代表 宮崎林司

代表 宮崎林司

設立 平成元年7月14日
事業内容
    • 植林に関する事業 ・山林の経営に関する事業 ・山林立木販売および仲介業
    • 園芸用植物および資材の生産および売買
    • 前各号にかかる調査研究およびコンサルタント業 ・前各号に附帯または関連する一切の事業
    • 印刷ならびにその製品の販売業および出版物の製作、販売
    • 農林産品の生産加工および売買 ・食品および日用雑貨品の生産および売買
会社HP http://www.vivo.co.jp

やってきて良かったという人生を送りたい

私は18年間、住友林業に勤務し、
四国の山林部、海外開発部門、インドネシア、マレーシアの伐採現場、
パプアニューギニア、ソロモン、南米のチリ、ラオス、ニュージーランドなどの国々の
天然林開発輸入を中心とした業務に携わってきました。

その中で年々劣化する天然の森林を目の当たりにし、
自分の行っていることに疑問とジレンマを感じていたのです。
そんな時に、両親が亡くなり、
私は人間には死が必ず訪れることを改めて認識します。
そして、同時に自分が今までしてきた事に対して、
死を迎える時に良かったと思えるのだろうかと自問自答したのです。

その結果、私の答えは違うという結論に至りました。
環境を壊していく人生より、
小さくてもいいから森を作ったというような
人生を送りたいと心から思ったのです。
少なくとも、環境を壊す側ではありたくない。

もちろん、会社への提案も試みました。
しかし、その考えが簡単に受け入れられることはありませんでした。
ロングスパンで成果がでる保証がない物に対し、
会社が決断できるはずはないですから。
大きな社会の仕組みの中では当然のことだったのです。

このまま勤めていれば、続けていくしかない。
しかし、それでは私の理想は実現できない。
まずその席から抜ける事が第一であろうと、
私は18年所属した会社を後にしたのです。

支援活動のきっかけ

これからの人生は、
「自然と健康」をテーマに生きていこうということを念頭に、起業しました。

最初は、自然由来の健康食品の製造販売や園芸植物を扱うビジネスから始めました。

その中で、あるインドネシアの会社の社長との出会いがありました。

現地に招かれ、連れていかれたのは、オラウータンのリハビリセンター。
そこには、かつての伐採現場でよく見かけたオラウータンの姿がありました。

話を聞くと、森を追われたオラウータンのリハビリ施設だという…。
たくさんの木が伐採されることにより、
逃げ場がなくなり保護されたり、
人間に捕えられペットになったりと
彼らに様々な事態が起こっていたのです。

それを見た、子どもたちの
「森に返してあげられないの?」という声により、
先生や父兄が立ち上がり、リハビリセンター作られました。

衝撃を受けました。
直接の加害者でもない子どもたちが行動をしているのに、自分は何をしているのだろうと…。
はずかしい気持ちにさえなりましたね。

これがオランウータンの保護活動を始めたきっかけです。
そして、それからというもの寄付金を持って行くために、
毎年インドネシアを訪問するようになりました。

持続可能な社会づくりへの貢献

1999年も、例年同様にインドネシアを訪問しました。
その時、凄まじい光景を目の当たりにします。
前年に大きな山火事があった事はテレビを見て知っていたものの、
見渡す限りの無残に荒廃した森がありました。

現地の人になんとかしないの?と声をかけると、
方法も解らないし、お金もないから「仕方ないよ!」と言う答えばかりでした。

この広大な面積の森がなくなってCO2がどこへ行ったんだろう?
これはインドネシアだけの問題ではなく、
地球全体の問題なのだと深く感じました。

人に何かをしないのかと言うのだけではなく、
自分がなんとかしなければと考えました。
半年ほど考え、健康食品の販売で得た利益の一部を、
植林という形で寄付することから始めました。

しかし、活動していくうちに、
寄付だけでは、持続が難しい事も見えてきました。
熱帯雨林の「保護と再生」について、
「社会的な価値」と「経済的な価値」の両立が必要だったのです。

そこで、2001年からこの2つを両立できる新しい植林システム「Wエコ植林事業」を開始。
持続可能な社会づくりに貢献できる活動へと移行していきました。

人生を掛ける覚悟で仕事を

「やってきて良かったと思えるような生き方」をしたいと思って始めた起業。
それが「自分の良心に恥じない生き方」だと思って突き進んできました。
もしかしたら、もっと収益第一を考える事業マインドがあれば、
こんなに大変な思いもしなかったかもしれません。

でも、私はお金儲けがあまり得意ではありません。
それよりも、「社会貢献したい」という気持ちの方が勝るのです。
昔も今も、これからも、この思いは変わることはありません。
そして、社会の為に役立つ事をしているのだから、
必ず道が拓けると信じています。

「植林をする」ことはとても特殊な分野です。
周囲に理解をしてもらうには、
情報の量と時間が掛かります。

その上、世の中にない仕組みを、新たに作っていく事はとても難しいことです。
だからこそ、生半可な気持ちでやり遂げる事はできません。
この仕事に「生涯をかける」のだ、
という位の意気込みが本当に必要なのです。

この想いは人間が生きてゆく意味を考えたとき
「いのち」の継承が一番だということからきています。
次世代に一番大切な「いのち」を引き継いでいくために、
植林で緑豊かな地球を守り育てることは不可欠です。
私はこれからもこの森を守り育てる「林業の育成」活動で社会貢献を続けていきます。
森のない地球に人類の未来はないから。

循環型の社会が理想

先日、ある建設会社から委託の依頼がありました。
話を聞くと、植林をして現地で一緒に活動できる企業を探したら、
弊社しかみつからなかったというのです。

「唯一」これこそ弊社の一番の強みです。

現在弊社では、2本植えて1本を利用する「2イン1」システムという
日本独自の分収育林の仕組みを活用しています。

また、植林への参加の証として、チークの木のGPSデータを1本1本を取得。
その植林地情報を弊社が管理し、植林証明書の発行も行っています。

このように様々な取り組みを続け、
植林をしたいと思っていても具体的にどう動いていいか解らない方にも、
しっかりとしたアピールができるような環境を作りを心がけています。

寄付だけではなく、個人にもそういうスキームができたらいいですね。
木が無くならないよう、一定の量だけを切り出して、その資金で運営する。
そうすれば、その土地を管理する人も必要になり、雇用にも繋がるはずだと思います。

もちろん、寄付をいただく事も重要ですが、
この活動を継続していくためにも、
このような仕組み作りができたら理想的ですね。

社会貢献と、グローバルな視点を

今の若い方には、
社会に対してどのような貢献ができるか、
地球に住んで生きる市民としてどのような貢献ができるか、
という事を考えてほしいと思っています。

国境も世代も超え、新たな価値を生み出していくために何ができるかということです。

現代社会には様々な障壁がいっぱいあります。
でも、失敗を恐れずチャレンジしてください。
人生は一度きりですから!

繰り返していけば、必ずいい道が拓けるはずです。
若いうちは、何度でもやり直しがきくという特権があるのです。
だからこそ、失敗を怖がらずチャレンジし続けてほしいと思っています。

そして、海外に目を向け、グローバルな視点で物事を捉え発想してください。
日本国民である事の誇りを持ち、
日本はもちろんのこと、
国際社会に貢献する気持ちを持ってほしいと思います。