株式会社メディカルアドバンス 代表取締役社長 本多 隆子
設立 | 2004年2月 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.medical-advance.com/ |
「この業界を変えたい」という熱き思い。
私が初めて社会人として働き出した頃は、
まだ女性にとって大学や会社は「腰掛け」、
就職して数年後には結婚して子供を産んで…
というルートが当然とされていた時代。
ご多分に洩れず、私もそういった経歴を辿り、
18年間主婦として2人の子供を育てました。
ところが、理由あって医療法人の理事として社会復帰をした際に、
歯科業界に足を踏み入れる事となりました。
そこで、ひしひしと感じたのは、
歯科医や歯科衛生士などの医療従事者側と患者側との間にある溝の深さ。
「こんな質問をしても、よいのだろうか」
「いろいろ相談したいけれど、先生はいつも忙しそうだから…」
といった患者側のとまどいと、日々の業務に追われ、
なかなか腰を据えて患者一人一人に対応できない医師の現状、
そして機械や薬を売ればよしとする業者など、周りを取り囲む環境…。
業界の常識が、一般のそれとはかけ離れている事も多々ありました。
両者の間に入って、橋渡し役をしたい。
もっと正しい医療情報を一般の人達に広め、この業界自体を変えていきたい。
そんな熱い思いが、私を起業へと突き動かしたのです。
「経営者」を自覚させてくれた経営塾との出会い。
実際には、私には社会人の経験があまりなかったため、
怖い物知らずという面がありました。
起業して4〜5年続く会社はほんのわずかで、
そのなかに入るには相当な努力や根性を必要とするという事も知りませんでした。
初めの3年間は無我夢中で、
経営について深く考える事もないまま突き進んでいたと言えるかも知れません。
転機は、京セラ創業者であり現JAL会長、
稲盛和夫氏主宰の経営塾『盛和塾』との出会い。
そこで改めて「経営者とは」という課題に真剣に向き合うようになったのです。
1〜2人が食べていけるだけの会社ならまだしも、
10〜20人の社員を雇うくらいの規模になると、
その社員の人生や家庭を背負う事になります。
よく、経営者にとって仕事とは、
「まんじゅうを取っては後ろ(従業員)へ投げ、
取っては後ろへ投げるような事」だと言われます。
だからこそ、「従業員を幸せにするのだ」という意識でないと、長続きしません。
そのためには、会社をどうしていけばよいのか。考えた末に、
もともと自分は「業界を変えたい」という使命感を持って始めたのですが、
その社会的意義をしっかりと社員に伝え、熱い思いや生きる姿勢を示す事で、
皆を奮起させる事につなげました。
そのあたりから仕事もどんどん増え、現在に至ります。
わが社の社員の仕事は激務で、周りで見ている人達が、
「なんで皆、こんなに仕事をするのですか?」
と感心するくらいですが、皆生き生きと頑張ってくれています。
これも、「自分たちは正しい事をやっている」「社会貢献している」
という事を確信しているからだと思います。
一般の方々に、必要な情報をわかりやすく。
私達の会社では、
開業歯科を周辺の方達によく知っていただくための
「内覧会」を開くのが主な業務の一つです。
月に15〜18回の内覧会をおこないますが、どんな場所であれ、
1回につき300人以上は集めます。
台風の最中でも、田んぼの真ん中という立地条件でもクリアしてきましたし、
3日間で3000人規模というパターンもあります。
毎回、失敗は許されないという意識で向き合っています。
そのために1週間がかりで朝早くから通勤の方にチラシを配ったり、
スーパーマーケットや幼稚園に足を運んだり、口コミを広めたりと、
徹底した人海戦術をおこなっています。
そして、せっかく足を運んで来ていただいた方々に、
「来てよかった。知ってよかった」
と思っていただけるような情報を提供しています。
例えば歯周病の恐ろしさ、それを防ぐためには半年に1度、
歯医者で口腔内のクリーニングを受けるのが非常に有効である事。
さらにはアメリカやヨーロッパなどと日本との口腔事情の違いや予防医学の遅れ、
それを取り戻すためにできる事などをわかりやすく説明します。
内覧会に来ていただいた方々からは、いつも、
「いい話を聞いたわ」「ありがとう」「早速予約とってきたよ」
といった嬉しい言葉をいただきます。
効果も歴然としていて、会計士などの口コミで開業医の方々に広まりました。
一般の人達の意識が変わる事で、歯科医やその周辺、
ひいては業界自体が変わります。
また、「患者側から見てよい歯科医」=「流行る歯科医」とは?
といった意見も開業医の方々に提案させていただき、
相互関係をよりよくする道を探っていきます。
今後は歯科以外の業界も全国的に展開。
わが社の自慢は、充実したスタッフの教育体制。
医師の方達と意見を言い合えるほどの知識を短期間で修得してもらいます。
また患者様への応対も徹底しており、
そういった面では他社には追従できないという自負があります。
今後は関西や九州など、全国的に事業を展開していくつもりです。
さらには歯科だけでなく、その他の業界にも裾野を広げています。
例えば、眼科。目を見れば、身体の血管の状態がわかると言われており、
糖尿病などを予防する事も可能です。緑内障の早期発見にもつながるなど、
とても必要性のある眼科の定期検診についても提案させていただいています。
身体に異常が出てから高い薬代や治療費を出して治すのではなく、
定期的に検診に行ったり、食生活を見直したり、
運動したりといった常日頃からの予防策はたくさんあります。
そんな医療や健康に関する正しい知識を広め、
みなさんに健康に関心を持ってもらう事が、私達の最大の目標なのです。
「働く」という意味を知って就職活動を。
リーマンショックや東日本大震災と、いろいろな事が起こり、大変な世の中です。
歯科業界一つをとっても、不景気の波は押し寄せています。
けれども、どんなに難しい状況でも、頑張っている所は大丈夫です。
今こそチャンスだと思い、就職活動も一生懸命頑張ってください。
自分なりに、最大限の努力をしてください。そうすると、一段と際立つと思います。
あと考えてほしいのは、「働く」というのは、どういうことなのかということ。
なんだかんだ言っても、今の若い人たちは、
小さい頃から「食べる物がない」といった悲惨な状態ではなかったはずです。
そればかりか、常に「与えられて当然」という環境にいた人も少なくないと思います。
けれども、植物も動物も、自然界で生き抜いていくためには、いろんな努力をしています。
人間も、生きていくためには働かなければなりません。
その「働く」という意味をわかった上で就職活動をしてほしいと思います。
また、女性は、子供を産んで育てるとなると、
どうしても男性に比べて働ける時間に制限があります。
そんな限られた時間で、いかに働くかを考えてみてください。
今は実力があれば男女に関係なく社会進出できる時代。
わが社でも、女性は強いです。根性を据えて、一緒にがんばりましょう。