代表取締役 川口 環
設立 | 2001年8月 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.j-tips.co.jp/ |
今までと本気で何かが違う!と思わせたインターネット
大学を卒業後、私は某大手メーカーに入社しました。
当時はバブル時代終焉の頃でしたが世の中は活気があり、就職戦線は超売り手市場。
皆がそこそこ名の知れた大手企業に就職ができる時代でした。
私もご多分に漏れずその流れに乗り、
入社後は会社に忠誠を尽くす愛社精神の高い会社員だったと思います(笑)
この頃まだ私には、起業をするという考えは一切ありませんでした。
転機となったのは、職場でPC化が進みインターネットを使用するようになった頃です。
私は、会社で新規事業立上げに携わる部署に所属し、
事業の販売企画や市場調査などを担当していました。
現在の私の仕事とは必ずしも直結しない職種です。
ある時、市場調査でインターネットを使ってアンケートを実施してみようという試みがありました。
今ではネットを使ったアンケートなんて当り前のことですが、当時私の部署では初の試みでした。
それまでシンクタンクに頼んで1回100万円程度で1ヶ月以上かかっていたものが、
やってみるとわずか一晩で1,000件以上の回答を集めることができました。
しかも実質費用は無料。
朝出社をして、そのことを知った時、本当に鳥肌が立ちましたね。
‘今までとは何かが本気で違う!‘感じた体験でした。
そして、私は会社を辞めました。
インターネットビジネスをやりたい!
と思ったからです。
ただ、やりたい!という気持ちで始めたフリーのプランナー
起業をする1年間程前は、フリーのプランナーとして仕事をしていました。
‘フリー‘という響きに憧れていたのでしょうね(笑)
その頃もまだ、起業をするとか社長になるとかいう考えはなかったと思います。
それと同時に仕事もありませんでした。
インターネットビジネスをしようと考えたのですが、
ただ何かやりたい!と思っただけで、
まったく無計画だったんです。
会社を辞めた翌日のことを今でもよく覚えています。
昼までぐっすりと寝て目が覚めたら、テレビで「笑っていいとも!」がやっていて、
平日なのに遅めのブランチ。
番組を見ながら、‘これがフリーの生活かぁ~!‘なんて
その自由さにワクワクしました。
ただ、そのままダラダラしながら夕方になったら、
何だか急に寂しくなって不安になりました。
だって、仕事もそのあても何もない訳ですから。
翌日、会社員の頃の取引先の人から、
会社を辞めた私を心配して、電話がかかってきました。
そして食事をしながら、
私がやりたいインターネットビジネスのことを一生懸命話したのです。
そうしたら、そのような仕事を‘ネットのプランナー‘っていうんだ、と教えてくれて・・・
そしてまた翌日、私はプランナーという肩書入りの名刺をつくりに行きました。
その後は、名刺を持って飛び込み営業を繰り返し、
何度も何度も断られました。
何せ、プランナーとしての経験も実績も一切ないわけですから。
ただやりたい!という気持ちだけです。
でも、そんな私を「おもしろい!」と、言ってくださる人もいました。
わずかながらもそういった人からの紹介で、
少しずつ仕事が来るようになったのです。
やり続けることが、社会的に意義のあるものになると考え
当社の主な事業はWeb制作です。
‘川上‘にいるということを意識する元請型のプロダクションです。
それは、お客様の生の声を直接聞きたいからです。
お客様からマーケティング目標やゴール目標を引き出し、
それを達成するためにはどのようにすればよいのか、
ということをお客様と相談をしながらかなり濃厚にやっています。
そして、8年程前から、いくつかの小さな自社Webメディアも始めました。
制作会社が自社でWebメディアを立ち上げることは当時から全然珍しいことではありませんでした。
でも、自社メディアってやってみるとわかるんですが、
事業としてなかなかうまくいかないことが多いんです。
育てるのにも一定の時間や投資が必要ですし、
ついつい受託案件を優先しておざなりになってしまいます。
そして売り上げがたたないまま放置状態になって
結局止めてしまうという流れが定番だったりします。
私たちはまずは「続ける」ことを大事に考えています。
そして、「続けられる」テーマを選んでメディアをつくります。
例を上げると「有料老人ホーム比較サイト」や「カーシェアリング比較サイト」など
まだ世の中で情報が充分に整備されてないニッチな市場です。
大きな儲けにはならないかもしれませんが、
その情報を必要としている人たちが確実にいて、
とても社会的に意義がある領域です。
大手企業が事業進出すること可能性も低く、
我が社のようなベンチャーには事業メリットも高い。
そのジャンルでNO1になることだって出来ます。
そしてNO1になれば、モチベーションもさらに上がり、それを続ける大きな原動力になります。
“折れない心と志”があれば生き残れるベンチャー企業
数年前までは、ベンチャー企業はコミュニケーション能力が高い人が良いとか、
自分の夢を明確に持っている人が良いなどという、
ベンチャーに向いている人物像というものがありましたね。
でも今は必ずしもそうではなくなっていると思います。
私のまわりでは多様なタイプの人がベンチャーで自分の居場所を見つけて、
その役割をしっかりと担っています。
私自身も前述したとおり、まったく持って無計画なところからスタートして、
初めのころは起業をしようなどという考えもなかったわけですが、
なんやかんや13年ベンチャー企業をやっています。
決してすべてが計画的に進んだわけでもなく、
いつも合理的な判断が出来ていたわけでもなく、
ガツガツと前のめりだったわけでもありません。
“折れない心と志”さえあれば、
ちゃんとベンチャーで生き残っていけると思いますよ。
あとは人との出会いですね。
フリー時代に机を貸してくれた制作会社の社長、
仕事を紹介していくれた広告代理店の部長、
一番最初の5.5帖の貸事務所を見つけてくれた印刷会社の社長、
法人設立の手続きをすべて引く受けてくれた税理士先生、
お金の無いときに食事をご馳走してくれた友人。
私はとにかくまわりの人に恵まれ助けられました。
そういった諸先輩方にしてもらったことへの恩返しの意味で、
今度は私が若い人たちを手助けしたいと思っています。
「ぶれない志」と「まわりの人を大切にする気持ち」
もし、起業したいという強い気持ちがあるならば、
どんどんやってみればいいと思います。
終身雇用でひとつの会社に添い遂げるという時代でもありませんし、
働き方もますます多様化しています。
そして、何よりもたった一度の人生。
後から悔いのないように挑戦すればいいと思います。
あまり肩ひじ張らずに、まずは第一歩を踏み出すことが大切です。
もし起業してうまく行かなかったときは、
また別の会社に就職するも良し、
タイミングをみて再チャレンジするも良し。
若いうちは何度失敗しても大丈夫ですよ。
大きな負債を抱えてまわりの人に大きな迷惑をかけることはよくないですが、
身の丈に合った範囲でやればいいと思います。
特にIT業界は、参入障壁も少なく、大きな設備投資もいらない超エコノミー・システムです。
はじめようと思いったらすぐにはじめられます。
ただ最低限「ぶれない志」と「まわりの人を大切にする気持ち」は必要です。
事業をやる限りはもちろん収益を追及しなければなりません。
でもお金だけじゃない何かを持っていなければ、
経営はぜったいにうまくいきません。
私のまわりの成功者は、皆そんな熱いハートを持っています。
さあ、心の準備が整ったら、今すぐ船出しましょう!