代表取締役社長 吉田浩一郎
設立 | 2011年11月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://crowdworks.co.jp/contact.html |
マイナスからのスタート
学生の頃に経験した演劇での失敗。
これが、全ての始まりとなりました。
小さい時から役者を目指していた私は、
大学で役者ではなく演出の素晴らしさを知ることとなります。
音楽や照明、その他様々な異なるものを組み合わせる事で、一つの物を作り出す。
その様な点で、この演出というのに大きな興味を抱いていたのです。
しかし、その演劇の契約での失敗から大きな借金を抱える事となります。
それから新卒として社会に出る事になるのですが、
大きなマイナスからのスタートとなりました。
当時意識していたのは演出的な役割。
なる要素を組み合わせ一つの方向へ導くということを社会の中で行えないか、
と模索していましたね。
入社した会社では、営業の中でも「ルート営業」と言われる、
決まった人に定期的に営業を行うスタイルで仕事をしていました。
そこでは関東で一位を取るまでに上り詰める事が出来たのですが、
当時の私は更に進んだ営業を行いたいと考えるようになっていたのです。
「やりたい事」から「向いている事」
ルート営業から脱却し、新規営業がしたい。
トップ営業マンが集まるような場所で働きたい。
この二つの想いが重なり、私は転職をする事となります。
転職先は展示会の企画設営等を行う会社。
学生の演劇では1万人の人間を集めることなど、到底不可能です。
かつての自分が不可能であったその動員を、企業はどの様な方法で達成するのか。
その様な所にも興味がありましたね。
この仕事では最初の企画からお客様に届けるまでを、全て自分たちで行うという、
ある意味演劇にも似た体験ができ、とてもよい経験になりました。
ここでの経験で、異なる視点を手に入れることが出来ました。
それは「やりたい事」ではなく「向いている事」で仕事を選ぶという考え方です。
学生の時分はどうしても、やりたい事を行うという所に重点を置いていましたが、
自分が元々やりたかった演劇的な仕事と、自分に向いている営業の仕事。
これを組み合わせたときのパフォーマンスに気付いたのです。
臆病であること
こうして振り返るとスタート以外は順調そうに見える私の経歴ですが、
大きな壁にぶつかる経験もしています。
それはチーム力やマネジメント力の不足です。
社会人経験の中で、営業力はそれなりに身に付けてきたつもりですが、
それ故かどこか人を軽んじるところがあった。
これが壁にぶつかる要因となるのです。
私がいまも意識している事に「臆病であること」という物があります。
かつて営業に行った先で、
社長さんに「吉田さんは本当にプレゼンが上手だね」と声をかけられました。
一見褒め言葉にも取れる台詞ですが、ここには大きな間違いが潜んでいます。
褒められたのは私のプレゼンであって、商品ではないのです。
つまり、私が行っていたのは自分のプレゼンを、
あるいは自分自身をアピールするという事に過ぎなかったのだと言えます。
相手がどう思ったのか、それが良い感情なのか悪い感情なのか。
それを意識するうえで大切なのが「臆病であること」です。
これに気付いて、相手を軽んじる姿勢から脱却できた時、
次なる成長のステップが見えてきたのではないかと思います。
インターネットの可能性
「臆病であること」を学んだ私は、
その後事業の立ち上げを任される立場へとなります。
展示会をはじめから任されるようになったのです。
しかし、今度は会社作りにも関わっていきたいという想いが生まれてきました。
当然会社作りなど経験もありません。
そこで、まずは足りない知識を仕入れ、学ぶ事を始めました。
様々な会合に出席し、人と接することを続けたある日、
とあるオンラインゲームを知りますが、これが転機になります。
そのゲームの中では、人が助け合い、友情や信頼を育んでいたのです。
今まで、インターネットを人とのつながりに使う事に否定的だった私は、
まさに衝撃を受ける事になります。
インターネットの向こう側には新しい世界があり、
人はそこで新しい交流を生んでいたのです。
インターネットの可能性に気付かされた私は、
とある縁からインターネットを介したビジネスで企業の上場を手伝う機会を得ます。
そこで、全く無知であったインターネットについても学ぶこととなるのです。
心から「人のために働いています」と言う
皆さんは「人のために働いています」という経営者の言葉を聞いて、
どの様な印象を受けるでしょうか。
私が若かった頃、ひどくこの言葉を疑っていたことを覚えています。
ただの飾った言葉にすぎない等と思っていましたね。
しかし、クラウドワークスを立ち上げる段階になって、
人の役に立つことをしないと、何よりも自分が幸せになれないという事を実感するようになりました。
中身が伴わない「人のために」という言葉は見抜かれてしまうものなのです。
これを夏休みの宿題に例えましょう。
二学期が始まって先生が宿題を集めますが、未だに終えていなかったとします。
それでも「終わっているので、明日持ってきます」なんて嘘をつく。
そして、また次の日も、さらに次の日も同じ嘘をつく。
「じゃあ明日ね」なんて声をかけてくれる先生は、この嘘を見抜いていないのでしょうか。
当然そんなことはありません。
これと同じで、経営においても嘘は通用しないのです。
富や名声の為に付いた嘘はばれるもの。
本当に大切なのが人と人のつながりだと気付いた私は、
当時持っていた資産を人のつながりを生む事業に投資することを決めたのです。
こだわらないで何でもやる
「働く」を通して人々に笑顔を。
これが弊社で意識している理念です。
これからの時代、機能という意味でのインターネットサービスにおける差別化は難しくなっていきます。
お客様の体験こそが差別化できる唯一の価値観であり、
どれだけの人々を幸せにできたかで企業の価値が決まる。
そんな時代がやってきているのです。
でも、私自身、こうした価値観や想いを、常に抱き続けてきたわけではありません。
社会人としてのスタートから社会経験を経るなかで、価値観は変わり続けました。
そうしたことを振り返ったときに、学生の皆さんに問いかけたいのは
皆さんは、一つの価値観に縛られてしまってはいないでしょうか? ということです。
私は、若いうちに価値観を固定してしまうのは、マイナスに働くと考えています。
自分自身を決めつけずに、常に変化し続けられるようにする。
そして、こだわらずに何でもやってみる事。
成長し続けるためには、これが大切なのではないかと思いますね。