代表取締役 伊藤 孝博
設立 | 2000年7月4日 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.eu-ki.com/about/about.html |
一生懸命遊び、一生懸命学んだ学生時代
経営に興味を持ち始めたのは兄の影響です。
実家は農家を営んでおり、兄はその家業を継ぐ立場でした。
ただ、兄は親の後をそのまま継ぐだけじゃ嫌だと言って、
全く新しいビジネスモデルの農業法人を始めたりしていました。
そんな兄を見て、兄は農業で経営をしていくなら、
私は別の道で経営をしていこう、これが大学に入る前からの漠然とした夢でした。
そんな思いから、経営を学ぶために経済学部に行こうと考え始めます。
でも、経済学部は文系学部。私が得意な科目は理系科目でした。
そこで、理系でなおかつ経営というと、経営工学。
そのような観点から、早稲田大学理工学部の工業経営学科を受験し、進学しました。
大学は、親友作り、人脈作りの場と捉え、
とにかく一生懸命遊び、とにかく一生懸命勉強しました。
今でもそれは間違いではなかったと思っています。
なぜなら、当時の友人達とは、今でも切磋琢磨しています。
「あいつに負けないように俺も頑張るぞ」ってね。
そういう仲間を作れたという点で、大学生活はとても良いものでした。
大きい会社より小さい会社
就職活動では、商社に行きたいと考えていました。
そこで、三菱商事と三井物産を受けるつもりでしたが、
当時(昭和51年)はオイルショック後で今と同じ就職氷河期。
三菱商事は採用を控えていて、東大と一橋の学生しか受け付けていなかった。
前の年は、早稲田の先輩が8人も入っていたのに。
そして、選択肢が一つになってしまった私は
三井物産の選考を受けるも、最終面接で落ちてしまいました。
その後、他の商社を探し、日本ユニバック、現在の日本ユニシスを受けに行きました。
日本ユニシスは外国のメーカーなんですけど、海外で作ったものを輸入して
日本で販売しているということで、商社にもカテゴライズされていました。
商社かと思って行ってみたら、コンピューターメーカーだったという(笑)。
まあいいかと思ってね、もうそこに入りました。
本当は日本IBMの推薦をもらっていたんですけど、それは友達に譲りました。
大きい会社だとワンオブゼムでも、小さい会社だといろんな経験をさせてもらえますから。
私は早くからいろんな経験を積みたかったんです。
仕事は自分で取りに行くもの
1年目に意識していたのは、まずは仕事を覚えること。
同期の人間よりよく出来るようになって、力を認めてもらわないと。
仕事というのはね、与えられるものじゃないんですよ。
自分で取りにいくものなんです。
そのためにも、まずは仕事を覚える。力をつける。
認められれば、より上位の仕事を任されるようになります。
そうすれば、自分でやれる範囲が広くなってくる。権限も広くなる。
当然責任も重くなりますが、そういうものがないと上に行ったことにはなりません。
私は、5年目に1人でオンラインシステムを任されました。
普通ではめったにないことです。
1つのことを1人で任されるということは、ありとあらゆることをしなくちゃいけない。
人付き合いも、SEも、営業も。
営業は別にいたんですけど、自分でやりました。
評判が評判を呼ぶようなところがありますからね。
それが次の仕事に繋がるんです。
自分の実績は、このように自分で作っていきました。
経営者の道へ
入社してから10年後、その時の仲間とともに退社して
新しい会社をもち上げました。
いろいろ出来事が重なって、これを機会に独立して
新しいことをやろうという仲間が集まったためです。
若かったので代表などという立場ではありませんでしたが、
立ち上げには少し苦労しましたね。
ともに退社した仲間とは、今でも毎年必ず会っています。
私は、この会社に11年間在籍しました。
11年経つ頃には、135名という規模にまで広がっていた会社。
社長の座も約束されていましたが、それを断って、
プロジェクトマネージャーとして日本IBMへ移籍しました。
自分の力を試したい、成長したいという思いがあったからです。
プロジェクトマネージャーの世界では、IBMは世界ナンバーワン。
厳しいけど、やりがいはありました。
この時は、起業はあまり考えていませんでした。
起業することになったのは、ひょんなきっかけからです。
インターネットが世の中に出て来て、インターネット上で
物販が出来るらしいとなった。
今じゃ当たり前ですけど、12年前、IT元年なんて言われていた頃は
新鮮な話でした。
ちょうど楽天が出来た頃ですね。
そんな頃、「インターネット上で物販をやる会社を作りたい。
代表になってくれないか」という話が農家の仲間から来て。
その話に乗りました。
農家を支えるにはインターネット上での物販が
一番いい手段だと思ったんです。
