代表取締役 有賀之和
設立 | 2014年3月10日 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://fsail.jp/ |
実は出戻りなんです・・
社会人になってから現在まで。
私がやってきたのは、インターネット関連の事業でした。
実はにはネット事業には他の事業と違うところがあります。
それは物を介さないことや、仕入れという作業が無いということです。
ネット以外の仕事ならばたいてい経験するこれらのことを、
私の場合はそれまで一切経験することなく働いてきたので、
いつしか『ビジネスパーソンの経験としてこれだけでいいのだろうか?』と
思うようになりました。
今考えるとたいした悩みでもないんですが。
ただ、当時は世の経営者ならば誰でも知っているビジネスの常識を
知っておく必要があるんじゃないか?という考えもあり、
ベンチャー企業への転職と同時にビジネススクールに通い始め、
知識とノウハウを学びました。
学び始めた頃は社長になるかどうかなど考えもしなかったのですが、
いろいろ知るうちに、ある程度大きな権限を持ってチャレンジするなら
いつかは経営者という立場が必要になるのではないかと漠然と思うようになりました。
ただ、私が強く興味を抱いたのは、社長というポジションではなく、
会社を運営、経営していく立場・役割における社長でした。
ただそれも、いつか社長になる時のためであり、
経営者になりたいと強く意識するようになったきっかけは他にあります。
それは当時、所属していた株式会社ベーシックを退職した後のことです。
実は、退職後もベーシックの代表から何度か『戻ってこないか?』と誘われていました。
ですが、私は考えました。
会社に復帰するのはいい。しかし、一度退職した以上、
もう一度やめるのはさすがに気まずい。
それこそ、何かしらの目標やマイルストーンを
見据えた上で戻らなければ、会社に失礼だ。
だから、私は一つのゴールを掲げてベーシックに復帰しました。
それが、経営者もしくはそれに準ずる立場を経験することでした。
偶然の大ヒットから見出したもの
ベーシックに復帰した時といえば、
ちょうどスマートフォンやソーシャルメディアが流行の兆しを見せ始めていた時期。
社内でもこの領域で新規のビジネスをやろうかと話が出ており、
私は、新たに新規事業開発室という部署を創設し、再スタートを切りました。
その後しばらくは既存サービスを運営しながら手探りでスマホ、ソーシャルメディア領域で
素振りを繰り返してきました。
その結果、アプリを開発している人向けのサービスを作ることに
徐々にフォーカスしていったのですが、
その為には自分達がアプリを作らないと、その人達のことが分からない。
だから二週間くらいで試しにアプリを一つ開発してみました。
それが何と予想外の大ヒット!!
ゲームって当たれば凄いんだなぁって思いました。
その後いくつかの広告会社やゲーム会社から
広告を出させてほしい、というお誘いをいただくようになりました。
そこから、ゲーム内に広告を出すことに、ニーズがあることを気付き、
何とかこれを事業として、持続的にやれる仕組みにできないかと考え、
開発したのが、ゲームアプリ専用の広告サービス『GAMEFEAT』でした。
これまでに開発したアプリの経験、それらがヒットしたという実績。
実績をベースにした新しい仕組み。
これらを活かし、事業部を子会社化して2014年にできたのが、株式会社フルセイルです。
ヒットの秘訣
ヒットしたゲームアプリを開発した後は、その要因を検証していきます。
そこから見つけた要因を使えば、次に開発したアプリもヒットするはずだから。
・・・そういうわけでは無いのかな、と思っています。
それこそ、色々な経験を積み重ねてきた百戦錬磨のメンバーが、
死ぬ物狂いで企画を出し続け、ようやく『これならいける』という企画が生まれ、
それがヒットしていくのだと思います。
だからロジカルにヒットの要因を出すだけでなく、
見つけた要因を、それこそ10倍に膨らませるイメージで案を出す。
それをひたすら繰り返して、ようやく再現性を持った企画が生まれてくるのです。
最もやってはいけないのが、考えた要因が10個あるのなら
それをそのまま使うことです。
エンターテインメントの要素が強いアプリ開発だからこそ、
同じものを使えば必ずヒットする、
というような甘い世界ではないと痛感することも多いです。
その辺が、特に難しいところですね。
社員全員に成功の実績を
一般的な会社や大企業では
人に言われた仕事、作業の流れが決まっている仕事。
そういうのが日々の仕事の大半を占めるでしょう。
もちろんそれも重要ですし、収益性や効率の観点では無視できないのですが、
フルセイルという会社だからこそできることを考えた時、
そういうのではなく、大きくても小さくても何か自分で考えて、
それを世に出して反応が得られた。
そんな経験を何度かすることができた私達だからこそ、
社員も同じような経験ができるような会社にしていくことが可能なのでは?
