代表取締役社長 鈴木 章裕


代表取締役社長 鈴木 章裕

設立 2007年9月
事業内容
  • インターネット広告関連ソフトウェアの企画・開発・販売
  • 検索エンジン対策、リスティング広告運用
  • Webサイト制作、 ソーシャルメディア対策
  • クロスメディア展開、スマホ対策
会社HP http://www.comix.co.jp/

持ち前の行動力で、苛酷といわれる会社でトップ営業マンに

大学時代は遊びとスキーに夢中でした。
スキーが上手くなりたかったので、
冬は野沢温泉、夏はニュージーランドでインストラクターのアルバイトをしていました。
就職に関しては、単純に「格好よさそう」というだけの理由で、広告代理店に入社しました。

ところが、その会社の営業職は非常に苛酷でした。
例えば飛び込みノルマ1日30件と言われ、夜11時に29件で帰社すると、
「今からあと1件やってこい!」と追い出されるのです。
何もかもが厳しく、新卒30人のうち、1年後に残るのは3~5人。

しかし私はその会社に5年ほど在籍し、営業成績もトップでした。
成績を上げ、キープできた理由は、自他ともに認める行動力。
決裁者と懇意になるためにタイに1ヶ月滞在し、契約を取ってきたり、京都の丹後半島にも潜伏(笑)して、
大型契約を獲得したりしました。

その際、会社には「ダメだったらクビにしてくれ」と言っていました。
普通にやっても伸びない、一気に勝負に出るか散るか、
それなら勝負に出て、散るなら散った方が自分らしいと考えたのです。
もちろん自信もありましたが、いつも自分を追い込みながら、仕事に打ち込んでいました。

経験と実績で自信をつけて起業するも、どん底状態に陥った時代

広告代理店では部長まで務めましたが、
部の売り上げの責任に関して、上層部から理不尽なことを言われるようになり、5年目に退職。
それから数ヵ月は仕事もせず、日本中を放浪していましたが、
ある時、大学の助手をしている後輩の家に転がり込み、
そこでパソコンやインターネットの世界に触れ、様々なことを覚えました。
これが、前職にあたる2社目の会社に入るきっかけになったのです。

その会社は、社員が私で2人目というインターネット広告の会社。
完全に立ち上げからのスタートだったこともあり、猛烈に働きました。
朝の8時から深夜2時まで、休日は日曜日だけという生活を送り、
7年半で売り上げ30億円、グループ会社4社の規模まで育て上げました。

その勢いで独立し、設立したのがコミクスです。
年商が1期目1億5千万円、2期目2億4000万円と、順調なスタートと思いきや、
その後は転がり落ちるようにダメになり、
キャッシュフローも「真っ赤っ赤」という、どん底の状態に陥ってしまいました。
当時の私は、右肩上がりしか知らなかったため、先を見通す力が欠けていたのです。

苦しい時に実感した「人の大切さ」と「本当に大切な人たち」

どん底から抜け出すための解決策の中で、私が最も重視したのは、
周りの人間に、現状をすべて打ち明けたことでした。
それまでは、どんなに業績が悪くても、スタッフにも身内にも内情は明かさず、
給料もきちんと出して、「大丈夫大丈夫」と言っていました。
しかしそれでは私自身が苦しくなるばかり。限界を感じて、皆に全てをさらけだしました。
その結果、去っていった人間もいましたが、
給料が下がっても頑張りたいという人間が残り、会社として再スタートを切りました。

実際には、私が悩んでいることを、皆は知っていたのです。
だから私が打ち明けた時には、むしろ喜ばれました。
「やっと言ってくれた、私たちも仲間に入れてくれた」と。

この苦しい時期に、「人って大事だな」と痛感しました。
いい時というのは多くの人が集まってきますが、
落ちぶれると、どんどん離れるので
表面的に付き合っていたのか、そうではなかったのか、その時に分かりました。
右肩上がりの時には、私をチヤホヤしていた経営者仲間、取引先の人間などが、
落ちぶれた途端にぞんざいな態度に代わったのです。
世の中こういうものなのだと、ものすごく勉強になりました。

大変でも楽しく仕事をしている秘訣は「ロジカルな発想」

会社が死にかけた時に内情を話し、
それでも頑張ろうというメンバーが残って、この会社は強くなりました。
皆が必死で頑張ったおかげで、3期目からは上向きになったのです。
今は月次もすべて公開しているので、とても楽になりました。
メンバーも自発的に動いてくれて、本当に頼もしいと感じています。

もちろん、すべてが解決して良いことづくめというわけではありません。
どんなに事業が順調でも、良い結果も悪い結果もあるのが当然です。
数字に関しては、お客様からの評価が、結果としてあらわれたに過ぎないと私は考えています。
ただし、どのような結果にも原因が絶対にあります。
良い結果には良い原因、悪い結果には悪い原因があって、
私たちはそれらを「数字」というかたちで評価されているだけなのです。
だから良い結果ならそのまま進む、悪い結果なら原因を追及して改善する。
このように、ロジカルな発想ができていることが、当社の強みだと思っています。

簡単には達成できない大きな目標に向けて、本気で取り組む


     

直近の目標として掲げているのが、利益を6か月前の3倍にすること。
6か月で利益を3倍にするのは、並大抵のことではありませんが、皆が必死で取り組んでいます。
数値目標は6月に設定しているのですが、
3月にはマーケティング部門のメンバーを営業に、
営業のメンバーをマーケティングへと配置換えを行いました。
今はそれぞれの部門で商材を決め、売れる商品を考えて取り組んでいます。

かなり大変なチャレンジであり、数値達成はまだ見えてはいませんが、
メンバーの動きはガラリと変わりました。
これはいけるのではないかと、私は感じています。
ドライブがかかっている状態を目の当たりにして、「キタ!」と感じるのはとても楽しいものです。

学生へのメッセージ

就職活動に際しては、どのような人に出会うか、自分が何をやりたいかが重要。
会社の名前や知名度、規模などだけで選ぶべきではありあせん。
今はブログやSNSを通して、経営者の考え方や発言を知ることができるので、しっかりとチェックをしましょう。
また、企業訪問をする中で、直属の上司になる人、先輩になる人に会えると思います。
その時には、彼らが会社について、どのように話すのか、自分と合いそうな人たちなのか、
そしてその会社が何を目指そうとしているのかを、見い出してください。
さまざまな情報を総合的に判断して、会社を決めることが大切です。

ただし実際には、会社に入ってみないと分からない部分もあります。
これで完璧だと思って入っても、違っていたりします。
しかしどんなにきつい状況になっても、最低3年は努力しないと何も得るものはありません。
若い頃に、苛酷な環境の会社に5年もいた私が言うのですから間違いありません。
すぐに諦めたり投げ出したりせずに努力をすれば、必ず得るものがあります。
自分を信じて頑張ってください。