代表取締役 下井 秀文
設立 | 平成17年5月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.qaidea‒d.com/ |
突っ走った20代
中学・高校の頃は世間や学校に対し、私は斜に構えていました。
下井家は旧家であり、一方、親戚に医療関係者も多く
漠然と将来は開業医になるだろうと考えていました。
しかし、広い社会のことを何も知らないまま老いていくのが嫌だと感じたのです。
学校含めて周囲は東京大学に入るのが偉いという感覚。
私はそもそも東大自体には魅力を感じられなかったのですが、
そこまで周りが言うなら世間でトップと言われているレールに乗っかってやろうと、
東大を受験しました。早稲田大学に関しても同様で、早大称賛でしたので受けました。
結果早大合格となりました。合格したことで「もういい」と思い入学後すぐに休学。
東大を再受験することになります。
自分にとって早稲田は2番手の存在でした。
そこに甘んじるわけにはいかなかったんです。
しかし、その態度は父の逆鱗に触れることになり、早大を辞めることとなりました。
その後、学校には行かず、ディスコでアルバイト。
業界最年少で水商売の経営や日サロの経営など数々の伝説を残してきました。
しかし、その時の私は自由という言葉を履き違えていたんです。
自由とは、法律や道徳といった世間的な縛りの中にこそあるもの。
思うままにやっても何も面白くはなかったことに気付いたんです。
そして30歳を目前にサラリーマンの経験をしたいと、不動産業界に飛び込む事となります。
不動産の魅力
私は特にやりたいことがなくて、
自分で何かこういったビジネスがやりたいというのもありませんでした。
そこで逆に少しでも分かるものは一体何かと考えた結果が、不動産だったんです。
旧家ですから、土地持ちであり、大家業でもある訳です。
当時、不動産は自分に向かないのではと考えていました。
しかし、私が想像していた以上に不動産ビジネスは面白いものでした。
私たちの仕事は、物件を購入し、リノベーションし、お客様に届けるといった内容なのですが、
私たちが見立てた通り、またはそれ以上の結果が出た時は
「得も言われぬ達成感」を感じることが出来るんです。
それが非常にやりがいがあり、私が不動産をやって良かったと感じる部分ですね。
また不動産はこの世に二つと同じものがない商品です。
その所為か生き物ではないのに、生き物だと感じる時があるんですよ。
それが理屈では語れない縁を生み、私たちを通してお客様と不動産がめぐり合う。
「奥が深い仕事」だと思いますね。
独立へ
サラリーマンとして勤めていた私は、1年半ほど経った頃ある理由で退職を決意しました。
サラリーマンとしてのいい部分と悪い部分がある中で、
悪い部分が私に付着していく危機感を感じたからです。
そもそも私には、サラリーマンは向いていないと自覚していました。
あまり協調性がある方でもありませんし。
それでも会社に勤めていた私でしたが、
ある時ふと「給料をもらう」ことに疑問を持たなくなり始めている自分に気付いたんです。
「給料は自分で稼ぐもの」
そう考える私にとって、毎月決まった日付に渡される給料を
何も考えず受け取ることは、とても恐ろしかったのです。
特に独立して自営業をやろうと考えていた身としては、雇用を保証され、
給料を保証されている環境に慣れてしまうのは良くないのではと考えていましたね。
しかし、サラリーマンとして働いた1年半は、私の中で重要な財産となっています。
実際にサラリーマンの経験をして来ていない起業家の方とお話をすると、特にそれを実感します。
出来るだけ長く経験するのが本当は良いのかも知れません。
人脈作りにもなりますし、部下の気持ちや組織の作り方も分かるようになるので。
独自の土俵で足場を固める
そもそも私が現在の事業を始めようと考えたのは、「リーマンショック」が転機となっています。
それまでハイリスクハイリターンが中心でした。
しかしこの形態は、景気が悪化すると共に仕事が無くなってしまいます。
そこで「少ないリスクで一定程度のリターン」を得られる事業を、
柱の中心の一つとして据え置く必要がありました。
それで私たちは中古のマンションを買い取り、手を加え、
売却するといった事業を軸の一つとして育てていこうとしています。
将来性としては、今後大いに伸びていく市場なのは間違いないと考えています。
他社との差別化としては、2点あります。
東京だけでなく、神奈川、埼玉、千葉の奥の方まで積極的に手掛けている点と、
定性・定量分析に基づいた素早く精度の高いプライシング力です。
基本的なことですが、確実に違う部分です。
私たちの様に小所帯ながら、遠方にまで手を伸ばそうとすると
適確なマネジメントが無いと1日掛かりの仕事になってしまうことがあります。
これでは採算を取ることが難しく、他社も中々に手を出せないでいます。
しかし、私たちは営業効率のコントロールに秀でているため、
そこに手を出すことが可能なんです。
年商200億へ
目指す先は創業時から現在まで何も変わっていません。
「年商200億の突破」です。
200億は、私がサラリーマンとして勤めていた当時の会社の年商です。
この規模の会社だったら私でも作ることが出来るのではないか。
そう思ったのが始まりでしたね。
そしてそう思ったのなら、「目標を達成する」それが自分との約束でした。
200億達成の計画として、80億を中古マンション事業で、
120億を都心の1棟ビル事業で目指す考えです。
今は仕事の9割が中古マンション事業ですが、
1棟ビルの事業も動き始めているので、並行していく予定です。
人材はこれから事業を拡大していく上でとても重要となってくるのですが、
中古マンション事業というのはシステマチックな部分があり、比較的簡単です。
なので業界に染まっておらず、
素直さとやる気がある若い人物が中心となってやってくれたらと考えています。
1棟ビル事業の方では、業界の経験や人脈などが必要になってくると思います。
20から30代の方で2、3名、人間力が高い人を増やしていきたいですね。
人生のスタンスを明確に
自分の中に「哲学」を持つことが大切だと思います。
その結果として、自身の人生のスタンスが明確になります。
人生のスタンスというのは時間と共に変化するものですが、それもまた構いません。
他人に対してではなく自分に対して明確である事と、
「どういう風に自分が生きるか」
何となく生きるのではなく、その方針をしっかりと持つことが大事なんです。
そして自分の哲学を生み出すためには、自己分析が必要になってきます。
それも徹底的にかつ常にやってほしいです。
他人や世の中に対しても客観的に、日々意識して見る。
全てのことに視野を広げ、1つ1つしっかりと思考する。
それが哲学を生む、いいきっかけ作りになると思いますよ。