代表取締役社長 是永英治

代表取締役社長 是永英治

設立 1998年7月28日
事業内容
    • 営業コンサルティング事業
    • 営業アウトソーシング事業
    • 営業部門の課題解決となる事業全般
会社HP http://www.confidence.co.jp/

父親の分まで成功したい

19歳の頃、父親が突然ガンで亡くなりました。
父は会社を経営していたのですが、多額の借金を背負った状態で亡くなったので、
私も大学中退を余儀なくされ、この状況を乗り切らなければいけなくなりました。

葬式の席で、自分で独立して周りを見返してやろう、
父の分まで成功してやろうと強く思ったものです。
この経験が、今でも私のビジネスの原点になっています。

弊社では営業職のアウトソーシング事業を行っているわけですが、
実は父親も営業型のビジネスマンで、
生前から営業力、交渉力の大切さについて常々感じていました。
だから自分が独立するにあたっても、
まずはその力を鍛えるところから始めようという考えがあり、
採用支援を行っている会社に勤めて営業業務を経験しました。
その後、もう少し事業全体を俯瞰できるような仕事をしたいと転職し、
経営やマネジメントについての知見を深めました。

最初に起業したのは20代の頃でしたが、経営が悪化し、約2年後に会社は閉鎖。
自分の経営能力がまだ足りていなかったと痛感して、
再び人材系の企業に転職し、事業部長を務めるなどして経営力をつけました。
そして34歳になった平成10年、満を持してコンフィデンスを設立したというわけです。

社会のニーズに応えた質の高い営業代行

我々が展開している業務は、非常に複雑な仕事です。
どういう仕事なのか、よく分からないという方が大半なのではないでしょうか。

営業代行というとまず「テレアポ」を思い浮かべる方が多いですよね。
電話口だけでアポイントメントを行うのがこの営業形態で、
同業の他社さんも、専らこの形での営業代行を中心業務にしています。
そしてこれに対して我々が行っているのは、
戦略策定から営業までを一括して請け負うという、難しくて手間のかかる代行業務です。
そのような仕事のモデルを採用することは、
実は「業務を単純化して量的な拡大を図る」という経営のセオリーの逆を行っています。

それなのになぜ、我々がこのような仕事を請け負っているか。

簡単にいうと、そのほうが社会のためになるからです。
営業が苦手な企業や経営に力を割けない企業を陰で支えることは、
社会の要望、根本的なニーズだと私は考えます。
このニーズに応えていくことを経営理念として、これまで16年間進んできました。

人の意見は相手にしない

目の前の利益よりも、長期的な公益を見据えて経営したい。
この思いは、34歳で起業したときからぶれていません。
もともと、父親が亡くなった64歳までには成功しよう、
それによって父の無念を晴らそうという気持ちでスタートしたので、
成功までの期間は30年、見ているわけですよ。
それくらいかかってもいいので、人と違った仕事、世の役に立つ仕事で大成しようと。
だから、5年後やそこらでの小さな成功には興味がないんです。

正直な話、創業当初からしばしば
「そんなことをしても上手くいきませんよ」という声は耳にしていました。
業界のなかで私は変人扱いされていると思うんです。
しかし、私は人の意見なんか聞いていないし、相手にしていません。
人のことはどうでもよくて、自分のミッションだけを大切にしている。
その過程で人に嫌われようが、批判されようが全然構わないですよ。

西郷隆盛に、
”人を相手にせず、天を相手にせよ。
 天を相手にして、己を尽くして人を咎めず。
 我が誠の足らざるを尋ぬべし。”
という言葉がありますが、これがまさに私の考えているところです。
この言葉は信条として、いつも胸に刻んでいます。

経営者は「会社の時計」

拙著のなかでも述べているのですが、
私は経営者の仕事というのは「会社の時計」を作ることだと考えています。
この場合の「時計」というのはつまり、会社組織の秩序のことです。
それを私がきちんと作って、社員に指し示し、仕組み化していく。
経営者がすべきことはそれだけなのだと思っています。

