代表取締役社長 福井康夫


代表取締役社長 福井康夫

設立 2004年2月
事業内容
    • 営業支援事業(消費財メーカー向け営業アウトソーシング事業)
    • 流通支援事業(流通・飲食本部向け営業アウトソーシング事業)
    • システム事業(マーケティングに関わるシステム開発およびASP展開)
    • ストア事業(流通店舗経営および流通人材派遣)
会社HP http://www.mediaflag.co.jp/

経営理念を実現するための上場

2012年9月に上場しましたが、出来ればもっと早くしたいと思っていました。
しかし、一時期マザーズなどの新興市場への不信感があり、門が狭くなっていたのです。
上場だけが目的で、その後成長もせずにマザーズに居続ける会社が多く、
そのせいで自分達ベンチャー企業の上場が遅れたという若干の憤りを感じていました。
それがなければ、2,3年早く上場出来ていたかもしれません。
逆に、初めは赤字で大変でも、その後成長している会社もあります。
僕らは、そういう会社を見本とし、店舗店頭に特化したマーケティングの支援
(営業支援事業、流通支援事業、ASPの三事業全て)において売り上げを伸ばす事に注力しています。
では、何故上場したかというと、社会性のある事業の創造という僕らの経営理念を実現するためです。
社会性のある事業とは、従業員を幸せにする事。
もう一つは、世の中に役立つ仕事をする事です。
上場は、従業員と社会のためにするもの、という事を何度も従業員に話しています。
そうする事で、上場したからといって、僕も含め浮かれることなく努力し続けられるのです。
また、マザーズに上場させて頂いた事は、いつか一部に行くためのチケットを渡されたのだと思っています。
これからが本番だ、という覚悟を決めているのです。
いずれ東証一部に上場することを目標としていますが、一部に行く事もまた、経営理念の実現のためです。

気合と根性から仕組み化する

僕らは、大手企業が100働くところを、200,300働いてやっと追いつくくらいですが、
労務管理の面でも、最低限の守らなくてはいけないルールをクリアしないと、
上場する企業としての資格はないと思っています。
最低限のルールを守りながら、どれだけやるかという事には知恵が必要です。
僕らが、沖縄にメディアフラッグ沖縄という業務センター(子会社)を作ったことも、
本社の業務を効率良く、効果的に進めるにはどうしたら良いか、という知恵の延長線上なのです。
制限も、知恵と創意工夫で努力に向ける、という事が大事です。
気合と根性で対応していたことを、仕組み化するのです。
常に改善、改良する、常にシステム化、仕組み化するという意識は、
セブンイレブンにいた頃に学んだ部分が多いかもしれません。
セブンイレブンを離れて他の流通業ともお付き合いをするようになり、
こんなことも仕組み化されてないんだと気づく事がたくさんあります。
セブンイレブンというNo1流通が作ってきたシステム、仕組みには、見習うべき部分がたくさんあるのです。
僕らは、まだまだ業界トップとは言い切れませんが、この業界で唯一の上場企業です。
我々が業界をひっぱり、新しいシステム、仕組みを作っていく事が必要とされていると考えます。

資金を集めて勝負する

当社は一期目から四期目まで、ずっと赤字でした。
これをなんとか成長軌道に乗せ、黒字へと変えるのに大変苦労しました。
では、何故黒字に変わったかというと、
一つは2008年のリーマンショックと同じタイミングで、
博報堂と住友商事と東急エージェンシーとオリックスから2億3千万のお金を集めました。
どんないい事業、どんな社会性のある仕事をしてても、お金がなくなったら終わりです。
リーマンショックにもなり、これが最後のファイナンスだと思い、集めすぎというくらい集めようと思いました。
2007年まで会社は赤字でしたが、これだけ集めたらあと3年は勝負できます。
お金をしっかり集め、土俵の真ん中で余裕を持って経営しようと腹を括りました。
資金的に余裕ができ、博報堂などの大企業に株主になってもらった事が非常に大きく、信用力が格段に上がりました。
赤字ではあるけど、大企業が出資しているから大丈夫だろうと、
アディダスジャパンや武田薬品工業などの大手がクライアントになり、黒字へと変わっていったのです。

