代表取締役 南 宗孝
設立 | 2002年10月1日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.4thwave.co.jp/ |
海外で学んだ人生の歩み方
私は高校時代の1年間を、交換留学生としてオーストラリアで過ごしました。
たった1年だけなんですが、
高校生の少年が過ごす1年は、大人にとっての1年よりもずっと長いものです。
私にとって、このときに知った欧米の人生観や職業観は、
それからの人生を歩むうえで大きな意味を持つものとなりました。
そこにあったのは、日本で当たり前とされている人生とは全く違う、
「人間として人生を楽しむ」という本意にかなった充実した人生の歩み方で、
それを垣間見るうち、自分も同じような環境で充実した生き方をしたい、
という憧れを自然に抱くようになったのです。
だからその頃は、将来は海外で仕事をしよう、と強く思い定めていました。
大学卒業後、まず都市銀行に就職したのも、
海外支店の多い企業で働きたいという気持ちからでしたし、
銀行では、英語の評価を頂いて外国為替の仕事を担当させてもらっていました。
その後、銀行を離れて小売業界に転職したのですが、
この会社もまた、輸入インテリア・雑貨を扱う業者でした。
とにかく、どうすれば海外で仕事できるか、
ということを第一に考えて仕事を選んでいましたね。
IT化の波の到来
小売会社では、初めはバイヤーを担当していたのですが、
やがて小売店舗のひとつに配属されることになりました。
このことが、現在まで続けているビジネスを始める契機になったといっていいでしょう。
当時は、世の中がIT化していく最初の時期であり、
配属された店舗で、私はバイヤー職の傍らIT導入の仕事に関わるようになったのです。
具体的には、それまで全てアナログで行っていた商品管理を、
全国の店舗に先駆けて私が担当した店舗から
商品単品管理システム、いわゆるPOSシステム導入によってIT化させる担当者でした。
ここで目の当たりにした
コンピュータによる商品・販売管理システムによるマーケティングのあり方には、
本当に驚かされました。
それまでは、「感覚」だけで進めていた商品戦略が、
綿密な数値に基づいた分析によってできるようになったんですから、大進歩ですよね。
私も、POSレジ機器を取り入れた業務を行ううちに、
情報社会というものはこういうものなんだ、と興味が深まっていきました。
それと同時に「これからはITの時代だ」と身をもって実感することになり、
次の歩みへとつながっていったのです。
何度もの転職を経て独立
3、4年間会社に勤めたあと、そのITの仕事を中心にしていこうと、
今度はある運輸会社のシステム開発・管理を行う子会社に転職しました。
こちらの会社での私の仕事は、東京本社従業員はもちろんのこと、
全国各地の営業所を回って、社員にパソコンの使い方を教えることでした。
自分自身がパソコンについては素人だったのですが、一生懸命覚えて指導しました。
のべ1万人には教えたんじゃないでしょうか。
契約社員という雇用形態だったのに、社長賞を貰ったこともあったんですよ!
やがて、またその開発会社の子会社から正社員にならないかと誘いを受け、
ここで初めてシステム開発を本格的にすることになりました。
現在弊社が専門とするクルーズ旅行業務のシステム構築も、
この会社で初めて関わるようになった仕事です。
タイミングを見計らってこの会社を辞し、独立したのは、2002年のことでした。
ドッグイヤーという言葉が目に付き始め、IT産業がいよいよ混沌としてきた時代で、
ビジネスチャンスを感じずにはいられなかったのです。
創設当初は、自分が勤務している会社の社長、
そして、今も、お客様である社長様にも、
自分自身の独立についてのお願いをして弊社の現在があります。
本当に、お客様皆さんに育てて頂いて、
だんだんと、仕事の幅も広げれれるようになってきたのです。
「いいモノ」を作り、探し続ける
システムという「モノづくり」をしている会社として、私が最も大切にしているのは
世の中に必要不可欠な「いいモノ」を提供していくことです。
水っぽい流行を追って、そのときどきだけの時流に合わせて作っていくよりは、
「これは絶対に必要だ」と言ってくれる人がいて、
世の中にずっと残っていくようなモノを作っていく人間、企業を目指したいのです。
たとえば、クルーズ旅行のコンピュータ・システムというのは、
独特の業務、またそのルール・外国為替の扱いに関する知識なしで運用するのが難しいものですし、
さらに近年のマーケット拡大傾向のなかで、扱うデータ量は膨大化しており、
コンピュータ・システムは重要度を増してきていると思います。
このようなサービスを通して社会と関わっていきながら、
自分のこだわりが世に出て役立つというのは、
一番幸せなことなのではないでしょうか。
ただし、一方で存在する現実としては、
どんなサービスが世の中で価値を認められるかは、予測し切れない、ということがあります。
むしろ一生懸命作っても認められなかったり、
例え、それが的を得ていても、
社会では、経済的価値を見出してもらえないことも数多くあると思いますし、
それが、普通ですね。
たとえば弊社では以前、花卉業界のお客様と連携して特許を取得しているんですが、
なかなかその特許は仕事につながっていなかったりもします。
しかし、だからこそ、私たちのような中小企業は、
次々に新しいことを提案し続ける必要があるんだと思いますね。
ただでさえ認められる価値づくりにおいては、成功の確率は、非常に低く、
せっかくのタイミングを逃してしまわないためには、
アイディアの手を休めないことしか方法はないというのが私の考えです。
若い世代の発想の素晴らしさ
弊社では、今後ウェブ系のサービスもやっていきたいなと考えています。
その際には、企画段階から若い世代の方々に参加いただいて
いろいろな切り口からサービスの案を練ってもらう必要があると感じていますね。
というのも、
経験からの発想も時には、陳腐なモノになってしまう恐れがあるからです。
現在インターンの学生さんなども募集しているのは、
ウェブサイトの楽しさを感覚的に表現できるように、
若い感覚で企画やサイトそのものを作ってもらいたいという思いがあるんですよ。
生まれた時からインターネットがある世代となると、
我々の世代とはウェブに対する感覚が違う点も多くあると思いますしね。
そのためにも、求めたいのは、
新しい必要とされるビジネスを見据え、創出できる人です。
それから、従来ある枠自体を取っ払って考えられる人。
「ベンチャー企業」とは定義が難しい言葉ですが、
枠自体を取っ払って、一から考えられるということが、
ベンチャーや中小企業の大きな意義だということは、間違いないわけですから。
起業では、タイミングと自分を洗練させる経験がカギ
学生の皆さんには、いろいろな職場でいろいろなアルバイトをしてみて欲しいですね。
仕事での経験を通じ、自分の頭にない考え方に触れることによって、
はたして自分の見方、理想が正しいのかを見極められるようになりますよ。
頭でっかちな考えだけでない、経験則のようなものを持っていることは、
仕事で大人と渡り合うときに大事になってきます。
企業のシステム構築に際しての例を挙げれば、
どうしてもその会社の経営に踏み込んだ提案をさせてもらう場合が多くなるのですが、
そのときの言葉が経験の裏打ちのない、机上の空論だったならば、
クライアントにはその提案も届きにくくなってしまいますよね。
経験から語れるということも、交渉能力として必要な力の一つですね。
それから特に起業を目指している学生さんには、
タイミングが大事、ということを伝えておきたいです。
ただ旗揚げしたいという意気込みだけでは駄目ですよね。
人生には人それぞれ、いろいろなタイミングがあると思います。
自分を信じて、それぞれの機が熟したタイミングで起業する、
そして重要なことは、努力とアウトプットを続ける事、
このことには慎重に臨んで欲しいものです。