農家の手取りを多くするには、彼らが売れないものを
売ってあげることが必要だと。
それを、やろうか、と思いました。
我慢
まず、インターネット上にチャネルを作って、
そこで物販が行えるようにしました。
今までにないことをやれば上手くいくと思っていたんですが、
結果的には、当時インフラが追いついていなくて全然上手くいかなかった。
倒産寸前までいきましたが、とにかく経費の見直しをして抑えて。
あとは我慢です。
そんな中、卸売業務を始めました。
たまたまニンジンジュースを販売したいという通販会社があったんです。
そこから少しずつ状況が良くなって、売り上げも伸びていきました。
インターネットはもうブロードバンドの時代にならないと
駄目だと思っていたので、赤字のまましばらく放置していました。
3~4年前までは卸業務中心で、インターネットは開店休業状態。
ようやく本格的に注力し始めたのは昨年度からです。
今年度からは、大きなシステム変更も予定していますし、
かなり本腰入れてやりますよ。
売り上げ倍増計画です。
今後の方針
最終的には、インターネットで成功したいと思っています。
インターネットで始めた会社だから、やっぱりそこで
成功しないといけないんですよ。
インターネット上で、一定の売り上げ、利益、顧客をきちんと掴む。
そこが設立当初のモデルだったわけですから、
きちんとおさえておきたいと思います。
それと、メーカーとしての立ち位置は確保しておきたい。
こっちから仕入れてあっちに卸すという卸売業は、
あまり先がありません。だから、自分達で作って販売しないと。
もちろん、リスクは高くなります。
販売先を見つけて、そこに見合った商品を作って、卸
売りして、ということをきちんとしていかないといけない。
これからも、メーカーとして、こういったBtoBとインターネットを
中心としたBtoCを並行してやっていくつもりです。
ただ、自社での販売業にはこだわりたいですね。
メーカー色も強くしていく予定ですが、当社はあくまでも販売会社です。
農産物の中でも、店頭に並べられないものは捨てられたりします。
特に有機野菜は高いので加工用としても買い取って
もらえないことが多いのですが、当社は買い取る。
例え安くなっても、生産者にとってこれは素晴らしいことなんですよ。
少しでも手取りが増えますし、もっと作ろうという意欲も湧きます。
だから、当社は彼らのために使うところも売るところも
たくさん持ってないといけません。
将来的には、個人に向けた販売をもっと盛り上げて
新しいマーケットを作ることが出来れば理想です。
当社の商品のファンクラブみたいな層が出来てくれば、と思います。
求める人物像
1つめは、逃げない人です。
すぐ人のせいにして逃げる人は駄目です。
責任を持って仕事が出来る人を求めます。
2つめは、目標を持つことの大切さを知っている人です。
目標を持たないで生きている人は、何年やっても駄目。
今は目標を持っていない人があまりにも多すぎるんじゃないかな。
「何をやったらいいか分からない」とか「自分がやりたい仕事が見つからない」とか、
そんなこと探している間にまずやってみろ!と思います。
どこの会社にだって、いろんなものがあります。
3つめは、プロになれる人。
お金をもらっている以上プロなんだから、
それに見合った仕事をしなくちゃいけない。
仕事は与えられるものじゃなく、作る、もしくは奪うものです。
いい仕事をしていれば、ワンランク上の仕事が必ずやってきます。
だから、まずは目標を持って、1つ1つ達成していく。
ここで落ちていく人は落ちていきます。
成績残せない営業なんていらないでしょ。
「成績上げるにはどうしたらいい?」って聞いたら黙るような人はまず駄目。
そこを乗り越えられる人を求めます。
学生へのメッセージ「一生懸命になれ」
一生懸命遊び、一生懸命学んでください。
一生懸命が欲しいんですよ。
一生懸命やらない人は、採用は無理(笑)。
一生懸命やると、限界なり突破法なりが見えてきます。
でもそれは一生懸命やるからこそ見えてくるものであって、
中途半端にやっている人には見えてきません。
ただし、目標は持ってください。
一生懸命と言っても、ただがむしゃらにやってもしょうがないんでね。
逃げないで、責任感を持って、目標に向かって一生懸命やる。
こういう生き方をしている人は、すぐ採用されます。
採用する側がこういう人を求めているんだから。
採用されないのはこういう人じゃないからです。
景気や社会の問題じゃありませんよ。
社会人は結果で評価されます。
入社試験だって、結果ですよ。
大学3年間の結果を評価されているだけ。
大学1~2年の方にはこれを是非心に留めて頂きたいですね。
就職活動を始めてから右往左往してもね、それまでを見られているんだから。
それと、業種は1つに絞らず、視野を広げてください。
採用活動をしている会社はたくさんありますよ。