代表取締役社長 碇 隆司

株式会社アンカーネットワークサービス 代表取締役社長 碇 隆司

代表取締役社長 碇 隆司

株式会社アンカーネットワークサービス
設立 1993年5月18日
事業内容
  • 中古OA機器等の買取、販売 (リユース、リサイクル)
  • 情報機器のデータ消去サービス
  • 産業廃棄物の収集運搬および中間処理
会社HP http://www.anchor-net.co.jp

何事も全力を尽くさないとダメ

私は学生時代から、バレーボールやギターに打ち込み、
特に音楽は作詞・作曲を手がけたり、チャリティーコンサートを開いたりするほどでした。
ただそれだけお金もかかっていましたので、アルバイトも50種類以上経験しましたね。
それこそ飲食店店員から営業マンまでです。

そんなバイトの中で、高額な幼児教材の営業を行い、私が1日3件成約したのに対し、
ベテラン社員が全く売れなかった時のことを鮮明に覚えています。
全力を尽くせば学生もベテランも関係ない。必ず報われるんだなと、そこで感じたのです。

その後専門学校を卒業し、松下電器産業の関連会社に就職。
自動販売機などの業務機器の販売、設置や撤去作業に携わっていました。
初めての契約先は、とある高級レストラン。
そのレストランを手伝い、その結果受注に繋がったのを覚えています。
取引先をよく知るのが営業の秘訣。
いきなり「買ってください!」の腹ペコ狼では逃げられてしまいますから。

この会社では、自動販売機の設置だけでなく撤去作業も行っておりました。
その撤去作業は体力をかなり奪われる重労働でしたが、作業を行いつつも、
まだ使えるであろう自動販売機を夢の島へ廃棄しに行くのは「非常にもったいないな」とも思っていました。

松下電器の方は情熱的な職人気質で「精魂込めて作りましたので、
しっかり売ってください!」と、口にするほど製品に思いを込めていました。
それだけに、なんとかしたい沸々した思いが湧いてきました。

アンカーネットワークサービス立ち上げまで

まだ使える製品を廃棄する流通形態に疑問を抱いていた私は、8年後に退職したときには
中古品の売買ということを意識し始めていました。

そこで、中古関係の会社が掲載されていているIRレポートをもとに、複数の取扱い企業を訪ねました。
各企業には主に取り扱うメーカーにより得意な分野と不得意な分野があるという特徴が分かり、
その中で私はいわゆるブローカーのような仕事をしていました。

そして職を転々とした後、昭和64年頃仲間と会社をつくり、これまで培った中古会社との
関係を続けながら、中古品売買を本格化しました。

当時は好景気もあれば、その反対もありました。
食事もろくに摂れず、子どもを病院へ連れて行けないくらい辛い時期もありました。
それでも東京、名古屋、大阪へと駆け巡る日々が続きました。

さすがに体力的にもフラフラだったので、プリンタを自分の足元に落として怪我することもありました。
でも周りは私に「大丈夫か?」ではなく、「プリンタ壊れてないか?」と心配していましたよ(笑)。
そんな波の多い事業だけに、30歳になった頃も父親に借金する状況でした。

でもなんとか返済し、退職金300万円を資本金にして、アンカーネットワークサービスを立ち上げました。

中古業界をクリーンなものに

中古業界に少し慣れてはきたものの、当時はどこの業者もお金が目的。
製品のシリアルナンバーがすり替わっていたこともあり、
不透明な部分が多くあることを思い知らされました。

松下電器産業にはそんな教えはありませんでしたから、
「こんなことが長続きするわけがない、コンプライアンスを遵守する者がこの業界を制する」
という意気込みが強くなりました。
実際、不法投棄の目立つ時代でしたので、なんとかしなければならないと思いました。

そんな時、お客様からリース品も廃棄品も、一括で処理してほしいと言われました。
すぐに環境省より「産業廃棄物収集運搬業」の許可を得て、このニーズに応え、
その後ISO14001を取得。

空気・水・土は人間のモノだけじゃない。
だから「万人万物共存共生」を経営理念として、どこの工程をとっても第三者が認めるもの
でなければと、品質のマネジメントシステムであるISO9001を取得し、続いてISMS取得により、
セキュリティの分野も強化しました。
こうして取引先(リース会社)からオファーが来るほど、信頼度を高めていきました。

中古も立派な商品のひとつ。だから徹底したサービスの充実を

今は、主にリース満了・中途解約機器を、希望に沿うように買い取り、
ECサイトでの直販や、業者への販売、海外への輸出をしています。
消費者のニーズに応えるべく、「環境に優しい中古商品の提供」が販売のコンセプトです。

また、現在中古PCではOSにおいて、いわゆる海賊版と呼ばれる正規ライセンス
でないコピー品も出回っています。
これを撤廃するべく、MAR(Microsoft Authorized Refurbisher)プログラムに参加し、
中古PCに正規OSをインストールして販売しています。
MAR認定・参加企業世界70社のうち、当社は第3位の販売台数をキープしています。

そして、消費者向けのユーザサポートにも務めています。
パソコンを初めて使うという高齢者に評判が高く、よく利用されています。

「責任」というのは、メーカー、販売店、所有者にあります。
新品にも購入後の保証期間、アフターサービス等がありますが、余り十分な機能を果たしてない。
中古品とはいっても、使うお客様にとっては区別はなく、それだけお座成りにできない部分です。
中古も立派な商品のひとつ。だからこそ丁寧に対応して行く必要があると思っています。

未来の子供たちに礼を尽くすために

ゆくゆくは中古品だけでなく、新品も売ります。
そして自社の取扱品に関しては、通しの管理番号を振るように徹し、
ファースト、セカンド、部品、素材、そして無害化処理という
5段階のマーケティングステージを作って管理します。

そして、アジア経済が環境ビジネスのモデルとなるよう、地球上で流通するもの全てが、
地球のモノであるという意識を持ち、格差社会を無くしていきたいと思います。

そのために、中古商品においても付加価値をつける必要があります。
地球から見れば本来は全ての商品が循環品。その価値設定(残価設定)を行い、
証券化し、各国に循環させるよう努めるのです。

また、解体・磨き作業という工程においても、
障がい者の取り組める仕事がありますので、積極的に採用していきます。
それは国内にとどまらず、アジア各国やその他の地域においても、
地球環境、福祉に関わるミッションとして掲げていきます。

最終的には、勉強できない環境に置かれている子供たちに、チャンスに恵まれた環境を提供・整備したい。
当然、当社だけではできませんので、まずは声掛けのある他国との共生から始めていきます。

心の成長こそ、自分の成長

世界に目を向けると日本は恵まれた国だとは思います。
でも本当に恵まれているかどうかを見直し、もっと世界観を持ってほしい。
命より大事なのは誇り。どうか誇りを持ってほしいですね。

そして日本人の真骨頂を掴んで、自分の幸せを見つけてほしいです。

私が思うに、幸せの本質って、お金や物質にはなく、相手の笑顔にこそあるもの。
心を解放して、まずは笑顔で挨拶から始めませんか。
目の前の課題は必ず越えられられますので、
素直に心を開いて、真っ直ぐに進んでください。