代表取締役 岸 智花
設立 | 平成17年10月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.req-jp.com/ |
会社員ではできなかった目標を起業で実現
専門学校を卒業後、IT企業に入社し、デジタル化された情報を提供する
「コンテンツプロバイダー」の業務に2年半ほど携わりました。
その後、別の会社でも似たような仕事ができないかと、
携帯コンテンツに携わる仕事を中心に転職先を探していたところ、
当時、人材派遣の会社を経営していた茶谷武志(現・専務取締役)に会う機会がありました。
当時はまだ、「ガラケー(ガラパゴス携帯)」が主流の時代。
「ハガキで懸賞に応募したり、手書きのアンケートなど、
実際に手を使って何かをするアナログな動きをデジタル化して
携帯で受け付けられるような仕組みを提案したい」と話したところ、
すぐに意気投合しました。
前職ではそういう目標が実現できなかったので、
すぐにでも事業として始めようと、たった2、3カ月の準備期間を経て起業しました。
起業なんて考えたこともなかった私が会社を始めてみると、
大きな心配事を24時間かかえているような気持ちに。
仕事は好きだしワクワクする反面、休みがあっても休めないような感覚が続いていて、
これが社長の宿命なのかと思ったりしました。
でも、前職ではアイデアや企画を思いついても、
なかなか会社のなかではすぐに行動できないタイプだったので、
やりがいをとても感じています。
とぎれることのない依頼の後に
起業から今年で8年目。
最初の1年は、前職で携帯サイトの運営・プロデュースに携わっていた経験から、
営業はコンテンツプロバイダーにしぼって、運営代行に回っていました。
そうしたなか、どの会社も制作のほうにニーズが高いことが分かってきました。
2年目は、ちょうどその頃から流行り始めた「デコメール」や、
携帯の待受画面中を自由に動き回る「マチキャラ」、「待受FLASH画像」など、
とぎれることなく来る仕事の依頼にひたすら応えていました。
最も忙しいときは、アルバイトを含めて6人の社員が働いていました。
また、たくさんの優秀な在宅デザイナーの方との契約も増えていきました。
ところが、その後、携帯電話利用者の多くがスマートフォンに移行したことで、
ガラケーのコンテンツ制作の依頼が一気になくなり、大打撃を受けました。
危機的状況のなか、スタッフの削減を余儀なくされ、昨年は最もつらい時期でしたね。
女性向けアプリといえば「リクエスト」
現在、役員が中心となって活動し、私がディレクターを兼任しています。
これからは、つくった作品が顧客の著作権になってしまう受託事業ばかりでなく、
自社のブランドを確立していきたいと思っています。
女性向けのデザインやキャラクターのかわいさをウリにした自社事業を始め、
「女性向けアプリといえば、リクエスト」と結び付けてもらえるくらいの存在を目指したいと思います。
デザイナーさんは、短時間でたくさんの作品をつくります。
最近では、デザイナーさん複数名に同時に制作を依頼し、
3週間で550点ものデコメールをつくりました。
長年、携わってくれているデザイナーは本当に魅力的なイラストを描いてくれますが、
発信する場所を見つけられずお金を払ってイベントの展示スペースで作品をPRすることもあるそうです。
テレビや雑誌よりも、メディアとしてスマートフォンがより身近になるなか、
なかなか世に出る機会のない素晴らしい作品を、アプリを通じて広めていけたらと思っています。
相手の立場に立って仕事をするということ
以前20~30人ほどのデザイナーに常時仕事を依頼していましたが、
現在は主力メンバー5人ほどにしぼり込んでいます。
今は、仕切り直しの段階。新しい事業を開発して、
もう一度会社を大きくして人を採用し、
働いている人も幸せになれるような明るくハッピーな会社づくりをやっていきたいですね。
今まで一緒に働いてきた人は、いろんな個性の人がいましたが、必要なのは素直な気持ち。
また、会社の方針も理解しつつ、強い信念を持ってデザイン制作や
アプリの企画に力を入れることができる人々と一緒に働きたいですね。
これまで8年ほど会社を経営してきて感じているのは、
本当に仕事ができる人というのは、相手の立場に立って気が付き、
いろんなシチュエーションを想定できる人だという事。
そういう人って意外と少ないんですよね。
知らないうちに、本来、自分がすべき仕事を
相手に委ねてしまっている人も多いのではないでしょうか。
弊社では、クライアントやデザイナーさんに対して、
出来るだけ細かなやりとりをするよう心掛けています。
会社員時代、版権元や開発会社、デザイナーなど
たくさんの人々とコミュニケーションを取る機会が多かったので、
同僚やお客さんなど相手の立場に立って考えることが大事だと教えられました。
契約しているデザイナーさんの中には、
発注した内容の他に別案を出してくれる方もいて、とても助かります。
企画力もあり、さまざまな角度からいろんな提案をしていける人は、とても魅力的だと思います。