代表者 モハンマド シャヒン アハメド
設立 | 1999年11月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.cosmicinfolink.com/ |
精一杯やって見えてきたもの
バングラデシュ出身で、バングラデシュの大学を出て
貿易関係の仕事をしているタイミングで来日しました。
初めから日本でビジネスをしようと思っていたわけではありませんし、
ファッションにも興味はありませんでした。
最初は、ただ着物とかサムライとか、日本の文化が好きで、
日本の真面目さや考え方を学びたいという気持ちがありました。
そうしたなか、
友人と一緒に会社をつくろうと盛り上がり、1999年に法人を設立。
それまで、バングラの特産品である皮のサンダルや麻のぬいぐるみなどを
知り合いに見せたり、紹介したりするなかで、
バングラデシュのことを日本人に知ってもらう楽しさは感じていました。
ただ、僕が面白いと一人で感じているだけではだめなので、
本格的にやろうと、それまでの仕事を辞め、
知り合いに頼んで商品のカタログをつくるところからスタート。
新宿の店舗を一つ一つまわって営業を始めました。
業界の知識も何もありませんでしたが、
たくさんの人に会って話をしてみると、
中には商品を気に入ってくれて取り扱ってくれる取引先が出てきたんです。
しばらくはとにかく好奇心に身を任せて精一杯何でも挑戦し、
それがだんだん広がって続いてきています。
バングラデシュの手仕事の魅力を日本へ
母国バングラデシュは、
ノクシカタという伝統的な刺繍やジュートを編み込んだ製品など、
昔ながらの手仕事が息づいています。
今でこそ、業界では知られるようになりましたが、
来日した当時、日本にはほとんどバングラデシュの製品はありませんでした。
そこで、ノクシカタやジュートを使って、
ベンガルタイガーやゾウといった手のひらサイズのぬいぐるみを作り、
予想以上に人気が出ました。
また、バングラデシュやインドで伝統的に履かれているレザーのサンダルを
日本の女の子たちにも履いてもらいたい、と考えてつくり始めたのが、
今の靴工場の始まりです。
メッシュやハンドパンチング、ステッチワーク、型押しといった、
バングラのサンダル作りの伝統的なテクニックを活かし、
現代の女の子たちのファッションに合わせられるようにモダンにアレンジしています。
サンダルから始まったアイテムが、
今はシューズやパンプス、ブーツ、バッグなどに広がりました。
工場の職人たちは、伝統的なテクニックを身に付けたベテランがそろい、
日々その技術をさらに高める努力を重ねています。
日本のスタッフも母国の職人たちと一緒になってデザインやものづくりに取り組んでいます。
流行を追わないこだわりのものづくり
商品づくりにあたってこだわっているのは、
流行に左右されない独自のオリジナリティあるデザインです。
独自の企画・デザインはもちろん、
皮の企画開発から自然な風合いとクラフト感あふれるデザインを追求し、
一貫したものづくりをしています。
私たちは常に質の高い商品をお客様に届けたい、
そのような想いで商品を製造・販売しております。
いつも高品質の製品をお届けするために、
最大限の努力を惜しみません。
また、当社の使っている素材について、
わたしたち人間の肌が一人ひとり違うように、
牛やヤギの皮も1頭1頭に特徴があります。
もし、これらの特徴を省こうと、
傷やしみ、しわ、毛穴もない部分だけで商品を作ろうとすれば、
例えば水牛1頭の革のうち、およそ半分以上を捨ててしまうことになります。
そのため、自然の命をいただくことに感謝して、
できる限り無駄を出さない”ものづくり”に取り組んでいます。
直営店の増加と海外での代理店販売も
日本にバングラデシュの文化を紹介したいと思って始めた取り組みが広がり、
2002年に首都ダッカに設立した工場を、
2006年に新規移転、現在150人ほどが働いています。
また、2010年には東京・吉祥寺に直営店をオープンしました。
本社には約10人のスタッフがいて、
日本や海外の全従業員が仕事を通じて喜びを共有したり、
互いの才能を引き出しあいながら
ともに成長していける会社でありたいと思っています。
そして、顧客の信頼に応えるためには、
感謝の気持ちを大切にしつつ、チャレンジ精神を持ち続けることが必要です。
今後は、現在日本に1店舗ある直営店を増やしていきたいと思っています。
日本だけでなく、
マーケットの大きい中国からも話が来ていて
今後、より力を入れたいと思っています。
上海、広州、北京などの中国やそのほかの国でも、
代理店として10~15店舗ほどに増やしていきたいですね。
情熱と目標を持って動くこと
これまで本当にいろいろなことをやってきました。
今の会社を設立する前は、レストランを経営していたこともあります。
さまざまな経験をするなかで感じているのは、
とにかく「やればできる」ということ。
現在の仕事を始めたころは、
本当に今思い返すと恥ずかしくなるくらい何にも知らない状況でした。
例えば、雑貨と飲食が一体となった店舗などを展開する「Afternoon Tea」の担当者の人が、
私が持っていったくまのぬいぐるみを気に入ってくれたのか、
「後で本社に来て説明して」と言われ、
行ってみたらそれはそれはキレイで豪華なビル。
入っていいのかどうかすらためらってしまいましたが、
思い切って話をしてみると、
喜んでもらって、取り扱ってもらえるようになりました。
営業に行くと「帰れ」と言われることもあれば、
「うちでは無理だけどあの店に行ってみたら」とアドバイスをもらえることもあります。
そのころから、
自分でどんどん動いて納得して進めていけば、
「やればできる」と思い始めました。
人間できないことはなにもありません。
やるかやらないか、の違いだけ。
情熱を持って、いろんなことに挑戦していけば、道は開けていくと思うのです。
日々努力し、リーダーシップを持って
若い人には、しっかり目標を持って、
そこに向かってどんどん行動していってほしいですね。
目標を見失ってしまうと、
どんなに動いても、それが結果につながらなくなってしまいます。
でも、その都度、目指す方向性を決めて、
そのためにがむしゃらにやっていけば、
だんだん「やればできる」という実感を持てるようになり、
自信につながり、応援してくれる人も出てくるようになるでしょう。
誰かにいわれるがままではなく、
自分で動いて、自分のやり方を見つけていけばぶれないし、強くなれるはずです。
母国の工場が問題を起こして大変だったこともありますが、
立て直すと決めてからは、
寝る間を惜しんでなんとかする底力みたいなものが生まれてきました。
日本には最近、
リーダーシップを持って自分で事業を起こす若者がいてすごいなぁと思います。
日本のように環境が整った国は、なかなかありません。
だからこそ、情熱と目標を持って、
一生懸命やった経験を自信に変えていってほしいと思います。
自分の成長のために日々努力し、
人を引っ張っていけるようなリーダーをめざしてほしいですね。