代表 中土井 鉄信
設立 | 2001年6月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://management-brain.co.jp/ |
近代社会がもたらした「学校教育」という弊害
大学では、学校の先生になるために教職を取っていました。
将来の目標は先生になって、非行少年・少女と徹底的に向き合っていこう、
人生について教えようと考えていたのです。
ただし私は、日本の将来を良くしていくためには、
学校はなくすべきだという思いも抱いていました。
こういった考えを持つようになったのは、
近代社会と学校教育に関する議論を知ってからです。
近代社会とは、地域社会から教育力を全て奪い、
学校という場所に閉じ込めた社会です。
そして、学校で教えていることが全て正しいという
幻想を抱かせた社会でもあります。
きちんと学校を経ないと、一人前の社会人にはなれない、
そう思わせて「人の選抜」を行いました。
その選抜された人間が国家を動かす仕組みを作り上げたのが、
近代社会なのです。
このような議論を知るまでは、学校教育は良いものだ、
学校の先生は素晴らしい職業だと思っていました。
しかし実は、学校は他律的な人間を育てることが機能としてあると分かったのです。
そして、枠からはみ出してしまう人間は、
いわゆる非行少年・少女になってしまうことも多い。
私はその子供たちと向き合う先生になりたいとは思いましたが、
最終的には学校教育はなくなればよいと考えていました。
わざわざ「学校」として存在する必要はないのです。
学校や教育の要素は社会に組み込まれていけばよい。
私は大学2年生の頃から、そう考えてきました。
「不条理」「理不尽」は人間を成長させる糧である
大学時代は教職を取って勉強をするかたわら、
弁論部で活動をしました。
ただし新入生の間は、原稿を書いて先輩に渡しても、
先輩は少しも見ることなしに「書き直し!」と突き返してきます。
そこで書き直すと、2回目の原稿はだいぶ良くなりますが、
それでも読まずに返されてしまいます。
さらに3回目、もっと改善を加えた原稿を提出すると、
やっと1ページだけ読んでもらうことができます。
しかし再び「ハイ、書き直し!」
一見すると、理不尽なことの繰り返しのようですが、
実はこれが人間を成長させるのです。
物事に「不条理」という部分と、「条理」という部分があるなら、
人間を成長させるのは不条理の部分。
しかしそこには、多くの条理も隠されています。
弁論の原稿に関しては、ザーッと書いた1回目のものなんて、
本来は人に見せるべきではありません。
先輩は、「お前はどのくらい見直したのか?」ということを
教えてくれていたのです。
言われた側は、いかにそれを理解できるのか、
それが成長につながっていきます。
要は、理不尽なことを理不尽なまま受け止めるのか、
理不尽なことでも意味あるものとして受け止めるのか、
そこに大きな違いがあるのです。
その点に気付かせてくれたのが、弁論部での活動でした。
民間教育の現場で、様々な経験を積んだ日々
大学卒業後は、公立学校の先生になるつもりでしたが、
教員採用試験に落ちてしまいます。
その時には、高校時代の柔道部の恩師が、
定時制高校の常勤講師の職を見つけてきてくれました。
大学の卒業資格と教員免許を取ることができれば、
卒業後すぐに講師の職に就くことができる、と。
ところが教職課程の試験で、必修科目を一つ落としてしまい、
免許を取ることができませんでした。
だから、せっかくの就職も棒に振ってしまったのです。
そこで卒業後は、アルバイトとして働き始めます。
最初は、お世辞にも立派とは言えない小さな学習塾。
怖い副塾長に怒られてばかりでしたが、
8ヶ月のアルバイトを経て正社員に登用され、
それから3年間ほど働きました。
その後は、大手の学習塾チェーンに入社。
売り上げノルマ達成のためにと、チラシ配り、ポスター貼り、
DM送付なども行いました。
そして2年目には1億4500万円のノルマを達成したので、
次のチャレンジのために、他の大手学習塾に転職をしました。
それ以降も、様々な学習塾でキャリアを重ねていったのです。
塾のコンサルタントとして独立
独立したのは40歳の時。
以前から独立を考えていたということではなく、
コンサルティングを頼まれたのがきっかけです。
何年か前に付き合いがあった人材会社から、
英会話スクール立ち上げのコンサルティングをしてほしいと
電話をもらったのです。
その時は他の会社に勤めていたのですが、
ちょうど辞めようと考えていたところでした。
どちらかというと軽い気持ちで引き受けましたが、
やってみると、塾のコンサルというのも、なかなか面白いな、と。
そこで、コンサルタントとして独立をしました。
セミナー開催やコンサルティング業務のDMを送ったところ、
まずは2件、コンサルティングの依頼がありました。
その後も、ほぼ毎月セミナーを開催しましたし、
紹介によるコンサルティングの仕事も入ってきました。
結果的には、独立して2ヶ月目くらいから、
月に100万ほど稼ぐようになったのです。
「自己重要感」の意識を高め、平和な社会の実現を
創業5年目には、世界平和の実現を目的とする、
NPO法人「ピースコミュニケーション研究所」を立ち上げました。
ここでは、子供たちに相互理解と相互扶助を意識させる
コミュニケーションプログラムの普及を目指しています。
「コミュニケーションとは、他者を理解すること」
これを徹底的に伝えるのが私たちの目的です。
それと共に、マネジメント・ブレイン・アソシエイツにおいては、
「セルフエスティーム=self-esteem」を高めることに
コンサルティングの主軸を置いています。
セルフエスティームとは、自己重要感という意味です。
この「自己重要感」とは、自分で自分を重要だと思うのではなく、
「他人が自分のことを重要だと思ってくれている」という実感。
これはコミュニケーションにおいて、非常に重要な部分です。
本来、コミュニケーションとは情報伝達の手段ではなく、
他者を理解するため、自分を理解するために行うべきものです。
他者と自分に関心を示すことで、お互いの違いも同じ部分も
理解できるようになります。
これこそが重要な点なのです。
さらに、セルフエスティームを高めることは、
平和な社会を形成していくためにも必要と考えています。
人間は自己重要感が高まると、他人に対して優しくなります。
世界中の紛争やテロの悪循環を、戦うことで解決するのではなく、
理解し合うことでなくしていく。
そのような社会にするために貢献していきたいですね。
学生へのメッセージ
就職活動においては、どのような結果であれ、
しっかりと受け入れることが大切です。
採用試験は自分の成長のために受けるんだ、
そのくらいの気持ちを持ってほしいですね。
学力試験で落ちるのは、学力不足が原因です。
しかし採用試験で落ちるのは、人格に問題があるからです。
それを受け止めなければいけません。
人格について指摘される機会は、そうあるものではないので、
きちんと生かしていくべきなのです。
就職活動は、自分を見つめる良い機会だと考えて、
とことん頑張ってください。