代表取締役 前川 博文
設立 | 2002年3月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.neuronet.co.jp |
小学校の頃から社長が夢だった
子供の頃から起業の意志は大いにありましたね。
よく小学校の作文で、将来の夢を書けと言われるじゃないですか。
野球選手とか、電車の運転手さんとか皆書くわけですが、
私は「社長になりたい」とその頃から書いていました。
父親影響が大きいと思います。
高校から大学にかけては、松下幸之助とか、本田宗一郎とか
いろいろな実業家の本を読みあさっていました。
本田さんであれば安い良いバイクを作りたいと、
自転車にモーターをつけるところからスタートした。
松下幸之助さんなんかは丁稚奉公から苦労されている。
そのような人生を本で知って、憧れていました。
大学では工学部に進学。
社長になりたいなら経営学の勉強じゃないのかと思われるかもしれませんが、
経営というのはそんなに狭い専門的なことではないんですね。
本田さんなんかもですし、そこに加えて経営的センスを身につけていたわけです。
私自身も工学的なことにすごく興味がありましたし、まずはその勉強をしようと思いました。
大学、企業での経験から学ぶ
大学では勉強の傍ら、サークルでのバンド活動に熱中していました。
プロのミュージシャンでもしないようなツアーをして回ったりもしたんです。
そのときには私が部長となって、
楽器代や渡航費、会場代などをメンバーと稼いでいたのですが、
ある意味でそれ自体が会社のようなものでしたね。
投資はしないけれど、サークルという会社を経営していた。
そのような経験は今でも活きていると思います。
卒業後はある1部上場企業に入社し、エンジニアとして働いていました。
私としては、その会社に入っておいてすごく良かったなと思っています。
というのも、その会社は周りから「野武士のようだ」と言われるような、
社員ひとりひとりの独立心が強い会社だったんですね。
営業においてコミッション・セールスという制度が残っていて、
各々が個人事業主として自主自営しているわけです。
そういう独立の気風がある会社にいられたことは、
そのあと自ら起業するにあたっても非常にプラスになっています。
この会社では自分を律するという意味での「自律」の感覚も鍛えられました。
朝は自分で食事を作ったり、そういう生活のリズムを整えながら、
仕事もきちんと管理するというような規律が自分の中に根付いていたので、
いざ起業するとなったときも、生意気かもしれませんが、同じようにやってこられました。
独自のウェブ会議システム『SaasBoard』
弊社事業のひとつの柱になっているのが、
独自のウェブ会議・テレビ会議サービス『SaasBoard』です。
ウェブ会議システムは近年、多くの企業に導入されはじめています。
異なる場所にいる人間とウェブ上で話し合えるこのシステムによれば、
まず移動にかかるコストを削減できますし、
移動時間のムダも減らせる分だけ、生産性の向上も望めるからです。
各社から続々とこのようなサービスは提供されていますが、
その多くは組織・企業の内部でのみコミュニケーションが可能な、
いわば「会議室型」のシステムであるにとどまっています。
これでは、事実の周知徹底という従来の会議のあり方まで変えることはできません。
我々が『SaasBoard』を通じて実現したいのは、ただ会議室をウェブ上に移すことではなく
働き方にもっと根本的な変化を起こすことなんです。
個人がそれぞれの力を発揮しながら有機的にコラボレーションできるような、
新しいビジネスのあり方を提案したいと思っています。
個人を基本単位として活発な意見交換ができるようにするために、
『SaasBoard』ではまず個人や組織ごとにIDを設ける構造を採用。
加えて無制限の収容人数、いつでもビデオミーティングできる即時性、
考えをビジュアルで表現できるWebボード機能、
プレゼンが快適に行えるデスクトップ共有機能など、
円滑なコミュニケーションのための数多くの機能を提供しています。
また、OSやブラウザに依存しないシステムですので、
たとえばWindowsユーザとしかウェブ会議をできなかったり、
その場にPCがある人でなければ参加できないというようなことはありません。
スマートフォンとPC、スマートフォン同士でもコラボレーションが可能です。
場所や国、あるいは企業をまたいだ個人のつながりを支援し、
創造的な場として使うことが出来るのが『SaasBoard』なんだということは、
他社製品に対する強みとしてもアピールしたいですね。
ウェブ会議から世界が変わる
今言ったのは「働き方」に変化を起こしたいということですが、
もっと突っ込んでいえばそれだけにはとどまりません。
テレワークやウェブ会議の仕組みが広まることは、
世界のあらゆる局面にとってメリットがあると思うんです。
たとえばエコロジーの観点からみても、移動を減らすことによって、
移動手段にかかるエネルギーの消費を少なくできるし、CO2も削減できます。
それから資材の消費もカットすることができますね。
弊社のサービスを使えば、仕事の場所はどこでもよくなるわけですから、
そのためのオフィスビルを作る必要がなくなります。
東京などにはビルが数えきれないほど建っていますが、
その内のいくらが本当に有効に使われているかは疑問ですよね。
その建設に使われる鉄鋼やセメントといった資源のロスを、
これによって食い止めることができます。
私はこの事業が、そのような大局的なビジョンに必ずつながると考えているんですよ。
未来の人々も資源が使えるような環境を残していくためには、
現在のオフィスと仕事、そして都市のあり方を変えていくことが必要です。
そしてこの軸から、東京への一極集中の緩和、地方の活性化など、
社会的な問題の解決策も導き出されていくと思うのです。
また、そういうマクロなビジョンだけでなく、個人の生活にとっても、
「通勤できないから仕事できない」というような不便は解消しますし、
要するにいいことづくめだと思うんですね。
だから私は、このサービスを通じて世界を良い方向に変えられると強く思っています。
今後の予定、求めたい人材
今年の1月からはアメリカのシリコンバレーに進出する準備をはじめました。
日本では去年くらいからやっと事業に火がつきはじめたのですが、
アメリカは何しろ国土が広くて、移動が大変なために、
何年も前からオンラインでの仕事という考え方が広がっています。
だからこの事業を広げる上でも、より優位に展開できるはずだと考えています。
近いうちに向こうに会社を立ち上げるつもりで、
その暁には私もアメリカに住もうと予定しています。
日本の社員との連絡もウェブ上でできるわけですから、同じことです。
求める人物像というと、やはりベンチャースピリットを持った人がいいですね。
ベンチャースピリットというのは、最初に言ったように、
2つの意味での「自立」と「自律」をできるということ。
学生から社会人になってしばらくは、経済的には自立できないかもしれませんが、
マインドとしては常に自分を律していて欲しいと思います。
自立/自律しているということは、つまり当事者意識があるということです。
仕事でも生活でも、すべてを自分の責任においてやっていくという意識がある。
そういう人にこそ仕事を任せたいし、一緒に働いていきたいと思っています。