代表取締役 栗山規夫

代表取締役 栗山規夫

設立 2011年
事業内容
会社HP http://www.unilabo.jp/

起業家になるということ

「幼いころより起業しようと考えていた」
そんなかっこいい起業エピソードなど、私にはありません。

就活を経て就職した先は大手の総合商社。
石炭や鉄鉱石などのオールドエコノミーに触れて初めて、
新しい価値を創り出す仕事がしたいと思うようになりました。
結果、1年で商社マンに見切りをつけ、
インターネットベンチャーへ転職しました。

20代、私は誰よりも仕事をしてきたという自負があります。
何よりも仕事が好きで、とにかく頭の中は仕事のことばかり・・・。
それが良い事なのかどうなのかはさておき、
新しいことを起こすにはそのくらいの情熱が無いといけないのだと思っています。

人に言われた仕事をこなすのではなく、自分で何かを創り出していく。
その様な仕事にやりがいを見出し、挑戦する日々の中で、一度きりの人生、
自分のチカラを試してみても良いのかなと思い、
30歳になった節目で行動するに至りました。

振り返れば、20代で一緒に仕事をしてきた仲間(上司や同僚、お客様含めて)、
周囲の人間は私と同じく仕事を楽しむことのできる方々ばかりでした。
周りの人に恵まれたことで、常にチャレンジできる前向きな気持ちに
させてくれたのだと思います。

社会をより良くしていくこと

せっかく起業したわけですから、どうせなら好きな事に時間を費やしたいものです。
自分の問題意識が最も大きく、
毎日考えていても飽きないほどのアジェンダがないと続きません。

成功の定義は様々でしょうが、私は会社として利益を生み出すことは
当然のミッションだと思っています。
一方で、目の前の利益よりも大事なことがあると考えています。
経営者を志したからは、「社会をより良くしていくこと」にどこまで貢献できるか、
を考えるようになりました。

私たちはB2B(企業間取引の活性化・再構築)を事業ドメインに据えて
幾つかのサービスを展開しようとしています。
売り手と買い手にはまだ大きな「情報の非対称性(情報格差)」があり、
ITのチカラを使って解消できるチャンスがあると思っています。

商社勤務を経て、B2C、B2B、C2Cなど
様々なインターネットビジネスを経験してきた私だから、
この分野で社会の為になれるのだと信じています。

インフラサービスを創るということ

会社というのは、事業があって初めて成り立つものです。
常々、会社の名前を有名にすることよりも、
多くのユーザーに支持される事業を創り出さないといけないと思っています。

グルメサイトなら?料理するなら?転職するなら?結婚するなら?
と聞いて、多くの人が思い浮かべるサービスがあるでしょう。
そういったサービスの多くは既に10年以上の歴史があり、
激変するインターネットの技術革新や流れの中で切磋琢磨し、
磨かれてきたものばかりです。
一般のユーザーには見えにくいかもしれませんが、
そういうインフラサービスには、一朝一夕で覆ることのない深い根を持っています。

インフラサービスを創り、社会をより良くしていくことをテーマに掲げる中で、
今日明日、今年来年のような短期視野ではなく、
長い目で見て育てていく経営スタイルを取るように心がけています。
根を張り、簡単には倒されない強いサービス作りです。

私はイノベーションは一夜にして起きるものもあれば、
長い年月をかけて達成されるものもあると考えています。
どちらかというと後者の進め方が私たちには合っているのかもしれません。

当社は2014年2月にB2Bの発注プラットフォームである、
「imitsu(アイミツ)」をリリースしました。
開始半年が経過した現時点で、2,000社、10億円を超える発注総額を集め、
多くの方からのご声援を受けて、おかげ様で順調に進んでおります(取材時点)

ただこれは私たちがやりたいことのほんの一部です。
テーマとしているB2Bの領域、
企業の経済活動におけるIT革命は未だ何も始まっていないのです。

ベンチャーで働くということ

月並みな言い方となりますが、弊社はいわゆるベンチャー企業です。
20代の全てがベンチャーライフだった私にとって、
ある種熱狂的とも言えるような働き方を若いうちにすることを、
学生さんや若い方にはオススメしています。

23歳で転職したインターネットベンチャーは、上場直前の100名程度の会社でした。
当時は知名度もない会社で、回りの人にも反対されたものですが、
それまでにいた大手総合商社と比較すると、新しいことを生み出す気概と、
パッションに満ち溢れていました。同じ年くらいの年齢の若いメンバーでも
日夜ビジネスのことを考え、毎日が刺激に満ち溢れていました。

多くのベンチャー企業やスタートアップは、
人材研修制度や福利厚生などが整っていないのが現状ですが、
私は本当にやる気のある人は、与えてもらうことを求めていないと思います。

今当社で活躍しているインターン生を見ていてもそうですが、
「自分に足りない所を知って成長したい」と思う若者は、
就社ではなく就職という考え方で、何をするか?を
重視した会社探しをされると良いと思います。

当社は創業期からインターンシップを多く受け入れ、
学生さんのパワフルな仕事に支えられて経営しています。
現在も10名近くの学生さんが日々切磋琢磨しながらの日々です。
もし興味があれば、ランチタイムには皆で一緒にご飯を作って食べていますので、
一度遊びにきてください。

自分の仕事を見つけるということ

「やりたいことが見つからない」という悩みを持つ学生さんは多いと思います。
大学生の内に人生を賭して取り組みたいことを見つける、
というのは非常に稀なことだと思いますし、
30歳になっても見つからない人は見つからないものだと思います。

もし本当にやりたいことを見つけたいという気持ちが強いのであれば、
「ベンチャーの世界を覗いてみること、そして真剣に仕事に向き合うこと」
をオススメします。

なぜ、ベンチャーという場が良いのでしょうか。
それは、「仕事」が出来るからだと私は考えています。
特にスタートアップ期のベンチャーは、マニュアルなどが有りようもなく、
業務自体がまだ固まってはいません。当然、誰も指示を与えてくれません。
私このマニュアルの世界で働く事を、
私は本当の意味での「仕事」だとは思えないのです。
マニュアルの世界からは当事者意識も生まれません。

会社をもっと良くしようと当事者意識をもって取り組むには、
トップとの距離が近いことも重要でしょう。自分が会社に必要であり、
その会社が自分の会社であると、当事者意識を持つことができれば、
結果的に「仕事」は楽しくなってくるのです。「自分の仕事を見つける」ということは、
そのような日々の中で、時間を掛けて見えてくることではないかと思っています。

何がリスクなのかを見極めること

ベンチャー企業に入社する(転職する)リスクを感じる人も多いと思います。
まだ成功していない事業であり、会社ですから当然のことかと思います。

私自身も、23歳で大手総合商社からインターネットベンチャーへ転職、
30歳で起業するに至り、節目節目ではリスクを感じながらも、
行動を起こしてきた身です。

転職や起業の相談を受けることも多いですが、その中で良く思うことは、
「挑戦するリスク」と「挑戦しないリスク」があるということです。
後者の方は非常に見えにくいリスクですから、感じていない方も多いかと思います。

高度経済成長期のような成長前提の経済社会ではないため、
20世紀と同じような働き方、ビジネスモデルでは戦っていけないのは明白です。
近年、再びベンチャー企業やフリーランスという働き方に目が向くようになっています。

また、誰もが挑戦がしやすい社会環境の整備や、
大学生の就職活動そのものも見直されつつあると感じます。
環境が整備されていく一方で、個人の仕事への向き合い方の変化も求められていると感じます。
「挑戦しておけば良かった」と後から後悔しないためにも、
新しい価値を生み出す仕事を志していくと良いと思います。