信念を持ち、志を高く

もう一つは、同じ時期に京セラの稲盛名誉会長が塾長を務める、盛和塾に入らせてもらったことです。
そこで、仕事に対する意識、会社に対する思いが180度変わりました。
いかに僕が、信念のない経営者だったかという事に気づかされました。
ビジネスモデル自体には自信があったのですが、
世の中に必要とされるため、従業員を幸せにするために、このビジネスモデルを実現するのは僕だ、という意識は
あまりなかったのだと思います。
さらに、35歳まで大手企業のサラリーマンをやっている間に、だんだんと志が低くなっていたような気がします。
初めの頃は、いつかベンチャーをやろう、と思っていましたが、
大きな会社にも慣れ、サラリーマンとしてもそこそこ仕事ができていたので、満足してしまっていたと思います。
その後起業しましたが、4年間は赤字でした。
自分の志の低さを感じ、自分が信念を持って、志高くして経営をしないとダメだという事を、盛和塾で教えてもらいました。
そして、会社の理念などを新しく作り直すなどしていくと、
2006,2007年は48%だった離職率が、2010年には5%ほどに減りました。
社長僕が信念を持ち、志高く頑張っていることに、共感してくれる社員が増えたのだと思います。
そうすると、売り上げも安定し、ノウハウが蓄積され、会社も伸びてくるのです。

上場したことで得られたもの

僕自身の考え方が変わることで、会社が変わり、経営陣が変わり、社員が変わりました。
赤字の時もその後も、社員への接し方は、表面的にはそんなに変わっていないと思います。
僕自身の裏側、本当の思いが変わったので、同じ言葉でもそれが信念から言っているかの違いがあるのだと思います。
そして、伝わる度合いも変わったのだと感じています。
2007年までの赤字で、経営陣が全員辞めました。
自分と、一緒に会社を立ち上げたもう一人だけになってしまったので、
元々アルバイトで入社した人間を役員にしたり、新規で採用したりと、経営陣を一から作り直すことになりました。
そこを乗り越えたことで、思いが一つに繋がり、業績も上がり、上場が見えたのだと思います。
上場しても会社は変わりませんが、お客様の僕らへの見方は変わっていると思います。
より一層真剣に、耳を傾けてもらえるようになりました。
営業面でも、上場したことで、コンペなどでも選択して頂く一つの理由、強みになっています。

また、サービスの認知度が上がり、会社の認識度が上がり、信用力が確実に上がり、社員のモチベーションが上がりました。
そして着実に、売り上げも上がっています。
上場する事で、日本を代表する企業になれるチャンスを得ました。
チャンスを生かせるかは、努力次第。これからも、努力し続けます。

採用は人間性重視

採用については、あまりお金をかけてはいません。
上場した企業に就職した方が、いろいろな面で都合がいいからと来る人も増えました。
上場するとこういう事もあるのかと、少し残念に感じています。
もちろん、そういう方は採用出来ません。
当社は、人間性重視の組織を構築すると経営理念にも掲げています。
そのため、採用も人間性重視です。人間性重視とは、能力よりも人柄。競争よりも協調です。
そうすると、成長が遅い社員も出てきますが、それでもいいと思っています。
たくさん仕事をして、売り上げを伸ばさないといけないので、腰掛けのような気持ちで来る人も採用しません。
また、以前のように人が辞めなくなりましたので、上場してからの採用は、2人ほどに留まっています。
3年後の2015年には一部への上場を考えています。
売り上げとしては、40億くらいで4億くらいの利益を見積もっており、
会社の体制は、本社に120人。沖縄に50人。海外に20人。トータル200人ほどの体制をイメージしています。
全ては、これからの僕らのパフォーマンス次第だと思っています。