そんな風に思っています。
だから、会社をどうしたいのか?と聞かれたら、
私は世の中に通用するサービスや仕組みを作り、それが通用して喜び合える。
そんな経験をたくさん実現できるような会社にしたいと答えます。
要は「自分の考えたことが世の中に通用した!」という経験ができる会社という感じです。
そのために心掛けているのは、
若い社員、経験の浅い社員の意見にもしっかり耳を傾けることでしょうか。
事実、アルバイトだった方が提案したゲームが大ヒット、そんな経験もありました。
若いから、経験が浅いから良い企画が考えられないわけではないと思います。
そんな若い世代の人達にこそ自分で考えて自分で企画して自分で制作していくことを
経験してもらいたいので、経営者としてそれは特に意識してやっていきたいと思っています。
経営者とは何か?
社長とはオールマイティに何でも知っている人間で、
経営者とはそんな知識やスキルがなければならない。
以前は私もそう思っていました。
ですが、実際にやってみて思ったのは、そんなイメージとは全然違い、
経営者でなくてもできることは数多くあり、
それができる人材は周りにたくさん居るということでした。
おそらく経営者の役目とはファイナンスやマーケティングや人材の知識を広く持ち、
それをフル活用して経営していくことではない。
だから将来経営者になりたいからと言って
無理に様々な知識を身に付け、オールマイティになる必要はないのかなと思います。
それよりも、会社をどんな方向に特化させていくのかを考えたり、
会社の社員を活かしていく為に、彼らが持つ得意分野をどう引き立てていくのか。
特に我々がいる領域ではそういうことを考えるべきだと思います。
まだまだ新米経営者の私ではありますが、そう思いながら、日々働いております。
自分の思いに従って道を決めていく
私が常日頃から周りの人に言っていることがあります。
自分が考えたものが通用する、そんな状況を実現させたいのならば、
人が考えたものや既に世の中にあるものを参考にしすぎたらダメ。
何故なら、他にあるものをベースにして考えたアイデアなら同じことを考えている人も
いるはずですし、ちょっと壁にぶつかっただけであきらめてしまいがちです。
ぱっと見たいしたことでなくても、自分の中の根源や実体験に根差したもの。
そこから生み出すことで、より深みのあるものが生まれ、目標の実現にも近づいていく。
何か壁にぶつかっても、実体験がベースになっていれば
ちょっと角度を変えてアプローチしたりと応用も効きやすいです。
これは就職活動でも同様のことが言えるでしょう。
仕事とは、生活する為に何十年もすることです。
それを両親や学校、身の回りの友人の意見や流行の業界と言った考えで
決めようとしても、いい結果が生まれるとは思えません。
むしろ、一生やっていく仕事なのだから、
本当に自分がやりたいことや好きなこと、
あとは小さい頃に興味を持っていたことなどを大事して企業を選ぶべきだと思います。
もちろんいきなりすごい使命に目覚めるなんてこともないので、
きっかけは小さな理由でいいと思います。
結局、周りの意見に左右されても
自分と同じようにうまくやろうと考えている人はたくさん居て、
そんな中では自分自身が埋もれてしまい、成長していかないのではないかと思っています。
就職活動、だからこそ自分の好きや願望を大事にするべきなのではないでしょうか?