代表取締役 山田尚貴

代表取締役 山田尚貴

設立 2009年2月9日
事業内容
    • WEB サイト上でユーザー参加型の多言語翻訳サービスを展開
会社HP http://any-door.com/
海外ニュース https://conyac.cc/ja/reshares
翻訳サービス https://conyac.cc/ja

きっかけは一冊の本

私は学生のとき、アメリカの大学で起業経営学という特殊な専攻をしていました。
そのため周りには既に起業をしている者も多く、
起業するのはそれほど特別なことではないと考えていました。

もともとアメリカの大学に行こうと決めたのは高三の夏の時で、
それまでは普通の受験生らしく、
予備校に通って適当な大学に進学しようと思っていました。
きっかけは予備校前の時間つぶしに入った書店で、
ふと手に取ったある留学情報雑誌でした。
そこで特集されていたアメリカの大学の授業風景を見て、
すっかり私は虜になってしまったのです。
「絶対ここに入ってやる」と決め、
その足で本来授業を受けるはずだった予備校に行って辞める旨を通達し、
海外留学に向けて様々な準備を始めました。
全てはその一冊の本から動き出したと言えるでしょうね。

そういった経緯なので、初めから社長になりたいと思っていたというよりは、
自分のやりたいと思うことをやっているうちに社長になっていたという感じですね。

留学後、エンジニアとしての就職を経て起業へ

留学を終えて日本に戻ってきた時、
すぐに起業するという選択肢もあることにはありました。
しかし当時はまだインターネットが出始めの頃であり、
その技術力がないと絶対にやっていけなくなる時代がくるだろうと私は踏んでいたので、
私はまずその技術を身に着けようとエンジニアとして企業に就職しようと考えました。
元来私は文系だったのでエンジニアの素養などは無いに等しかったのですが、
やっているうちにそれなりの技術は身に着いたように思います。

さらに、海外留学経験者だというので私は様々な書類の翻訳を任されることもありました。
そうした中で翻訳ということにある程度の需要が存在することに気付きました。
もちろんそれで翻訳がビジネスとして成り立ちそうだという考えが起こったのもありますが、
なにより私自身がそういった翻訳のサービスがあればいいなと思ったので、
私は当時の同僚数人と共に今の会社を立ち上げました。

スピードとクオリティの両立

私たちが提示する翻訳の価格というものが非常に破壊的なものであるとよく言われます。
しかしそれはそもそも会社立ち上げの動機が
「自分たちが欲しかったから」
ということであったので、
価格も自分たちで払えそうな額になったにすぎません。
私たちが一番重視しているのはスピードとクオリティの両立です。
今は法人向けの翻訳サービスがメインになっているのですが、
依頼者様からしてみれば私どもの仕事が早いか遅いかというのは
非常に大切な問題です。
というのもビジネスの場においてはスピードが何よりも大切で、
一瞬遅くなったために大きな取引のチャンスを逃すということも多々あるからです。
もちろんクオリティに対しても同様です。
ビジネスに誤解があってはなりません。

そうした依頼者様のニーズに答え得る
一定のスピードとクオリティを保ちかつ向上させていくために、
私どもは翻訳者同士で相互評価をさせ、
それに基づいて翻訳者を評価するというシステムを採用したり、
ダブルチェックを徹底したりといったことをしています。

世界へ

今後達成すべき一番の目標は、
我々の翻訳サービスが世界中から使われるようになることです。

そのためには世界各国に人材がいないといけません。
現時点で既に弊社に登録されている翻訳者は世界各国にいるのですが、
それだけでなく本社採用についてもできるだけ外国人も多く採用することにしています。

その上でさらに我々の提供する翻訳の品質が
一般法人問わずご満足いただけるものになるよう
絶えず努力しています。

結果として今も少しずつ現地の企業からの翻訳依頼が増えています。
目標は遠いようですが、
我々は目標に至るための道を今なお歩みつつあることを確信しています。

求める人物像、スキルより人間性を

求める人物像ということにつきましてはひどく感覚的になってしまうのですが、
一緒に働きたいと思えるような人間と我々も働きたいと思います。
その際、スキルはあまり重要視しません。
もちろんスキルがあるに越したことはないのですが、
私自身エンジニアとしては素人も同然であるのにも関わらず
エンジニアとして採用された後、
一生懸命勉強し努力していく中で
それなりのスキルを身に着けることが出来たという経験がありますので、
いくらでも後付けできるスキルよりも
その人自身の人間性、つまり学習意欲および学習能力、向上心、
それから適応力のある人間である方が
我々としても非常に魅力的な人材と言えるでしょう。

やりたいことをやる

起業というのはあくまで選択肢の一つに過ぎないと私自身は考えています。
よく「起業」という言葉に執心しすぎるあまり
自分の本当にやりたいことが何なのかということを考えない人がいますが、
そうなっては本末転倒です。
自分のやりたいことが起業によって達成しうると考えるのであれば
それはもちろん起業すべきなのですが、
そうでないなら起業せずに就職するというのも
大きな選択肢として考慮すべきです。

何をやればいいのかわからないというなら、
とりあえずなんでもやってみると良いと思います。
無駄な経験なんてものはありません。
とりあえず目についたものをやってみて、
それで嫌なら嫌で辞めてそれ以外のことをやればいいですし、
案外気に入るということもあるかもしれません。

やりたいのでなければ続きませんし、創意工夫も生まれません。
やりたければやれ、というのが私の信条です。