代表取締役社長 工藤智昭

代表取締役社長 工藤智昭

設立 2010年4月14日
事業内容
    • インターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「Geniee SSP」の開発・提供
    • 広告主・広告代理店のマーケティング支援サービスの提供
会社HP http://geniee.co.jp/

学生起業をするも、キャリアプランを考えて大手企業に就職

私は学生時代に、SEO関連の事業で起業していました。
学生の身分なら、失敗しても就職という道があるので
今考えると気楽にやっていたと思います。

事業そのものは、それなりに利益も出ていたのですが、ある日ふと
「会社ってなんだろう」「僕の人生はどうなるのか」と思いました。
ベンチャーと名乗る会社は、世の中に無数にある、
このままでは、それら「無数」の中に自分は埋もれてしまう、と。
そうならないように、何かインパクトのあることを手がけたかったのですが、
学生の身分では難しいのが現実。

そこで、組織の作り方などを学ぶために選んだ就職先がリクルートでした。
どうしたら売上高100億円の会社を作れるのかを知りたかったのです。
当時はまだ、若手起業家が学べる場などなかったので、
「まずは一度、大企業で働いてみよう」と考えました。
リクルートでは、新規事業の部署に配属され、2年目には事業責任者に。
自分が立ち上げた事業が大きくなるにつれて、
組織の動かし方など、マネジメントも分かってきました。

再び起業するタイミングがやってくる

リクルートで手がけていたのはネット広告。
私は学生時代にやっていたSEO関連の事業を通して
インターネット広告の面白さを知っていたので、やりがいある仕事でした。
しかし新しいものを追えば追うほど、もっと自分の裁量で
プロダクトを作りたいという気持ちが強くなります。
そんな時に知ったのが「RTB」(Real-Time Bidding、リアルタイム入札)と呼ばれる
ディスプレイ広告の新しい技術。
その時に私は「これだ!」とひらめいたのです。
「イノベーションを起こす」「グローバルな事業を手がける」という
私の目標を達成するにはピッタリだ、と。
まさにその時が、私にとっては起業のタイミングでした。

RTB事業を始めてからは、何度も苦しい思いをしてきました。
売り上げ目標も楽に達成できたことなど、ほとんどありません。
しかし苦しいからこそ皆が工夫をして、その結果、壁を乗り越えられるのです。
創業期からのメンバーは、そのような成功体験があるので、とても強い。
どんな時でも、自分たちの努力で越えられるという自信があるからです。

常に高い目標を掲げることで、イノベーションをも目指す

私たちの当面の目標は「年250%成長」です。
かなり大きな数字ですが、まだ力を出し切ってはいないので、
このくらいの目標であるべきなのです。
設定された目標と、現状のギャップを埋める努力が、
イノベーションにもつながっていきます。
250%成長のためには、より大手のお客様との取引も必要。
それにより、自分たちの組織にもプロダクツにも目線が上がるのです。

目指しているのは、日本の中で圧倒的な強さでナンバーワンになり、
アジアへと展開すること。
ただし、それほど急いでいるわけではありません。
海外展開に関しては、まずは現在の事業を黒字化してから、
具体的に取り組んでいく予定です。

海外で展開したいのは、自分たちで作ったプロダクト。
グローバルで通じる商品があって初めて、グローバル展開ができると考えています。
そして、アメリカ発のアマゾンやグーグルのような、
日本発のテクノロジー企業を作り出す。
これが10年20年の長いスパンでの当社の目標です。

優秀な人たちと一緒に働くことで、より早く成長する

当社が求めているのは素直な人です。
先輩方のアドバイスを、まずはしっかりと聞く。
それができる人は成長が早いですよ。
職種で言うと、営業系の人は目標を高く設定することも大事。
開発職は、スペシャリストとして自分のペースを貫いても構いません。
技術を磨き、追求していくのも重要ですから。

当社には、若くして取締役やマネージャーを務めている社員もいます。
その人たちを見て「すごいなぁ」と思うのではなく、
「自分もそうなれる」という気概を持ってほしいですね。
自分もそのポジションにいけると思っていないと、一社員で終わってしまいます。

私自身の経験から言えるのは、優秀な人たちと一緒に働くと、
毎日が、そして仕事のひとつひとつが楽しくなるということ。
優秀な人には、圧倒的な当事者意識があります。
あれがダメ、これがダメと言っているだけではなく、
どのようにしたら良くなるのかというレベルで、議論もできるのです。
また、他人への配慮ができるのも、優秀な人の特徴。
一緒に働く人に気配りができる、尊敬の念を忘れない、
ひとりで抱え込まず、他の人に任せることもできる。
仕事のスキルや能力だだけではなく、これらも重要な素養だと私は考えています。

学生へのメッセージ

学生の皆さんには、1つのことにこだわり過ぎない方がいい、と言いたいですね。
新卒の段階では、世の中について本当の部分は分かっていません。
それなのに就職するまでの間に、やりたいことを固めてしまうと、
入社してからギャップに苦しむことも多いのです。
また、実態と違っていた時に、自ら逃げ場のない状態にすることにもなります。

私が就職する時には、本当にやりたいことが見つかるのは、
30代になってからでも構わないと思っていました。
それまでに多くの経験を積み、やりたいことが見つかった時に、
やり遂げられる実力がついていればいいのです。
若い時はどんどん成長するので、選択肢を狭めてはいけません。
長期的なスパンで物事を考え、計画を立てて頑張ってください。