代表取締役 川崎 貴子
設立 | 1997年10月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.joyante.co.jp/ |
バイトに打ち込んだ学生時代
高校生の頃は「バイト漬け」の日々でした。とにかく様々なバイトを経験しましたよ。
お金を稼ぐ事以上に、社会経験を積む事が楽しかったですね。
モデルケースになるような大人の方々とも出会いたかったですし、
自分がどんな仕事に向いているのか、
スキルのない自分がどのくらいの市場価値を持つのかに興味がありました。
働くという事に強い関心を持つようになったきっかけは、
私が中学生だった頃に、大手造船会社に勤めていた父が、
リストラの対象になりかけたことの影響かも知れません。
当時、世間はバブル景気で浮かれていましたが、造船業界は不況に見舞われており、
父の会社では50歳以上の社員は全員、リストラの対象になりました。
(幸いにも、結果的にはリストラにはなりませんでした)
家の中の雰囲気も暗くなり、その時に「頼る」って恐い、と痛感したんです。
大会社に就職したからといっても、スキルという意味では
「サラリーマン」というスキルでしかありませんし、
「寄らば大樹の陰」、「就職が安定」という考えは一切しなくなりました。
むしろ、人生において何かに頼る。
例えば、就職という形で会社に頼る、親に頼る、専業主婦として夫に頼る。
そういった「頼る」という事を、むしろリスクとして捉えるようになった事を覚えています。
また、母親が子育てを終え、エネルギーを持て余しているのを見ていたので
「自分は専業主婦ではなく、自分の足で立って、一生、働いていこう」と思っていました。
そうして将来を考えた時に、手先が不器用なので、職人は向いていないし、
かといって理系的な人間でもないので、「なれたらいいなぁ」というレベルですが
起業をボンヤリ思い描いていたように思います。
アルバイトで一番、勉強になったのは議員会館でのお仕事です。
国会議員に陳情に来られる経営者の方々の交渉力を傍から見させて頂く事で、
営業力の重要性を実感出来たからです。
大手人材会社で営業力を磨いた末の起業
ですので、営業力を磨きたいという思いを抱えて就職活動に臨んだのですが、
その年は、バブルがはじけたばかりのいわゆる「就職氷河期」で、
それまでとは一転して女性に活躍の場が与えられにくい状況でした。
そんな中でも、女性にも営業を任せて頂けるという事でしたので、
大手人材会社でお世話になる事にしました。
そこで4年間働き、アポイントメントの取り方から提案営業まで学ばさせて頂きました。
最初は、30歳での起業を予定していたのですが、父の勧めで保有した株が値上がりし、
資金が調達出来た事に加え、同じ志を持った仲間にも恵まれたので、
25歳で初めて起業しました。
最初のビジネスモデルは、韓国やタイなどアジア各国に赴任している商社や銀行に
お勤めの方々のご子息を対象にEラーニングを提供するというものでした。
ただ、当時のインターネット環境や、
現地のパソコン学校との連携が上手くいかず、半年ほどで頓挫してしまいました。
女性に特化した理由
弊社を起ちあげた97年は、大手証券会社や銀行の倒産があり、
女性が活き活きと社会で活躍できるような環境とは程遠い状況でした。
また、当時は人材業界も、まだ男性社会であった事にあわせて、
ベンチャー企業からは
「経験はなくてもやる気があれば育てたいと思っているが、求人をしても人が集まらない」
という声を多く聞いておりました。
そこで、弊社は、女性にも多くのチャンスがあるベンチャー企業と、
経験はないけれどもキャリアチェンジを望む女性との橋渡し的な存在になろうと思い、
女性に特化する事になりました。
現在は、「女子学生の為の就活支援講座」と「女性の為の転職支援講座」という
二つのコースにも取り組んでいます。
「女子学生の為の就活支援講座」ではメイクの仕方から立ち振る舞い、
面接対策まで行い、必要なスキルを身につけて就職活動に臨んでもらいます。
いいモノを持っているのに「自分の見せ方」知らないばかりに、
何十社にもエントリーする事は余りに不毛です。
それらを知らなかったばかりに、スタート時点で躓くような人を減らしたいのです。
そして、面接におけるユーザー意識、
つまり面接官側からの視点を意識できるようになってもらい、
自信を持って就職活動に臨んでいただくための講座です。
もう一つの「女性の為の転職支援講座」では、
プレゼンテーションスキルやコーチングスキルやスケジュール管理能力などの武器を
一つでも多く身に付け、いち早く同期や先輩に負けない人材になる事を目標にしています。
それと同時に、一人の女性として幸せになるために、
結婚や出産などを含めたライフプランを一緒に考えていきます。
夢
年齢を重ねる毎に、就職・転職が難しくなるという社会では、
早期教育と長期ビジョンを伴ったキャリアの構築が不可欠です。
結婚するにしても、柱となるキャリアがあれば、専業主婦以外の道を選ぶ事も出来ます。
弊社は、「働く女性の成功、成長、幸せをサポートする」という理念を掲げております。
そこには社会的な成功だけではなく、
結婚や出産を含めた女性としての幸せも含まれています。
20代という時期は、人生の中でも非常に大切な時間だと思いますし、
現在、その年頃の女性達のキャリアップのお手伝いをさせて頂けている事には
充実感を覚えますし、今後も、それを拡大していきたいですね。
弊社にはあまり拡大志向がないのですが、とにかく理念は貫きたいと思っています。
ですので、関連会社をつくるなどして、リスクを分散しつつ、
理念が共有された環境を整備してチャレンジを続けたいですね。
私個人としては、「刺激的な人生を送る」、「影響力のある人物になる」、
「美しくてゴージャスなおばさんになる」という3つの夢があります。
刺激という意味では、講演や執筆というアウトプットする機会に恵まれてきたのですが、
その分、インプットが追い付いていない感があります。
ですので、留学や海外生活、そして共感できる理念をお持ちの方々と一緒に
未体験の仕事もしてみたいと思います。
影響力については、もっと私の周りにいる方々をバックアップできる力が欲しいです。
具体的には、起業を志す女性に投資したり、何かを学びたいという女性に
奨学金を提供できるといった、資産的な余裕ですね。
また、「ゴージャスなおばさん」になるにも、経済的な余裕が必要ですし、
子供も、もう一人くらい産みたいので、健康管理もしっかり行っていきたいですね。
学生へのメッセージ
絶望しないで下さい。
確かに、10年前の学生はもっと楽に社会にエントリーできたという
不公平感はあると思います。
でも、若い時期に深く悩んだ経験や、今、味わっている苦労は、
今後の人生で役に立つ時が来ます。
ですから、今はアンラッキーと思うかも知れませんが、挫けないで下さい。
そのアンラッキーをアドバンテージと信じて頑張ってください。