代表取締役 船橋 憲敏

株式会社ピーカチ 代表取締役 船橋 憲敏

代表取締役 船橋 憲敏

株式会社ピーカチ
設立 2006年2月
事業内容
  • P+KACHIシステム(携帯販促サービス)
  • ピーカチSNS (SNSメディア)
  • ピーカチクーポン(クーポン検索サイト)
  • ピーカチ.com (ファン連動型店舗検索サイト)
  • ピーカチスイーツ (スイーツ投稿サイト)
会社HP http://www.p-kachi.jp/

コンビ二経営を任された高校時代

今の僕があるのは、高校3年生のときにコンビ二の店長をやったのが始まりでした。
当時の僕は将来社長になりたい、といった志があったわけでもなく、
ただ恩師のつてで、あるコンビ二の店長をやることになりました。
夕方5時から夜12時までは店に立ち、明け方まで品物を発注して、
9時に銀行で入金してから
学校へ行く…という日々を過ごすことに。
学校は毎日遅刻。さらに6時間目が終わるまで寝ていました。
真面目な生徒ではありませんでしたが(苦笑)先生が理解のある方で、
「とにかくやりとげなさい」と応援してくれていたんですよね。
忙しい日々ながら、店舗の経営を任されやりがいを感じていました。

当時はまだ若かったので、
友達が彼女を連れて僕の店でお弁当を買って帰る姿なんかを見ると
腹がたったのを覚えています(笑)
それでも、勉強になったなと思うのは、
“当たり前に当たり前のことをやる”ことがいかに難しいかということ。

いつ行っても品物がないとか、気に入った種類のおにぎりがない、とか
そういった店舗は、お客さんのニーズを満たすことができず、
販売の機会を逃してしまうことになります。
『チャンスロス』って言うんですけど、
売れ残りを恐れて発注を控えることで、販売の機会を逃してしまうことがあるわけです。
僕はいつでも品揃えをよくして「選べるコンビ二」にしようと思いました。
結果、ものすごく売り上げは伸びました。
損して得をとる、ということを学びましたね。

『ピーカチ』を始めるまで

その後、専門学校1、2年とコンビ二経営を続けましたが、
あるとき親戚の電気工事会社で後を継いでもらえないかと言われ、やることになりました。
電気工事の仕事はあくまで建設会社からの下請けで、
決められた額を片付けるというものだったので、正直面白くなかったです。
3年間続けた後、宅建の資格を取ったら辞めるという条件で、
3ヶ月猛勉強の末、宅建を取得し電気工事会社を辞めました。
そんなとき、高校時代の恩師から、スーパー銭湯の話を持ちかけられて。
「これから癒しのブームが始まるからやらないか」と。

当時、地元の広島にはスーパー銭湯は1軒もありませんでした。
土地と建物合わせて5億円ほどしましたが、
「今がチャンスだから」と言われ、23歳のときに借り上げました。
それから2年間、25歳まではほとんど寝ずに仕事です。

スーパー銭湯はリピートの商売。
お客さんに「明日も来よう」と思わせないといけない。
リピートさせるために何をやったらいいか…と考えていたとき、
iモードが世の中に出てきました。
ちょうどその頃、関西でグルメ検索サイトを立ち上げた今の副社長と出会い、
意気投合し、一緒に事業を始めることになりました。

儲けがなくても仕事が楽しくて仕方がなかった

僕は銭湯を続けながら、副社長は自分の会社を持ちながら、
携帯販促システム『ピーカチ』の事業を2人で始めました。
2002年12月のことです。
温浴はまだ新しい業界で、飲食業界と比べて販促に対して無知でした。
だから、飲食業界でやってることを温浴でやると大抵当たりましたね。

ただその頃はまだまだ『ピーカチ』の事業では全く稼げなかったので、
2006年まではそれぞれ自分たちの会社で儲けたお金をつぎ込んでいきました。
2人で3000万円ずつ持ち出す位ならなんとかなるかなって。
利益が出なくても不思議と不安はなかったです。
自分がやりたいことには誰でもお金出すじゃないですか。
それと同じ感覚で、楽しくて仕方がありませんでしたね。
副社長とは、意思が強いほうを必ず尊重しよう、
一度決めたら2人で同じ方向を見よう、と決めています。

1年目は年商60万程度の事業でしたが、
約3年後の2006年2月にようやく株式会社として立ち上げることができました。

今は“ユーザーを喜ばせていかに対価をもらうか”
ということにベクトルが向いています。
会員が190万人いて、毎月およそ5万人増えているんですが、
『195万人の会員が喜びを感じてお金を払いたくなること』
をビジネスに落とし込むように常に意識しています。

思いを形にできる人は伸びる

例えば、明後日2万円の料理を食べたいと思って、
明後日食べてる人はすごいと思います。
やろうと思えばできることだけど、
2万円使うのはもったいないとか、面倒くさいから来月にしよう、
なんて場合もあるわけじゃないですか。
でも、実行した人は、
仮に3日後に重要なターニングポイントになるような人が現われて
「今度2万円の料理食べに行きたいんだよね」なんて話をされたときに、
タイミングよくお店を紹介できるわけです。
その場の話だけでなく、何か仕事に繋がるかも知れない。

やるかやらないかの違いだけだけど、
でも、思ったのであればやならいと、と僕は思います。

ちなみに、僕はこれまで思ってやらなかったことはありません。
それが正解だったかどうかはわからないけど、少なくとも間違ってはいなかったと思う。
今振りかえってみれば、全ていい方向に転がっています。
コンビ二の店長も、スーパー銭湯も忙しすぎてやりたくないと思ったこともあったけど、
同世代の友達と遊べない代わりに
普通は遊べないような経営者の人に遊んでもらったりして。
結果的にやってよかったと思っています。

年齢や学歴は関係ない。信念さえあれば必ず成功する。

学生さんに伝えたいのは、保身に時間を使わないほうがいいということ。
例えば、生活するためにアルバイトをするのはわかるけど、
「将来店を持ちたいから」とか、アルバイトするにも、前向きな目的があって欲しいんです。
お金をもらうため、生活を守るため…
それだけのためにアルバイトに時間を費やすのはもったいないと思います。

僕の周りでは大学に行かなければよかったという人も多くいました。
高卒で仕事を始めれば、4歳年上の人と同じスタートラインに立てるじゃないですか。
大学を出たかどうかは社会に出てしまえば関係ない。
“自分は大卒だから”というような自己防衛手段でしかないように思うんです。
目的もなくただ大学に進学するのは、それも“保身”ですよね。

働いているふりをする人も多いように感じます。
営業マンなら、契約するのが目的なのに、この商談は決まらないと思いながら
その場にいる自分に満足してしまっている人がいる。
それでは、商談している時間がもったいない。

自分が今何をやりたいのか考えて、やりたいと思ったことは、
ぜひ形にして欲しいと思います。
自分が思ったことをやれる環境がなければ、自分でつくればいい。
成功されている方には信念があるんですよ。
夢はでかく持って。信念さえあれば必ず成功するはずです。