代表取締役社長 石濱人樹

株式会社ノーザ 代表取締役社長 石濱人樹

代表取締役社長 石濱人樹

株式会社ノーザ
設立 2018年6月1日
事業内容
    • 医療情報処理装置の研究開発、製造、販売並びに保守
会社HP https://www.nhosa.com/

株式会社ノーザの事業内容について詳しく教えてください。

株式会社ノーザは主に3つの事業を展開しています。
一つ目はデンタル事業です。
歯科用のレセプトコンピュータという、
診療報酬の計算と保険請求を自動化するソフトウェアを開発・製造しています。
現在、全国の歯科医院約1万件に導入していただいており、業界1位を誇っています。

二つ目はメディカル事業部で、透析業務支援システムを扱っています。
病院内の透析装置と電子カルテと医事システムとをつなぐことで、
シームレスな業務環境の構築に貢献しています。
透析分野には大手の競合が多く参入していますが、弊社は第3位となっています。

そして、三つ目は2019年6月に設立したばかりのMDS事業部です。
再生医療にかかわる事業でチャレンジ的にスタートしました。

売上は全体で50億くらい。
デンタルとメディカルで比較すると、
85:15でデンタル事業部の割合が高くなっています。

社員は300名ほどいるのですが、女性社員はそのうち47%を占めています。
化粧品会社のように女性向けの商品を売っているわけではないのに、
これだけ女性が多い日本企業は珍しいと思います。
ご存知ない方も多いと思いますが、診療報酬は年に4回も改定があり、
そのたびにレセプトコンピュータのプログラムを変更しなければなりません。
そのため、当社の女性社員たちは
日々勉強を重ねて日本の保険制度にとても詳しくなるのです。
いわば、手に職をつけるようなものなので、長く安心して働いてくれています。

これまで30年ほど会社を経営されていて、一番大変だった出来事は何ですか?

アナログからデジタル、デジタルからIT、
情報が外とつながるICT、そこからビッグデータが集まりAI化する…。
こうした時代の流れの中で、だれが覇者になるのかを予測するのがとても難しいですね。

私は、歯科業界におけるIT普及の動向は、ノーザがカギを握っていると思っています。
歯科業界のVPN導入率はたったの18%。
これは、ほかの業界よりもかなり低い数字であり、未だにICT化が十分進んでおりません。
我々は、電子レセプトシステムを通じて顧客の会計という重要業務を扱っている存在です。
ですので、我々は日本の歯科業界をIT化で変えられる立場なのです。

社内的なことでいうと、社員の処遇について悩むことが多いですね。
時代の流れの中で、会社に変化が生まれるときがあります。
「変わる」ということは、これまでのあり方が「無」になることを意味しますから、
ついていけなくなる社員が出てくるのです。
しかし、我々はそういった人たちを簡単に切り捨てることなどできません。
変化についていけなくなった社員でも、
会社の戦力になってもらえるように考えることに苦労しています。

貴社の強みについて教えてください。

レセプトと電子カルテをつなぐ、
最先端システムを持っていることは、弊社の大きな強みです。
また、歯科と透析に特化していることも、他社と差別化できる点です。

病院が国に医療費を請求するためには、
我々の提供するレセプトシステムは必需品ですし、
IT化を進めることで医療費の予算を削減したいと考える国の意向にも、
我々のやっていることは沿っています。

我々のいる歯科医院向けレセプト市場では、販売1件1件は薄利多売ですし、
年に4回もある診療報酬のアップデートにも対応しなくてはいけません。
こうした背景が、大手企業が参入しない、できない要因になっており、
だからこそ、我々が大きなシェアを取っていけるのだと思います。

また、ユーザー医院にノーザのインストラクターが対面で
コンピュータの使用方法を指導したりメンテナンスを行ったりするため、
そこで人と人とのつながりが生まれます。
そうすると、理屈や値段だけで、
後から参入した会社に簡単に乗り換えられることはありません。
このように、市場の地盤を固めてきたことも、弊社の強みといえます。

会社を経営する上で、石濱様が特に心がけている事などありましたら教えてください。

きれいごとを抜きにして言うと、社員の所得アップです。
私は、「自分たちの給料もあがらないのに、街のゴミは拾えない」と思っています。
自分に余裕がなければ、外にも貢献できないのが人間の本質ではないでしょうか。

日本のサラリーマンのうち、年収一千万円以上もらっているのは2.2%だけと言われています。
私は、「ノーザはその倍の5%を目指そう。社員の5%は年収一千万円以上にしよう」と、
日ごろから言っています。

企業は継続がすべてです。
お客様・株主・自分に対して、継続して利益を与えていかなければなりません。
自分が光るためにポケットに入った虎の巻を他人に教えようとしない人がいます。
しかし、心に余裕がある人は、
知り得たこと・情報はきちんとチームに共有し、人を育てていくものです。
社員に心と所得の余裕がなければ、企業は存続できません。
だからこそ、私は「社員の所得をあげること」に重きを置いていますし、実行しているのです。

今後のビジョンについて教えてください。

国の総医療費は40兆円と言われています。
介護保険制度を支えているのは、まさしく医療機関と言えるでしょう。
それにもかかわらず、医療業界はITやAI技術の恩恵をほとんど受けていません。

今後、医療業界を変えられるのは、IT技術を持っている企業だと思います。
だからこそ、我々のようなIT企業は技術を普及する義務があるのです。

ノーザは、業界を大きく変えていける、
いや、変えるべき立ち位置にあると思っています。
歯科業界のIT化は大きく遅れを取っていますが、
我々の手によって、他の業界に追いつけると思っています。
私がノーザに残り続けてきたのは、
この業界を変え、さらに社員にもっといい思いをさせてあげられる、
その楽しみがある会社だと確信しているからです。

ITと医療をつなぐ先駆者として、これからも使命感をもって進んでいきたいと思います。

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