代表取締役 小野 篤人

株式会社染野屋 代表取締役 小野 篤人

代表取締役 小野 篤人

株式会社染野屋
設立 2004年4月
事業内容
  • 大豆製品の製造・販売
会社HP http://www.somenoya.com/

働くことが好きだから、まずは社会人になった

大学時代は東京での一人暮らしでした。
バイク好きで、仲間と遊ぶためのお金も必要でしたので、
アルバイトは欠かせず、ピザ宅配・土建・家庭教師と
次から次へ掛け持ちしてました。

そんな学生時代、早く社会人になりたいと思っていました。
というのも、大学生は大人だか大人でないのか、中途半端でむず痒い存在。
早くスーツを着こなしたいものだと思っていました。

就職先は金融関係の会社を探し、「話せばわかってくれる」という
自信を持って臨み、某リース会社に就職しました。

今振り返るとそれなりに社会人を楽しんでいましたね。

実際、就職した企業に骨をうずめようとまでは考えていなかったものの、
すぐに辞めるつもりもありませんでした。
その時は、「稼ぐために就職する」という道が一般的だと思っていたので、
起業云々の感情など持っていませんでした。
社長なんてどうやってなればいいのか分かりませんでしたし、
どこに勤務するか
ということだけしか考えられませんでした。
当時お世話になった会社は優良安定企業のひとつでしたので、
社会の勉強をさせて頂こうと思っていました。

自分の人生を考えるスイッチ

その時、先輩より代理店経営という個人事業の話を聞いて、僕も個人事業主として
代理店事業に携わるため、同社を2年で退社しました。

自分自身が独立するという選択肢があるとは思ってもいませんでしたので、
先輩からの紹介事業に魅力を感じたのです。
一社長になるということはどういうことだろうか。
初めて本気で、自分の人生を考えて動いた瞬間でした。
活動資金を作るために、自分のバイクを売り払ったくらいでしたから。
同事業経営は8年間続き、情熱を持っていました。

それと共に「成功哲学」のような思考を著した本やテープにもはまり、
時間があれば読んだり聞き入ったりしていました。

すべては考え方だと思うんですよ。失敗をどういう風に糧に変えていくか、
何事もプラス思考に考えるには等、「脳を成功者に変えると必ず成功する」という、
脳のブランド心理を今でも意識しています。

何に於いても「好きでやっている」と夢中になれるし、苦痛でもないし、続くものなんですよね。

個人商売の魅力を通じて

豆腐屋に携わるようになったのは、1999年頃。
結婚した1ヶ月後に、先代である義父が亡くなった頃でした。
妻の実家は100年以上続く豆腐屋で、ここで閉じてしまうのは
惜しいという自分の思いと、豆腐屋を続けたい義母の思いを受け、
豆腐屋を手伝うようになりました。

初めの5年くらいは代理店事業と時期が重なり、
睡眠時間平均2,3時間と忙しかったですね。
でも仕事が好きでしたし、豆腐屋は朝が早いので、
仕事の時間帯がさほど重ならずに済んだのも幸いしました。

2004年の法人化まで、
「やるからにはいいものを売りたい、やるからには広げたい」と、
妻と二人で軽自動車による移動販売を確立していきました。

始めた時、手ごたえがあったんですよ。
自分の中古車を動かし、納屋に眠っていた豆腐屋のラッパを鳴らして
売りに出たのですが、いいものを作っていれば売れることを実感しました。

また、代理店事業は商材も販売形式などもマニュアル化されていましたが、
個人商売の豆腐屋は完全に作るものも売るのも自分次第。
自分のアイデアひとつで売れ行きも変わってくる瞬間が本当に面白く
「この商売ならいくらでもやり様があるのではないか」と、自信がついてきました。

企業理念―「成長・挑戦」「現状の位置にとどまらない」―を合言葉に

法人化して8年目とはいえ、僕の中では始まったばかりです。
スタッフ全員感じていることですが、1年前を振り返ると
染野屋は原型をとどめていないくらいに変化を見せています。

良いものを作りたい、大きくしたい、成長を続けたい、仲間を増やしたい、
それは今も変わっていません。

8年間続けた代理店を投げ捨てて始めたのですから。
生半可な気持ちではやってはいられません。
「成功」という言葉は好きですが、「成功した」と言ってしまうと、
終着点になりますので、これから「成功」を目指し、より高い成長を求めていきます。

対面販売・移動販売が99%の当社は
「豆腐屋が直販している」というブランドイメージを軸としています。
販売ルートは埼玉・茨城・千葉が中心ですが、来年には東京に進出し、
5年後には関東全圏展開、東北、近畿地方へ、ゆくゆくは全国展開を目指します。

地球環境のバランスを考えて

海外進出も使命だと思っています。
食料問題というのは地球上が抱えているもので、
タンパク質をいかに摂取するか、実は大きな課題となっています。
一般的には肉から摂ると思いますが、家畜を育てるための穀物を育てるのも大変なことで、
実は地球環境破壊につながるものなんです。

また、60億から90億に増えていく世界人口に対し、どのようにしてタンパク源を賄って
いくのかというのも問題です。
実際に穀物摂取量の優先順位は決まっています。

1位は先進国の人間。穀物を食べるのに苦労していないですよね。
2位は先進国が経営している牧場の家畜。人ではないのです。
そして3位に貧困国の人たち。自分たちが食べれないのに牛は食べている
という皮肉な構図になっているのです。

豆腐は健康食品であり、貴重なタンパク源。
大豆というのは耕作面積に対してタンパク質の収穫効率の高い農作物なんです。
だから豆腐という商材に興味がますます湧いてくる。
地球環境レベルで事業展開していくことが、これからの私たちのミッションだと思います。

学生へのメッセージ

自分の好きなことをやっていけばどうでしょう。
僕の場合も「経営」「成功」ということが好きだったからこそ
社長業へ向いていったただけだと思います。
上手くいかないことばかりでも、好きなことをする時のエネルギーは
計り知れないものです。

当社の面接時に必ず尋ねる内容として、「夢は何ですか」ということがあります。
夢があって、当社で働くこと、つまり今やろうとしていることが
夢へのプロセスにつながるのであれば、ぜひ当社で活躍してほしいと思っています。

やりたいことをやる時の、人間のパワーを信じてください。
きっと夢は叶います。