代表取締役社長 山本 翔

代表取締役社長 山本 翔

設立 2011年8月23日
事業内容
    • チケット売買仲介取引サービス「チケットストリート」の運営チケット販売業
    • チケットストリートHP http://ticket.st/
会社HP http://corp.ticket.st/

心理学からITの道へ

幼いころから人の「心」に興味を持っていて、
将来は心理学者になるつもりでいました。
高校生のときに見つけた虐待のルポなどを読む中で児童福祉に興味を持ち、
大学では心理学を専攻しました。

でも大学に入ってからは、小説家になろうとして文章を書いてみたり、
ミュージシャンになろうと思って音楽をやったり、
芸人になろうとコンビを組んでコントや漫才をやってみたり…
いろいろと模索しつつ、一つ一つに没頭していましたね。
とはいえ、今振り返ってみると、
いずれも「絶対に自分がやらなければいけないこと」ではなかったんでしょうね。

そんな学生時代、インターンとして
携帯電話向けの公式サイトなどを運営するベンチャー企業に入り、
大学卒業後、そのままその会社で働き始めました。
実際に社員になってからは1年経たないうちに辞めました。
ウェブディレクターとしてウェブの企画などを担当していましたが、
初年度上半期MVPを受賞し、数字も安定的に出せるようになって、
もっと他のことを学びたいと思い始めたからです。

数字を出すだけではない「何か」を

「数字を出すこと」だけを重視する風潮に疑問を感じたのも、会社を辞めた理由の一つです。

一方、仕事を通じて、
「インターネットは人のライフスタイルそのものを変えていくかもしれない」
という可能性に開眼しました。
Webディレクターとして軸足を置きつつ、
次に何をやろうかと考えながら、
出版社で働く友人と雑誌のサイトをつくろうとしたり、
いろいろなことをやるなかで、
モバイルコンテンツやモバイルメディア、ソーシャルアプリなどの事業を手掛けていた
アサップネットワークという会社で働くことになりました。

大手取引先からの受託事業や社内事業など大小様々なサービスの立ち上げに携わり、
ほぼ休みなく働いていました。

そうしたなか、やっぱり数字をつくることに飽きてしまって、
働きながらも「何のために働くのか」をずっと考えていました。
ただ食べていくだけなら、適当にできるかもしれませんが、
そうではない働き方ができないかな、と思い始めていました。

そこに、同じ会社にいたメンバーから誘いを受け、
「新しいことに挑戦する」ため、
2011年8月に「チケットストリート株式会社」を共同創業しました。

会員数15万人のC2Cマーケットプレイスを確立

チケットストリートは、コンサートやスポーツ、演劇などの興行チケットを、
個人間で安心・安全・簡単に売買できるオンライン売買仲介サービスです。
⇒チケットストリート http://ticketstreet.jp

新しいのは、増える「個人間取引=C2C」のニーズをとらえたサービスを提供している点。
日本での年間興行市場には約7000万枚のチケットが流通していますが、
このうち、二次流通として出回っているのは3%ほど。
でも、ある調査で、手元のチケットを売りに出したいという人は
全体の6%ほどいることが分かりました。
この「差」は個人間取引の流通があることを意味していますが、
一方、個人間での取引には、リスクも伴います。
そこで、チケットストリートが間に入り、グレーな個人間取引に、
正しい手数料と安心なプラットフォームを提供することでしっかりとした流通を産み、
ユーザーが「確実な安心」を手に入れることができます。
流通の選択肢を増やすことで、より多くの人が「ライブの感動体験ができる」世界が広がるのです。

現に、当サービスは会員数15万人、常時10000件以上のチケット出品を抱える
C2Cマーケットプレイスに成長しました。
商品一つ一つにマーケティングの視点を入れ込んでいくように、
チケットにまつわる「溝」を埋めていくのがマーケティングの役割です。

人生をトータルに考える

起業するにあたり、
「どんな仕事をするか」は、正直大して重要ではありませんでした。

これまで様々な事業の立ち上げに関わりましたが、
仕事の中身は、営業からお金の管理、ウェブのディレクションや時にはデザインを手掛けるまで、
非常に多岐にわたります。
そのなかで感じたのは、
何をするか、ではなく、
目の前にある課題や社会のうまく流れていない部分に対して
どういうアプローチで解決をしていくかが重要で、
ベンチャーの役割とは、そこにあると気づいたのです。

チケットストリートを創業してから、
数字を追うだけでは分からなかった楽しさを知りました。
今はほとんど休んでいませんが、苦ではありません。
どちらかというと時間ができてしまうほうが怖いですね。
忙しいと一瞬一瞬を真剣に考えますから、そのなかで気づくことは多い。
忙しいほど、「あと何回この人と会えるのか」と、人と会って話す時間も
一つ一つ貴重に思えてきます。
人生をトータルに考えつつ、走り続けているかぎりは大丈夫。
死なない程度にどんどん詰め込んだほうが成長し続けられると思います。

何かに没頭できること

一緒に働きたいと思うのは、「貪欲な人」。
寝食を忘れて何かに没頭できるものを持っている人に来てほしいですね。

若い人が成長できる環境は提供できると思います。
全く関係ないことでも「やりたい」という気持ちがあれば、やってもらうこともあるでしょう。

一つ一つの所作を原初に立ち返って考えられるようなイノベーティブな人を求めていますが、
やはり事業体として数字をつくっていかなければいけない面もあります。
理想ばかり語るのはもちろんNGです。
ビジネスの基礎はちゃんと身に着けながら、
根っこの部分で社会のさまざまな課題に対する問題意識を持っている人がいいですね。
 
物事は一足飛びにいくことはありませんから、日々努力していくことが必要です。

自分で自分を走らせるしかない

会社を運営していく上での基本は、「嘘をつかない」こと。
間違えがあったらすぐ認め、説明し、理解しながら進めていく組織でありたいと思います。
社員も一人一人がそうであってほしい。

人生に近道はありません。
今、有名になっている会社や尊敬されている人物は、
すぐに成長したわけではないはずです。

学生が終わったら誰も教えてくれなくなりますから、
そうなるともう、その先の成長は自分で考えて成長できるよう持っていくしかありません。
自分で自分を走らせるしかない。
そう考えると、自ら厳しい環境に身を置くしかないんです。
それができなければその価値観のまま、ぼんやりしていればいい。
でも、これから社会に出ていく世代がぼんやり生きているだけでは、
悲しい未来しかないですよね。
国の政策に対して不満を持っていてもしょうがなくて、
これからはグローバルな人材とどう向き合っていくか、
真剣に考えていかなければなりません。
世界には、優秀な同世代の人材がたくさんいます。
そうしたなか、全体像をとらえつつ、自分を見つめる視点が必要です。
自分自身が成長していかなければ優秀な人にも出会うことができませんから。