重要なのは、それ以外には口を出さないこと。
現場での仕事にいちいち指図するのは、社員の自主性を阻害します。
それはあくまで彼らの仕事であり、領分なんですから任せないといけない。
「経営者」と「働き手」という役割分担を確立することは、
互いに気持ちよく働くためにも非常に重要なことだと思います。

「時計」としての仕事を詳しく説明すると、
まず、営業の新規事業をどんどん立ち上げていくこと。
そのために、営業戦略を練り、ディレクションをします。
そして営業マンが現場で営業をし、
その成り行きをみてまた私がフィードバックする、という繰り返しです。

たとえば現在は、1回1時間のみのヒアリングをし、
それをもとに1週間の提案期間のなかで
20ページ以上の提案をすることにしています。
そのようなルールを作り標準化することで、質を高まり、
お客様の信頼にもつながっていきます。

これは大きな業務管理になりますが、
もっと細かい次元でのスケジュール管理も「時計」の重要な役割です。
週2回、ランチタイムに必ず営業ミーティングをすることや
目標は必ず半月ごとに設定する、というような、日常のサイクル作り。
このような仕組みやルール作りを通して、
彼らが自分の考える仕事のスタイルで業績を上げられるように、
業務を管理し、かつ全体での足並みを揃えていくんです。

要するに、私の方針をルールとして具現化し、
それをもとにあとは自由に働いてもらう、ということになります。

2020年までに1000人の組織に

私は事業のビジョンは設定しません。
あるのは組織戦略だけです。
現在は2020年までに1000名の組織にしようという目標を持っていますが、
その時にいくら利益を上げているとか、
何をやっているということは一切考えていません。

1000名の営業のプロがいれば、
それだけでも会社としての相当なインパクトになると思うし、
社会貢献という面でもより直接的に反響が得られると思うんですよ。
会社の業務としても、それだけのプロが動いているのであれば、
相応の規模感で事業も出来上がっていくに違いありません。

兵法上では、「戦略」「戦術」「兵站」が3要素になりますが、
私はそのなかで「兵站」を最重要視しているわけです。
だからどういう人を何人集めて、
どうやって教育していくかということに一番力を注いでいるし、
実際に私の1週間の仕事の大半は研修になっているんです。

求める人物像としては、まずビジネスマンとしてきちんと仕事していく気がある人。
面接の段階で、厳しい仕事ですよということははっきり言ってありますし、
そこをこなしていけるのは目標がある人だけだと思うんです。

弊社も6年後をめどに一気に大きくする予定ですし、
それに見合うようなベンチャースピリットをもった人に来ていただきたいです。
中途採用に関しては、弊社の仕組みをゼロから覚え、
そのうえで仕事してもらえる方を採用します。

かなり営業の経験がある方にも、まず一旦ゼロにしてもらって、
我々のルールやスケジュールで動けるようにしてもらいたいということです。
それが叶わなければお互いに不幸ですし、快適に仕事できないですからね。

学生へのメッセージ

就活に対するアドバイスはしたくないんです。
50歳になって分かるのは、就職活動なんて大したことではないということです。
それよりももっと大切なことは、ひとつひとつの積み重ねなんですよ。

皆が仕事というものに人生の多くを費やさなければなりません。
そのなかで、一生懸命になれる何かが必要で一生懸命やれば、
楽しくその時間を使うことができると思います。
その楽しい仕事の積み重ねこそが大事なのであって、
それに比べればどこの企業に入るはということは大した問題ではないです。

今の時代は、情報があふれているせいで、
若い人たちは頭でっかちになっている印象がありますが、
目の前の仕事をまず一生懸命やってみるようにしてほしいと思います。
好きじゃなかったけれど意外とやってみたら楽しかった、
ということはよくありますよね。
まず試してみることで、自分にとっての楽しさも見つかっていくでしょう。