代表取締役 下島 敏男

代表取締役 下島 敏男

設立 昭和35年5月
事業内容
    • 包装用機械・資材の製造及び販売
    • 荷役運搬機器の製造及び販売
    • 農業・食品機器の製造販売
会社HP http://www.strapack.co.jp/

2012年のM&Aによって「中小企業」を卒業して「中堅企業」へ

創業当時の本社(新橋)

昔は長男が親の跡を継ぐのは当たり前だったので、
父の会社に入るのは何の抵抗もありませんでした。
でも、私は少々へそ曲がりなもので、
そのまますんなりと父の会社に入るのは潔しとしません。
当社は縄や筵など梱包材料を扱っていたので、
大学時代に包装業界の将来について自分なりに調べてみようと、
さまざまな資料をあたりました。

昭和32〜33年頃、日本の高度経済成長の少し前のことです。
欧米から近代的な包装スタイルが入り始めていた頃で、
包装業界はこれから発展しそうだと確信しました。
そして大学卒業後に入社。
当時は下島商店という社名で、社員はわずか15〜16人でした。
営業の仕事では、営業先の包装資材の販売だけなく、
お客様の商品の梱包と発送を頼まれるようになりました。

梱包作業は手作業でやると大変な仕事ですので、
機械の導入を考え、社内に機械部を作り「梱包機」の販売を始めることになります。

そして現在は、M&Aにより社員数が以前と比べて倍になり、
400名となった弊社は中小企業から中堅企業へと変化しました。

自社の技術力と、システムラインの戦略的統合

商品と製品

買収を実行した理由としては
主力商品である梱包機の売上が落ちていたことにあります。
「売れないからもうやめましょう」とする訳にはいきません。
やめる、と言うことは社員のクビを切ることに直結します。
社員が頑張ってくれたからこそ、ここまで来られたのですから、
絶対にそれだけはしたくありませんでした。

それでも他に“売れる”ものをすぐに作るとなると、非常に困難でした。
「梱包機」のように素晴らしいポテンシャルを持った物は見つからない。
そして着目をしたのが「海外」と梱包機を中心とする省力機械のシステムと多角化です。

国によって、経済の成長度合いは異なります。
それはつまり、商品ライフサイクルの始まりがこれからという国があるということです。
私たちは、そうして目を付けた国に子会社を立ち上げました。

そこでは「価格」の優位性、さらに「性能」の優位性を強化し、
生産性の高いものを作る必要性がありました。

そのため弊社にはまだ無いもの、足りないものを補うために買収を決意したのです。
企業文化の違いはありますが、一体となり頑張ることは物凄い力を生み出しました。

M&Aを経て見えた「企業文化」の違いと対応策

会社を買収をした時の問題として、企業文化の違いがありました。
買収先は大手の子会社で、給与システムは年功序列でした。
しかし弊社のように、
力があればそれに見合う分だけ成果報酬の形をとる会社もあります。

売上が高ければその時にボーナスとして渡し、それを本人が考えて使う。
本人が考えるからこそお金を大切に使い、仕事を頑張ろうと張り切る。
私はそこを大切にしております。

給与システムだけでも、これだけの違いが現れています。
買収先の社員に対して「じゃあ、明日から同じ考えでやってくれ」とはいきません。
その違いに対してどのような対応策が必要かと考えた末、
社長である私が積極的に前線に立つべきだと判断しました。

私は社長セミナーとして、
お客様第一の考え方、今年の目標、会社の理念、
そして一番大切にしている“利益が出るか出ないか”という点について社員に話をしています。

会社の椅子に座り続けるより、
自ら外に出て社員に働きかける社長の方がとても良い。
私はそう考えています。

世界中を、より幸せにしたい

5-世界に広がるストラパックグループ

今までは「国内」を中心として、
80%を超える程の国内シェアを獲得してきました。
しかし、これからは「世界中を幸せにしたい」という考えの下、
グローバル化を推進していきたいと考えています。
そして、同時に日本をもっと良い国にしていければと思います。

日本と世界では、仕事の考え方が大きく異なります。
仕事を通じて達成感を得たり、お客様の幸せを一緒になって喜べる。
日本におけるこの考え方を世界に伝えたいですね。
そして海外の国が日本のようになりたいとなれば、世界の幸せにも繋がるでしょう。
そのためには、私たちが頑張る必要があります。

海外における現在のシェアは15%か20%程度で、
今後は世界一を目指すために手を打つ必要があります。
先のM&Aにより、私たちにはあらゆる業界に挑戦できる力があります。
タイや中国を拠点として更なる拡大をしつつ、
高機能のモデルと自動包装システムラインの2つの拡販に重点を置いて
昔からの夢である「梱包機のシェア世界一」を目指していきます。

文理系は関係ない。大切なのは素直さ・情熱・挑戦の精神

梱包機 使用例

基本として「やる気」があること、自分で「考える人」です。
考えるとは、自分のことだけではなく
会社のことも考えて率先して動ける人です。

中には機械には疎いものの、やる気は人並み以上の新人がいます。
そのような新人は即戦力にはならないとしても、
性格が素直だと成長し続けるはずです。
こちらからアドバイスをすると、
すぐさま技術を自分のモノにする力は、素晴らしいものですね。
また、仕事を通じて油で手先が汚れたり髪の毛が汚れたりしますが、
それを厭わない強さや情熱も必要です。

やる気と情熱、そこに素直さを持ち合わせる人間が、成長し続ける人間です。
採用するにあたり、文系や理系などは関係ありません。
ただ機械を好きになり、その機械を使ってくれるお客様の喜びを目指す人であれば、
私からは何も言うことはないですね。
そのような人たちは、時折「そんな考え方があるのか」と私に驚きをくれます。
とても得がたい人材ですね。

若い内に、積極的に挑戦してほしい

学生の情熱は、目の輝きや声が出ているか、行動がしっかりとしているか、
話をすると楽しいかどうかで分かるものです。
学生からも、そういったプラスのサインを頂きます。
そのような方は背景に情熱を持っていると感じるため、
説明会などで出会う時にはそこを注意して見ています。

自分で考えて、自分の言葉で質問する。
これが出来る人はとても魅力があります。
彼らから大きな驚きを得ることが出来ますね。
こちらが回答に困るほどの質問をされると、こちらも非常に興味が湧きます。

そして人生は1度きりです。
だからこそ“挑戦”してほしいと思います。
若いうちにしか出来ないことは多々あります。
年を取ると分別がつき、挑戦してみなければ分からないことであっても
「やっても大したことにはならない」と結論付けてしまいます。

そうではなく、様々なことに積極的に挑戦してほしいと思います。
若いうちの1回や2回の失敗は許してもらえますよ。
そもそもそれは「成功の前の失敗」です。
恐れることなく、挑戦し続けてほしいですね。