代表取締役社長 矢野 三興

株式会社OPAL 代表取締役社長 矢野 三興

代表取締役社長 矢野 三興

株式会社OPAL
設立 平成23年1月5
事業内容
  • アパレル・ファッション雑貨を中心とした
    ロジスティクス・ソリューション
会社HP http://www.opal-logi.com/

23年勤務した商社を飛び出し物流へ

23年商社に勤務しました。
長年勤務していずれは役員を目指そうとも思いましたが、役員になったからと言って
企業風土が変わりそうもないといった空気がありました。しかし、何事にも自主的に
取り組みチャレンジしたかった。
その会社が銀行傘下になり、現場を知らない銀行からの出向社員が人員整理を始め、
当時人事課長だった私は納得できずやめてしまいました。

上場企業から非上場の物流会社・東京納品代行に移りました。物流はまだまだ伸びる
可能性がある業態ということを実感したことが、今の会社で働くきっかけとなっています。
しかし、その会社もバブル後、大手の参加に入り、自力でやっていくことが
できなくなってしまったのです。

その後、知り合いのファンドの方からオファーをいただきました。レナウンの物流を一手に
引き受ける会社を作り、将来的には他の仕事もとっていきたいという意向だったので
社長を引き受けました。
以前は、レナウンの完全子会社でREDUロジスティクスという法人で活動していましたが、
新たに当社を設立し、業務とスタッフ、設備を移管してスタートしました。

物流はメーカーの本当のデータを持っている

この仕事を引き受けようと思ったのは、物流という仕事はまだまだ伸びシロがあると
感じているからです。従来の物流会社は顧客から要求された機能を提供するに
とどまっていると感じていました。更に、自社で物流機能を持っている会社の場合、
コストセンターとして人材の引き受け部門になっているケースも多い。

商社マンの視線で物流を見た時に、生産からエンドユーザーまでバックアップしていて、
店頭から戻ってくる商品のことまでわかる。お客さんのことをよく知っているはずです。
売れ筋、売れ残りのデータも必然的に集まります。自社営業マンは売上情報しか上げない
傾向があります。物流は売り上げにかかわらず、側面から経営データを分析、
提示することで顧客をより発展させることができます。

これからの物流マンは自ら企画立案して実践する。
そういった会社をつくりたいと前職の時から感じていました。

大手のコンサル会社で物流出身のコンサルタントが入ってきて、画を書いて改革をすると
実際はなかなか実践できない。現場が悪いで終わってしまうことが多いけれど、
決して現場のせいではない。当社は、一緒に物流改革をやりますというところです。

トヨタ方式の品質管理を物流に取り込む

そのヒントになったのは、トヨタの生産管理システムです。物流会社にいた頃、
トヨタの生産管理システムを扱っている会社があり、単身で門を叩き、そこの常務と
お会いして「物流に進出しませんか」と直談判しました。当時はメーカーにしか
展開されていなかった。

トヨタ方式のよいところは一緒に、現場に入って改善をすることです。
基本的なことですが、パートさん達を巻き込んで品質管理を一生懸命やっていく。
組織を活性化させてスタッフの主体性をしっかり作っていく。
人材育成がキーになっています。

物流会社の最後の3年間は、この取り組みに情熱を注いでいましたが、社内の抵抗が
すさまじかったことに加え、会社が大手傘下に入り頓挫していました。

物流会社が改善して、コストダウンさえすれば良いということではなくて、
顧客の売上をのばしたい。コンサル機能を持ち、実際に物流を手掛け、改善しながら
システムも改良していく。現場とシステムが一体となって動くことが目標です。

当社はアパレル企業にどんどん入っていって提案していきたい。
私達のノウハウを活用して顧客の工場、営業、経営、経理で情報を共有して本当の
「サプライチェーンマネジメント」を実現していきたい。

顧客を変える」提案営業を目指せ

現在は約40人のスタッフで、32人がREDUロジスティクス出身の社員、8人が
当社のプロパー社員、のメンバー構成です。習志野にアパレル専用の倉庫があり、
スタッフの大半がそこに常駐しています。

私も商社出身なので、現在のような考え方をしているのであって、最初から物流で
働いていたらわかりません。だから求める人材も「仕事を請ける」ではなく
「顧客を変える」という価値観を持って欲しいです。進みたい業界が物流でないと
いけないということもありません。

少し前に先輩の方と話す機会がある時には、「アメリカではアマゾンが小売を牛耳っている。
もう少ししたら日本もそうなる。どれだけ優れたITの仕組みでもモノがきちんと
届かなければ意味がない。そういった物流会社にしましょう」と話して危機感を
煽っていました。

若い方はしきたりにこだわらず、本当の意味での提案営業ができるようになってほしい。
ゼロから企画を作り、売り込む。幸い物流業界は本当の意味での営業マンが
少ないので狙い目ですよ。

どんどんチャレンジしてほしい

私もそうだったから言えることかもしれませんが、寄らば大樹の陰ではなく、
何事にも自発的に取り組んでほしい。例えばベンチャーに入って会社が潰れてしまっても
次の目がある。また、チャレンジすればいい。

不況などの影響かもしれませんが、若い方が保守的になりすぎていると感じることが
あります。尊敬する人は?の問いに「両親」と答える方が増えたような気がします。
けっして両親ではダメということではありませんが、視野が狭い感じがします。
こういった社会情勢ですから両親を安心させるために大きな企業に入りたい方が
増えているのかも知れません。

私たちの若い頃よりも、情報も多く、優秀な方も多いのでがんっばって欲しいですね。