デュアルタップマレーシア代表取締役兼CEO ジョハン・ジュリス

デュアルタップマレーシア代表取締役兼CEO ジョハン・ジュリス

設立 2012年7月
(デュアルタップマレーシアは同年5月)
事業内容
      • 不動産コンサルティング業
      • リーシング業
      • アセットマネジメント
      • 企業海外進出支援
会社HP http://www.dualtap-international.co.jp/index.php

留学後、そのまま日本の企業へ

私は1996年に国費留学生として来日し、
4年間を国立大学で過ごしました。
そういう学生は私の他に100人ほどいたのですが、
留学期間を終えると、皆が本国のマレーシアに帰っていきました。
そんな中、私は「日本の社会も経験しなければもったいない」
という気がしていたのです。
そのため、日本に留まり、日系企業に就職することにしました。

最初に就職したのはある新興の金融会社でした。
6年半にわたってこの会社に勤めていたのですが、
金融商品の営業に始まり、投資家向け広報(IR)、
海外上場の準備、財務会計など、さまざまな仕事を経験させてもらいました。
現在は残念ながら経営不振で倒産してしまっていたのですが、
私がいた当時はどんどん多角経営を進めていき、会社としても絶頂期にあったので、
非常に良い時期に、良い経験をたくさん積めたなと思っています。

その次に転職したのが200年の歴史がある外資系プライベートバンク。
この会社はそれまでいた若い会社とは何から何まで対照的で、
社員は皆落ち着いて仕事をして、
ムダなことは一切しないという職場環境でした。
アメリカ本国の社員さんに会っても皆品がよく、
かつ、力があるという人たちでしたね。
ここでまた6年間、経理、財務職を務めた後、現在の仕事に移りました。

母国マレーシアでの不動産開発

12年ほど日本で働いてすごく気にかかっていたのが、
マレーシアに関わる仕事を何もしていないということでした。
もともと日本とマレーシアの橋渡しになるような仕事をしたいと思っていましたし、
それに関わる職をずっと探していました。
しかし、今までの待遇を維持できるそのような仕事は
なかなか見つからなかったので、
それなら自分でやるしかないかということになりました。
そこでたまたま出逢ったのがデュアルタップだったというわけです。

デュアルタップグループは不動産の開発・企画・管理を行う、
いわゆるディベロッパーです。
数年前に、このグループが海外事業を展開していこうという方針になり、
そこでマレーシアの不動産は魅力的だということで話を持ちかけられ、
意気投合したことで立ち上げたのが現地法人のデュアルタップマレーシア、
そして日本での法人のデュアルタップインターナショナルでした。

私はマレーシア代表として、マレーシアでの業務全般を担当しています。
業務としては、日本人の投資家へのマレーシア不動産の紹介、
ロングステイや留学に関わるアドバイザーといったことが中心となります。
また、マレーシアへの事業拡大を希望している会社の海外進出支援も行っています。

現在3期目に入るのですが、おかげさまで黒字化していまして、
どんどん認知度も上げていっているところです。
目指すところとしては、マレーシア不動産のことならデュアルタップ、
というふうになっていければなと考えています。

もっと知ってほしい、東南アジアの市場価値

現在、毎月2、3回の間隔で投資家の方々を集めてセミナーを開催し、
良い現地物件を紹介したり、投資情報をお知らせしたりしています。
これを通して、もっと日本の方にマレーシアの価値に
ついて知っていただければと思っています。

経済のマクロな流れの中でみると、
日本は今後人口が縮小し、経済規模が小さくなっていくことが明らかです。
大災害も頻発し、国民のマインドは低くならざるを得ない状況にあります。
そういうなかで、東南アジアはすごく注目されているんですね。

人口は全体で7億人に達し、これから更に増えていくと予測されています。
経済的な成長のスピードも早く、この市場に進出する日本の企業は数多いです。
これからは個人投資家の方にとっても、ますます重要な地域になるでしょう。
日本にある資産を海外の不動産なり、金融商品なりに変えるほうが、
分散投資ができて、国内だけで保有しているよりも安全で、
なおかつ利益にもなるからです。
そのなかでも不動産は、価値がゼロになることは決してないという点でも、
非常に重要で魅力的な商品であることは間違いありません。
そのマーケティングと販売を我々が担っているというわけです。

マレーシアに特化したビジネスを

現行事業は非常に順調ですし、ご好評いただいています。
ただ、マレーシア不動産自体、非常に人気が高く、
価格が高騰してこのままでは不動産バブルのような状況になりかねないです。
政府もこれを警戒していて、昨年法改正を行って、
外国人の不動産買い付けの最低価格を高くしたんですね。
これによって、お客様へのハードルが上がったことは確かです。
他社もマニラやベトナム等、他国の不動産商品へのシフトをはじめているのですが、
私はマレーシア不動産にこだわろうと考えています。
お客様により質の高い情報とサービスを提供するためには、
やはり専門性が大事だと考えているからです。
自分たちのキャパシティを見極めながら、
今後もマレーシアに特化したビジネスをしていく所存です。

現地での他分野への進出ということでいえば、
つい最近、デュアルタップ・ビルディングマネージメントという現地法人を設立し、
日本の建物管理サービスを向こうに導入しようというビジネスをはじめました。
マレーシアの不動産は管理体制がまだ行き届いていなくて、
そのために劣化のスピードが非常に早くなってしまっています。
築5年ほどのビルが、20年位経ったんじゃないかというくらいに見えるんですよ。
かたや、日本のマンションやビルを見ると本当に綺麗に保たれていて、
築20年の建物でもそうは見えないくらいに管理が行き届いています。

私たちが考えているのは、そういった日本ならではのきめ細やかなマネジメント、
長期的な修繕計画に基づいた建物管理の方法を現地に持ち込むことです。
そもそもマレーシアでは根付いていない文化ですので、
展開していくには絶好の事業だと思っているんです。
これから営業をどんどんして、クライアントを開拓していくことになりますが、
かなりのビッグビジネスになるのではないかと期待しています。

求める人物像・学生へのメッセージ

当社はマレーシアに加え、シンガポールにも現地法人を立てていまして、
現在各部署の社員合わせて8名の組織となっています。
2年前にインターナショナル代表の坂東と私の2人で始めた会社が、
今これだけ人数を増やしているということは嬉しいですし、
会社としての成長を実感していますね。

現在グループ全体で新規採用も行っているのですが、
そのときに重視したい基準としては、
何よりこの仕事が好きかどうかということですね。
仕事が好き、という方にメンバーとして入っていただきたい。
この仕事が好き、という気持ちさえあれば、
どんなに辛くてもついていけるものです。

逆に仕事が好きでなければ、どんなに楽でもやっていけないと思います。
だから、マレーシアが好き、海外が好き、投資や不動産の仕事が好き、
それから人の投資をサポートするのが好きという方を求めたいです。

学生の皆さんは、早いうちに海外に目を向けてみるべきだと思います。
海外を知り、実際に行って経験することで人間としても成長できます。
それに、特に東南アジアでの新規事業は早い者勝ちというところがありますから、
事業を立ち上げるなら注目される前からはじめておくべきでしょうね。