代表取締役社長 新野 博信

代表取締役社長 新野 博信
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| 設立 | 2004年11月 |
| 事業内容 |
不動産クラウドファンディング「TECROWD(テクラウド)」を運営。 「TECROWD」は、資金ニーズのある新興国に対して投資ができる不動産クラウドファンディングサービス。 海外不動産の物件選びから契約まで、すべてオンラインで完結できるのが特徴。 「Build the Opportunity. 新興国の暮らしに、きっかけを。日本に、他者貢献の幸せを。」をミッションに掲げる。 |
| 会社HP | https://www.tecra.jp/ |
不動産クラウドファンディングという新しい投資の形に、独自のノウハウで新風を吹き込むTECRA株式会社。
金融と不動産のプロフェッショナルとして豊富な経験を積み、2021年より同社の変革を牽引する代表取締役社長、新野博信氏に、その挑戦の原点と未来像を伺いました。
新野社長のキャリアの原点(オリックスでの経験)と、TECRA社が建設業から不動産クラウドファンディングへと大胆に事業を転換した背景についてお聞かせください。
私のキャリアは1991年にオリックス株式会社に入社したことから始まります。そこから約24年間、不動産ファイナンスやリースといった金融の専門分野に従事しました。ノンバンクであったオリックスに来る案件は「一癖も二癖もある」難易度の高い案件が多く、「お客さんのために何ができるか」を常に考え抜き、スキームを組んで顧客の資産を守るファイナンスを実行するなど、皆が喜べる結果を生み出すことにやりがいを感じていました。
TECRA株式会社に入社したのは2021年3月、ちょうど当社が不動産特定共同事業の許可を取得し、第1号ファンドを立ち上げる直前でした。
TECRAは元々、横須賀の内装業から始まった建設会社でしたが、年々激化する価格競争から脱却し成長するために、会社の方向性を大胆に変える必要がありました。これは過去を否定するという事ではなく、会社が生き残り、「さらに発展するための進化」であったと認識しています。私も自分の金融と不動産双方の経験を活かしながら、不動産クラウドファンディング「TECROWD」を会社の新たな柱とすべく、日々努力を続けました。現在は不動産クラウドファンディング事業に軸足を移しています。
TECROWDは高い利回りを誇りますが、競合他社には真似できない独自のビジネスモデルや強みはどこにありますか?
お客様にとっての最大のメリットは「配当」であり、いかに魅力的な利回りを提供できるかが重要です。競合他社が多く手がける都心の住居系物件やオフィスでは利回りの限界があるため、我々は独自のノウハウを活かした「オペレーション付加型」のファンドに注力しています。
その象徴が、国内の障がい者向けグループホーム案件や、データセンター案件です。
グループホーム案件は、投資家、事業者、入居者、そして社会の四方向が皆、win‐winとなる事業モデルと考えております。好条件の賃料を設定できますが、自治体からの補助があるため入居者負担は軽く、また一度入居すると入れ替わりが少ないため空室リスクも極めて低く、安定した賃料収入が見込めます。これにより、投資家、事業者、入居者、社会のすべてに有益な関係を築いています。
サービス開始以来、TECROWDは配当遅延・元本割れは一度も発生しておらず、償還済みファンドの平均実績利回り10.1%(2025年9月30日時点)と、高水準な数字を誇っています。
高利回りのサービスには「怪しい」といった懸念の声もつきまといます。特にネガティブな報道があった際、信頼回復のためにどのような情熱で向き合われたのでしょうか?
高利回りのサービスに対する懸念やネガティブな報道は、多くの場合「情報の非対称性」に起因する誤解だと捉えています。だからこそ、我々はこの壁を取り払い、誠実かつ透明度の高い情報開示を通じて信頼を築くことが、何よりの責務だと考えています。
しかしながら、過去、一部の海外ファンドに関する進捗報告において、計画変更後の状況説明に誤りが生じた事例がございました。この点につきましては深く反省し、再発防止に向けて全力で取り組んでおります。今後は、これまで以上に正確かつ丁寧な情報開示に努め、皆さまに安心してご利用いただける環境づくりを徹底してまいります。
今後のビジョンと、未来を担う若きビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。
おかげさまで、TECROWDの累計募集金額は約500億円、償還を済ませた累計額も200億円超と、順調に業績を積み重ねてまいりました。財務内容的にも直近期では売上約77億円および経常利益4億4千万円を計上する等、拡大を続けています。
今後も社員一同、よりよいサービスの提供を目指し、努力を続けてまいりますが、我々の大きな目標は、「貯蓄から投資へ」の流れの中で、不動産クラウドファンディングを資産運用手段のメインストリームに乗せることです。不動産クラウドファンディングが社会に不可欠なインフラの一つとして確立され、「不動産クラウドファンディングといえばTECROWDだ」と思っていただけるようにすることが、私の社会人人生の集大成だと思っています。
最後になりますが、若きビジネスパーソンへお伝えしたいメッセージは二つあります。
一つ目は、「目の前のことに全力でやる」ことです。どんなに意味がないと思える仕事でも、将来的に何かしらの形で役に立つ可能性があることを想定して取り組む事が重要だと思っています。その仕事が、もしかしたらさほど役に立たなかったとしても、少なくともマイナスになることはない、であれば役に立つ可能性に賭けて全力でやってみる価値はあると思います。
そしてもう一つは、「コミュニケーション力、分解して考えると日本語力をつける」こと。あらゆる仕事におけるお客様や仕事仲間との信頼関係は、誠実なコミュニケーションに懸かっています。相手の気持ちを深く理解し、より強固な信頼を築くために必要な普遍的な能力は、言葉を紡ぐ力、すなわち「日本語力」だと思います。技術の革新は日々目まぐるしいものがありますが、そうしたツールを駆使する前提には、ツールを扱う者の日本語を読み解く力、伝える力が前提にあることを忘れないでいただきたいと考えています。
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【補足情報】 TECRA株式会社は、2025年4月期決算で売上約77億円、経常利益約4.7億円を計上し、安定した財務基盤を維持しています。また、サービス開始以来、累計調達額は約500億円超、償還額は200億円超に達しており(2025年9月時点)、配当遅延・元本割れは一度も発生していません。
《 TECRA株式会社 代表取締役社長 新野 博信 》

