代表取締役社長/ぱむグループ代表 吉岡 博之
設立 | 2000年3月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.pampam.co.jp/ |
ふざけんな魂
あらゆるものに対しての「ふざけんな魂」。
これが、私の人生を常に動かし続けてきました。
貧乏家庭で育った私は、とある進学校へ進みました。
地元の多種多様な人間が集まる小学中学とは違い、
その高校は画一的な人間の集合に思えたんです。
「何で同じような奴ばっかりなんだろう」
私はそこに不満を覚えました。
その不満は校則へも向くことに。
「何で色のついた靴下じゃダメなんだ」
本質を捉えない制度に反発を感じ、やさぐれていました。
そんな時に出会ったのが、本の中の坂本龍馬でした。
『竜馬がゆく』に登場する彼は、虐げられる身分からスタートを切ります。
そして、何もできないはなたれ小僧と言われ続けて育つのです。
そこには、私自身と重なるところがありました。
しかしそんな中で、彼は本質を捉えない制度や社会に対して常に想いを持っていたのです。
「ふざけんな」と。
その生き方が何よりもかっこよかった。
自由でのびやかな生き様への強い憧れを抱かせるきっかけになった。
絶対にビッグになってやると、周囲によく吹聴していた事を覚えています。
この「ふざけんな魂」が、それ以降の私の生き方をも変えることになります。
異国での決意
その後、私は当時付き合っていた彼女と同じ保育士の道を進むため、大学進学を志します。
しかし、学校の先生はそんな私を笑ってこう言います。
「落ちこぼれのお前には無理だ」と。
当然ここにも「ふざけんな魂」が沸き上がり、猛勉強を始めます。
そして一浪しながらも公立大学へ。
しかしその頃、もう一度「竜馬がゆく」を読んでこう思います。
「竜馬のようにもっと大きな事がしたい」と。
その想いを持ったまま、大学1年の時にアメリカを放浪しました。
スケールの大きさに、「ビッグになる」などと言っていた自分の小ささを実感しました。
そこからアルバイトを必死でこなし、今度は休学してニュージーランドへ。
仕事をし、放浪し、人と出会い、「生き方は画一的じゃなくていいんだ」と再確認しました。
そして一年後の帰国。
前述の彼女と学生結婚。1児のパパとして超貧乏生活をしつつ就活を始めます。
さて当時、オゾンホールが大きな社会問題でした。
この時、私はフロンガス対策の一つとしてNPO法人の事務局長を務めていました。
様々な社長や通産省の局長と親交を深め、NHKの取材を受けたり。
竜馬のように世の中を動かしているような経験をしたのです。
それで「これは就活も余裕だな」とたかをくくっていたら、軒並み落とされる。
理由は学生結婚。家族手当がいる、転勤させづらい、そんな破天荒な人は…というもの。
「ふざけんな!就活中だけ離婚していればよかったのか?」と反発を感じました。
生き様を重視
そんな「ふざけんな魂」から動き出した私も就職し、
20代後半で大きな仕事に出会う事となります。
大手証券会社が子会社を立ち上げるので、
そのプロジェクトチームに参加しないかとヘッドハンティングされたのです。
小さいチームはマルチタスクを身に付ける機会と捉え、起業前提で転職しました。
当然、そのチームには親会社から多くの社員がやってきます。
そんな彼らは、何万人という大出世競争に勝ち抜いてきた人材。
優秀だけれども、足の引っ張り合いや騙し合いが横行していました。
その当時、私は4人の子供を持つ父親。
「嘘つきはダメ。喧嘩したら仲直りするんだよ」
そう教えていながら、真逆の実社会に「ふざけんな魂」がまた沸き起こる。
元々起業を考えていましたから「もう辞めて独立しよう」と決断。
高給よりも自分の生き様を選んだのです。
こうして起業へ踏み切った私は、
「何をするか」よりも「誰と働くのか」を重視しています。
「会社」という名の、理想的な「社会」を作りたい。
この想いを実現するために、「ぱむ」を立ち上げたのです。
理想的な社会を会社で実現
起業当初、何が自分にとって一番大切かを自問自答していました。
その答えは、仕事の内容でも収入でもなく、「誰と働くのか」でした。
人は1日のほとんどを仕事に費やします。
そして仕事の8、9割は大変です。
であればその時間は「いいヤツ」と共に過ごして乗り越えたいと考えました。
「いいヤツ」とは、子どもの頃に教わった事が出来ている人の事。
仲良くしなさい。
人を裏切ってはいけません。
誰かが困っていたら助けてあげなさい。
そんな基本が出来ている、人間性がまっすぐな人と共に働ける会社にしたいのです。
会社の業績をただ上げるだけなら、優秀な人間を大金で引っ張ってくればよい。
でもその代償に、ギスギスしたプレッシャーの多い環境が生まれてしまうかもしれない。
やはり私は、そうではなく笑顔のある環境を大切にしたい。
まず皆の笑顔があって、そして皆に十分に分配できるお金も付いてくる。
「笑顔と業績」の両方を実現した、そんな理想的な会社にしたいと強く願っています。
地球46億年の歴史から経営を学ぶ
私がよく経営の参考にするのは、経営学よりはるかに歴史ある「自然界」。
今この地球上に生き残っている動植物は、いわば勝者ですよね。
ならば、企業が生き残る方法も彼らから学べると私は考えます。
ネズミを外敵のいない環境に置いて三世代経つと、どうなると思いますか?
何と、巨大化するそうです。
ネズミに限らず、哺乳類は放っておくと大きくなろうとする性質があるそうです。
なぜなら、体が大きいほど体温を保てるから。
ゾウは体温を保つため、そして外敵から身を守るために大きくなりました。
一方、それらを切り捨ててでも俊敏性を重視したのがネズミです。
会社もこれと似ています。
人をどんどん雇って徐々に巨大化してしまう傾向がある。
しかし、それでは俊敏性を失ってしまう。
これからの10年の社会の変化は、今までの10年よりもっと激しいはず。
その変化の急カーブに、巨大すぎては対応しきれないのです。
大切なのは、会社のサイズをしっかりと考える事だと考えます。
それには20人ほどが適切な規模。
意思決定の俊敏さ・決断の速さを考慮するとそれくらいです。
その規模の子会社や事業部が100個あれば、それは2000人規模のチームになります。
私たちが目指しているのはまさにこの連邦経営。ライオンの群れの集合体です。
この100事業構想で、これからの時代に対応していきます。
噛まれてもいい、藪を切り開け
100事業構想によって、私はこの会社から多くの起業家を輩出したいと考えています。
ぱむ1社だけでは、トップは私だけになってしまいます。
でも私は、皆にトップを走ってもらいたいと願っているのです。
大上段から物を言わせてもらうと、私は竜馬のように日本を変えたいと想っています。
政治家でない私にできる事、それは
「正しい考えを持っているトップを輩出する」という事。
企業トップがその会社の仲間に与える影響は、本当に大きいのです。
大きな海に石を投げるかのようでも、その波紋の連続が大きな波を呼ぶはずです。
そんな弊社が求めているのは、サムライのような人。
常識を理解した上で常識を破りにくるような人。
大きな事を成し遂げたいと想えるか。
そして最も重要なのは、それを想い続けられるか。
藪があるなら切り開けばよいのです。
蛇に噛まれることなど気にしてはいけません。
本質を捉えない理不尽さに「ふざけんな」という想いを持ち、
何かを成したいと考える。それを持ち続けてほしいと願います。