんなに大きなことを任せるような段階の話ではないので失敗しても構わないのです。
むしろ、嫌なことも全部糧にするというような気持ちで取り組んでいってほしいですね。
そして、できれば起業してほしいなとは思います。
起業することはリスクと隣り合わせですが、
失敗という経験値を積むことができるのは若いうちだけですから。