代表取締役社長 剱持正和
設立 | 平成11年4月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.beebestwork.co.jp/ |
実力主義の物流業界
高校を卒業して物流業界へと就職した理由は、「視野を広げられるから」。
物流会社というのは、様々な分野の会社と付き合いがあるので、
どのような商流で、どのようなビジネス展開をしているのかが、
最も身近に感じられると考えたのです。
入社したのは実力主義の大手運送会社。
「先に言うか、実績をとるか」のどちらも引けない男の世界。
21歳から2年間、ドライバーとして働き、23歳で管理職になり、
自分よりも年上の部下、10~20人を任されたのです。
持ち前の負けん気を発揮して、当時の最短スピードで26歳の時に店長に抜擢されました。
そこでは相当揉まれましたが、一度も負けはありませんでした。
その会社には11年ほど勤め、いかに物流が顧客にとって重要であるかを学びました。
そして、物流業界の中で、配送業務だけでなく、もっと顧客のビジネス全体に携わりたい、
もっとできることがあるのではないかという思いが強くなっていきました。
感じたジレンマと起業
当時勤めていた会社は売上主義。利益効率が悪く、方針に疑問を感じていました。
組織が大き過ぎて顧客の方を向いていないというのも、思い描く物流業界とはギャップがありました。
今思うと、その考え方は、当時としては少し早かったのかもしれません。
私の中で加速するジレンマと物流として顧客回帰がしたい、という強い思いに後押しされ
31歳で退職、ビーベストワークを立ち上げました。
私が初めて携わった事業は、物流業界へのマネジメント導入。
当時の会社の多くは、物流は単なる経費、単純作業ととらえており、その運用はあまり重要視されていませんでした。
そこで当社は、顧客企業において物流部門の仕組みを作り、効率を上げる提案をしたのです。
単なる人材の投入ということではなく、マネジメント教育を行い、精鋭部隊を育て上げることで、
作業効率を上げ、利益転換をしていきました。
プランニング、仕組みの構築、人材教育などのノウハウを提供する事業を展開し、
「提案から実行までを一貫して行う」ということで、他社との差別化を図りました。
真の仕事がしたい
初めのうちは、大手物流会社の下請けとして運用に携わるスタイルで事業を行っていました。
そうなると、物流が経費としてとらえられていない当時は、
どんなに効率化の提案をしても、スキルを磨いたスタッフが作業を行っても、
人員削減やコストダウンを要求されたりと正当に評価してもらえないことが多々ありました。
その後、物流は営業戦略の一環である、「ビジネス=ヒト」、という信念に基づき、
我々の企業価値をきちんと評価してくれる会社と直接取引をする、いわゆる完全業務請負のスタイルへと移行。
売り上げは大きく落ち込みましたが、経営者としては当然の決断でした。
やはり私は、当社やスタッフの価値を認めて共有してくれる顧客と、真の仕事がしたかったのです。
これは世の中でナンバーワンでなくて、オンリーワンでありたいということ。
今後どのような事業を展開するにおいても、この理念は変わりません。
4つの柱
当社の事業の柱は4つです。
1つ目は設立当初から行っている、販売戦略に基づいた物流システムの構築。
保管物流から循環物流へと、経営に関わる部分も一緒に考えていきます。
2つ目は5年前に始めた「東京ガールズソリューション」。
事業内容は、検品、封入、ラッピングなどの業務代行です。
単なる請負ではなく、お客様と面談をしてご提案から実行まで、
お客様が求めていることに100%お応えしているので、5年間でクレームはゼロ。
この業務代行がきっかけで、物流の仕組み作りを請け負うという、派生的なメリットも出てきています。
3つ目は耐震ストッパーの販売。
東日本大震災がきっかけで、積載物がオーバーハングしないようにと、お客様と共に考え出した製品です。
物流業界全体の意識を変える、「預かる物流」から「守る物流」にしていく取り組みでもあり、
国交省や防衛省でも採用されています。
そして4つ目が、樹脂製敷板の販売とレンタル。
これは従来の敷板と違い、一人で持ち運びができるほどの重さで且つ強度を保った、画期的な製品です。
運搬や設置にかかる労力が軽減できて、コスト削減や作業効率の向上につながります。
これらの4つどれもが「お客様のニーズ」「お客様の声」に応えたものです。
4つの事業を結ぶキーワードは「現場の効率」です。
これが当社の基礎であると私は考えています。
ビーベストワークのこれから
当社は、物流の仕組み作りや製品の販売で事業展開を進めていますが、
根底にあるのは「いかにお客様に必要としてもらえるか」という思いです。
他社とは違うシステムとスタッフの細やかな気配りでお客様の心を動かす。
このように、気持ちやアイディア、努力などの形の無いものは、
スタッフそれぞれが日々の業務の中で、自分なりに磨いていくしかありません。
それは、当社の理念に共感していなければできないと思います。
共感する仲間が集まっていることによって、さらに自分を磨き、高めていくことができます。
お客様が我々を必要としてくれるかどうかは自分次第。
楽して人の気持ちをつかむことはできません。
これからどのような商流になるか、実際のところわかりません。
まずはお客様から出る現場の不都合を改善して、
効率を上げられる製品やアイディアが出てくる組織を目指しています。
そして、人が資源、スタッフのスキルを大切にするという価値を共有していただけるお客様と
たくさん巡り合うことができればと思っています。
自ら考える
私がスタッフに求めているのは、自ら考え、行動を起こすこと。
そして自分の気持ちを、きちんと相手に伝えられる人間になることを
目指してほしいと思っています。
ただ同じ会社で働いているからといって、皆が100%同じ気持ちであるとは考えていません。
それぞれ生活環境も感情も違うのですから。
大事なのは、自分の意見をしっかりと人に伝えられるかどうか、
そして人の意見を聞いて、きちんと理解しようとするかどうかなのです。
この2つが、きちんとできていなければ、会社もスタッフも成長しません。
誰のために働いているかと考えると、それは決して会社のためでも、
社長である私のためでもありません。
日々の生活、将来の夢など、誰もが自分のために働いているのです。
会社というのは、自分のために働く人たちが、たまたま同じ組織の中にいるということ。
だからこそ自分の意見をしっかりと伝え、周りの意見もしっかりと理解し、
その上で会社の理念を共有して、仕事に取り組んでいく.
全ての情報や経験がその人のスキルアップにつながるのです。
それができる環境づくりをすることが、経営者としての私の役目だと考えています。