代表取締役社長 代田 博文

代表取締役社長 代田 博文

設立 2007年4月
事業内容
    • 医薬品並びに医療機器の開発・申請・承認取得・輸入・販売事業
    • 医薬品並びに医療機器の開発に関わる臨床試験受託業務
    • 医薬品並びに医療機器の開発に関わる検査、研究評価の情報サービス
    • 医薬品並びに医療機器の開発に関わる教育研修事業及びコンサルティング
    • 労働者派遣業法に基づく労働者派遣事業
会社HP http://www.clio-science.com

理系一筋

とにかく理科が大好きでした。
その理由は理科好きな父親の影響。
小さな時からずっと「ビルの中で野菜が栽培される日が来る」だとか、
「携帯用の電話ができる時代が来る」ということを聞かされて育ってきました。
だから自分が大人になる時にはきっと面白い世界になっていると思っていましたね。

さらに父は「子供の科学」という本を私に買い与えてくれ、
小学校に上がる頃には自分が教える理科実験室に連れて行ってくれました。
そんなこんなですっかり理科が好きになってしまった私は、
小学校高学年の頃にはラジオを自作するほどに。
最初に作ったのが鉱石ラジオで、次はST管を使ったラジオ。
父が色々な資材を持ってきてくれたので、よく作りましたよ。
好きなことを思いっきりやらせてくれた環境に身を置けたことは本当に有り難かったですね。

中学に入ると理科クラブに所属。
責任者まで務めました。
そのまま大学進学時ももちろん理系。
特にDNAの勉強が印象に残っていまして、
当時ワトソン・クリックが発見した最新の内容は非常に面白かったですね。
今でも昨日のことのように、鮮明に覚えていますよ。

充実した30代

大学を卒業した後に選んだ就職先が製薬会社。
製薬会社を選んだ理由は給料が高かったことと、外資系だったので週休2日制だったこと。
土日を使って色々なことに挑戦してみたかったのです。

当時は起業するという考えは持っていませんでした。
しかし、働くことと並行して「何かやりたいな」という考えはずっと持っていました。
30代後半の時にはコミュニケーションツールを作ったり、お手伝いをする企画会社を作ったりするなど、
休日にも本業以外の仕事をしていました。
ところが、本業の方が忙しくなり、続けるのが難しくなってしまい、
その会社は人に譲る形になってしまいました。

製薬会社では臨床開発を主な業務としていました。
その内にプロダクトマネージャーとなり、
開発された医薬品を売るための販売計画や戦略・戦術を考え、他者の製品に差をつけるために
いかに優位性を見出すかということを考えていました。

優位性を見出すためにはとにかくデータ収集です。
臨床試験を色んな病院にお願いしてデータを集め、その製品用のパンフレットも何種類も作成しました。
どうやったら特徴を捉えた表現ができるか、営業マンが推せるトークをどう準備するか、
資材をどうやって調達するか。
売るために色々考えなければいけませんでしたが、この時が一番充実していましたね。
30代は体力もありますし、仕事に没頭できる貴重な時期ですから、
社会人の方には肝に銘じていてほしいですね。

がん領域でNo.1世界を視野に

事業内容を簡単に説明すると製薬会社が開発する医薬品を受託して臨床試験を行っています。
そして我々が行っている分野は主にがん領域の仕事です。
がんの新薬、関連する薬剤を中心とした仕事を行っているのです。

ご存じの通り、日本人の死因第1位はがん。
およそ2人に1人ががんによって亡くなると言われています。
そしてがんは肺がん、胃がん、大腸がんなど、たくさんのがん腫があります。
これに対して製薬会社は黙っているはずがなく、各社力を入れて開発を進めています。
そこで弊社がそういった業務を一括受託し、1日でも早く申請されるようお手伝いをしているのです。

同じように臨床試験業務を行う会社は50社ほどありますが、
がん領域に特化してサービスしているという点ではトップクラスに入ると思います。
特に昨年から始めた画像解析業務に関しては専門性が高く、多岐にわたります。
専門的に取り扱っている会社も数社あるのですが、
このCROという分野を扱っているのは弊社含め3社ほどしかありません。

さらに海外の協力会社と提携して力を入れているのは「グローバル治験」。
今までは国内だけで治験を行いデータを集めていたのですが、
近年では韓国、中国、シンガポールなどでも治験を行っていて、
より多くのデータを集めることができるのです。
こうして多くのデータを集めて、より一層がん根絶のために役立てていきたいと考えています。

