代表取締役社長 鶴岡 秀子

ザ・レジェンド・ホテルズ&トラスト株式会社 代表取締役社長 鶴岡 秀子

代表取締役社長 鶴岡 秀子

ザ・レジェンド・ホテルズ&トラスト株式会社
設立 2006年3月
事業内容
  • ホテル開発・運営事業
  • トラスト事業
  • コンサルティングサービス事業
  • コンテンツサービス事業
会社HP http://legendhotels.jp/

●10歳で起業を決意

私が起業しようと思った理由は、父が会社を経営していることも
その一つですが、子どもの頃から人生ゲームが大好きだったから。
あのゲームは、いろいろな紆余曲折があって、最後にお金がたくさん
貯まった人が勝ち。
私は、お金に対して負のイメージを持ったことがありません。
売上げが立つとか利益が出るということは、「あなたの会社のおかげ
で助かったよ」とか、「あなたのサービスがとても気持ちがよかったよ」
という感謝の気持ちがお金で投票されているというとらえ方をしています。
だから、「早く大人になって、自分らしい仕組みを世の中に提供して、感謝
の投票をたくさんいただける人になりたい」と思っていました。

そして10歳の時、衝撃的な出来事がありました。
父と2人で車に乗っていたとき、「あそこに焼肉屋さん
とお蕎麦屋さんが並んでいるよね。それについてどう思う?」
と父に聞かれました。
私が「毎日、焼肉では飽きてしまうから、隣にお蕎麦屋さんを
作った人は賢いと思う」と答えたら、
父は「そうだね。だけどあの2店はオーナーが同じなんだよ」
と言ったのです。

私は大きな衝撃を受けました。
焼肉屋は、客単価をあまり上げられないし席数も決まっているので、
どんなに頑張っても売り上げは前年比105%から110%程度が限度。
でも、隣に違う業態の店を作ると、売り上げを一気に2倍にすることができます。
それってすごいことですよね。

「店長とオーナーは全く違う次元で物事を見ているんだ」と思い、早く経営者
になりたいと思うようになりました。
そんな仕組みを作り出す経営者という人は、無限の可能性を秘めているんだ
と感じました。
それが、10歳で起業しようと思ったきっかけです。
業種や業態は何でもよかったんです。
普通、10歳の子なら「野球選手」とか「ケーキ屋さん」とか職種を目指しますが、
私は職種は何でもよくて、仕組みを作る側になりたかったんです。

●どんな状況、どんな仕事でも楽しくするのは自分次第

大学卒業後はアパレル企業に就職し、7年勤めて外資系コンサルティング
企業に転職。
その後、インターネットベンチャーを起業し、現在のホテルを起業。

よく「やりたいことをやるまでに長い間苦労したんですね。
ホテルがやりたいなら最初からホテルで働けばよかったのに」
と言われますが、私は苦労したとは全く思っていません。
全てのことが、今の自分になるために必要だったと思っています。
それに、実は「ホテル」がやりたいわけではないのです。ホテルを
通じて、自分のやりたいことを提供しているだけなんですよ。
また、時々楽しい仕事を探して漂流してしまう方もいますが、
私は業種業態によって「楽しい仕事」というのがあるわけではない
と考えています。
どんな仕事でも、その仕事を楽しくしてしまう人がいるだけなんです。
洋服を売っていた時は、「こうやったらお客様に喜んでもらえるかな」
と自分がいろいろな工夫をし、それによってお客様から反応があって、
私に感謝の投票が集まったのがすごく楽しかったです。
外資系コンサルでも、たくさんのクライアントから
「ぜひうちの仕事に入ってください」とお声がかかって、彼らと一緒
にプロジェクトを動かすこともすごく楽しかったです。
インターネットベンチャーを起業して、日本と中国に150万人の
調査モニターを持っている日本で最大手の調査会社を作ってクライアント
に貢献する、それもすごく楽しかったです。

同じ職場にいても「つまらない」とぼやいている人もいれば、
楽しんでいる人もいます。
自分の考え方次第なんですよね。

●すべては自分を信じることから始まる

「自分はできないんじゃないか」とみんな思っています。
「コンフォートゾーン」といわれる、自分が気持ちいい状態
から飛び出せず、経験があることの中で生きていきます。

でも、自転車に乗るのと同じで、初めはみんな初めて。
みんな、知らないことにチャレンジして大人になったはず
なのに、なぜか大人になると自分の知っている範疇の中で
生きてしまっています。
でも、「できるよ」と自分に許可を与え、自分を信じることが
できると、何でもできるんです。
やってみたいことは何でもやったほうがいいですよ。
特に、ベンチャー経営者は「非常識」なことをやる人です。
たとえば、コンビニエンスストアだって、初めてやろうとした人
は「夜中に買い物をする人も働く人もいないよ」と周りからバカ
にされたんです。
でも、今ではなくてはならないものになっています。

みんなが「いい」と言ったことが正しいことだとは限りません。
自分の判断軸をきちんと持って、そこから一歩踏み出して、
やってみたいと思ったことをやってくださいね。