急成長!育薬ベンチャー

この分野は大手企業では取り扱っている会社もあるのですが、
中小・ベンチャー規模で弊社と同じように一括受託して全てできる会社は少ない。
弊社では治験の相談から始まり、
プロトコールを作るメディカルライティング、データ収集、モニタリング、DM統計、申請資料作成まで
一貫して行えるのが最大の強みです。
ところどころを行える会社はあるのですが、
すべて一貫して行える会社は少ないので、スピードとコスト面で他社に比べ有利です。

当然、大手企業がライバルになってきますし、IT化への対応という課題も残っていますので、
決して安穏としていられる状態ではありません。
他社との差別化をより強くするため、各分野のプロフェッショナルなスタッフを育てあげ、
より精度を上げていくことは必要不可欠です。
特に仕事の7割はモニタリングですから、
モニタリングができるようになるまでしっかり育てることに力を入れています。
入社後実際にプロジェクトメンバーとして参加できるようになるまでは約1年かかります。
その間研修や勉強をしっかり積み重ね、
一人前になってからようやく実務に入ることができるような感じです。

風通しのよい社風

どんな仕事でもそうですが、人がいての仕事。
先ほどしっかりとした研修を行って人を育ててからメンバーとして参加させるという話をしましたが、
やっぱりいい仕事というのはいい人間がするものだと思います。
だから企業として繁栄していくためにも大事なのは、
どれだけいい人材を集めるかと言っても過言ではないと思います。

個人的に好きな色は青色なのですが、
社内は風通しが良いことと職場が明るいことが大事だと思っているのでミドリを多くしています。
良い人材を集め、育てていくことが大事だと先述しましたが、
人と人の出会いもとっても大事だと思っています。
自分のピンチに助けてくれる人がいたり、アイデアなど救いの手をさしのべてくれる人がいる。
そして、他の人が困っている時には今度は自分が助けてあげる。
こうした「持ちつ持たれつ」の関係、助け合いの精神が人間社会でもっとも大事なことだと思っています。

新入社員の意見を取り入れることもあります。
その一つが1人の新人に対し、入社2年目の先輩がつく、チューター制度。
これは新入社員の不安を取り除く効果もあり、
2年目の社員には先輩としての自覚も生まれるという相互作用があります。
この制度をやりたいと提案してきたのが、入社2年目の社員でした。
聞けば自分が入社した際右も左も分からない状態でとても不安だったからというのです。
そこでこの制度を導入し、不安を払拭すると同時に先輩としての自覚を育ませるという狙いです。

さらに入社2年目の社員にはフォローアップ研修を設けており、
この会社での目標を発表させることで意識づけを行っています。
この他にも普段、朝礼を行わない代わりに年2回全社員の前で目標を発表させるなど、
意識づけと共にプレゼンの練習も兼ねています。
こういった取り組みのおかげか、社員同士の結びつきは強く、飲みニケ-ションも盛んに行われています。
私も声をかけてもらったらできるだけ参加するようにしており、社員との距離感を大切にしています。

人生を楽しむためにも英語!

今の若い人の見ていると我慢のなさというか、忍耐力の欠如が目立つような気がします。
嫌なこと、苦しいことが目の前に起こると
そのものから逃れようとしてすぐに辞めてしまう、諦めてしまう。
若いうちに我慢する能力を身につけておけばその後の人生でも大変有利になるのに、
とてももったいないと思います。

「石の上にも三年」という諺がありますが、
1年で目的もなく仕事を辞めてしまう人は、ずっと同じ道を歩いてしまうケースが非常に多い。
最初は我慢して怒られてもいいからやってみる。
そこで怒られたから辞めるのではなく、我慢するのです。
仕事や人間関係では嫌なことはたくさんあります。
それを一つ一つ乗り越えていくことで人間は成長していくものです。

そして大事なのはコミュニケーション能力。
有名大学を出ていて偏差値は高いものの、
実際に会って話をしてみるとコミュニケーション能力に乏しい人がとても多い。
多くの人と交わり、会話をすることはとても大事です。
そしてこれからはグローバル化がどんどん進んでいきますから、
話す相手も日本人だけにとどまらずたくさんの外国人の方と会話をしてもらいたい。
その手立てともなるのがやっぱり英語ですから、
ビジネスだけでなく、プライベートの世界をも広げるためには英語は勉強しておいた方が良いでしょう。

そして社会人になったら指示を待つだけでなく、提案することも必要です。
「コミュニケーション・我慢・創造性」、この3つがあれば立派なビジネスマンになれます。
若い人にはこの3つのことを守り抜いてもらって、立派な社会人になってくれることを願っています。