取締役副社長 COO 和田 順児
設立 | 2000 年 7 月 18 日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.appirits.com/ |
サラリーマン経営者へ
まず私の経歴からお話いたしますね。
私の社会人生活は大手の電機メーカーのエンジニアからスタートします。
ただ大手の会社ということもあり、
ビジネスに直接関わっている実感があまりなく当時の私は物足りなく感じていました。
ですから、もっと直接ビジネスをしたいと思い、モバイル系のベンチャー企業に転職をします。
そこでは新しいプロダクトをつくる、
マーケティング活動をしてプロダクトの認知度を上げて販売する、
そしてサポートをする、
次のバージョンのプロダクトへアップデートをするという一連のビジネスの流れを体感することができ、
私にとっては非常に貴重な経験となります。
ただ残念なことに経営状況は非常に苦しく、
中堅のシステム会社に吸収されてしまいます。
私はそのタイミングで商社の知人から、
海外のプロダクトの立ち上げをやらないか?というお話をいただき、
新しい活躍の場を求めて今度は大手商社に転職します。
商社では前職と同じようなプロダクトの立ち上げ体験させていただくことができましたし、
よりビジネスに対する感性を磨くというか勉強になりましたね。
ただ私の行いたいプロダクトは規模が小さく
商社にとってはあまりメリットを感じてもらえていなかったと思います。
そんな時、アピリッツという会社に出会います。
当時のアピリッツは、
Webサイトの受託開発のみという事業形態で、
経営陣は「新規プロダクトやサービスの立ち上げを行いたい」と考えていました。
私はというと今までの経験を生かし、
やはり新しいプロダクトの立ち上げができる会社を、と思っていました。
そのお互いの期待感が一致し、私はアピリッツに入社することとなります。
アピリッツに入社後はレコメンドのASPサービスというサービスの企画と立ち上げを行い、
ひとつの事業部を任されます。
その事業部を大きくしていく過程で、
どんどん社内における自分の事業部の売り上げ比率が伸びてくる。
一方、他の事業部の売上や収益は下がっており、
全社の経営的にはどんどん赤字体質になっていくという状況になります。
そんな中、株主や当時の役員は経営者を交替して
会社の立て直しを図ろうと思い切った判断と決定をします。
私はそのタイミングでCOOという立場になり、
会社の立て直しを行い・・・と紆余曲折を経て今に至ります。
ですから私はIT系ベンチャー企業では珍しく、
いわゆる「サラリーマン経営者」になっています。
所有と経営の分離
そんな経緯で、当社には「サラリーマン経営者」が登場しましたから、
他のベンチャー企業にある「オーナー社長」がいるという企業形態とは、
ちょっと文化が違います。
よく所有と経営の分離という話がされたりしますが、
当社はまさに「分離されている企業」の代表例だと思っています。
勿論、所有と経営が分離されている方が良いという訳ではありません。
私達の組織はオーナー社長がグイグイ引っ張っていくタイプの企業と比較すると、
原動力となるオーナー社長の「金儲けがしたい」という気持ちが足りない(笑)
いわゆる大企業的な文化が存在してしまっていると思います。
具体的にどいうことかと言うと、
上場という目標をとったとしても
「オーナー企業でのオーナーが上場を目指す気持ち」と
「私を含む当社の経営陣が上場を目指す気持ち」では、
全然温度感が違います。
ですからオーナー社長のように個人的な想いを無理矢理進める経営を行うというよりは、
株主や従業員などの利害関係者のバランス調整をしている感じの経営になっています。
まぁ、纏めますと、ベンチャー企業としては珍しいですよってことです。
事業内容
設立当初からやっているBtoB系のWebシステム受託事業の他に、
数年前から新規にオンラインゲーム事業も始めました。
この事業は企業向けでは無い当社では初のBtoC事業です。
オンラインゲーム事業は、自分自身がゲーム好きだったこと、
ちょうどソーシャルゲームが流行りはじめており、
我々もやれば出来るのではないか?という想いから、
私が直接主導する形で新規事業を始めました。
他社とは違う形で差別化を図りながら新規事業を行うということで、
PC向けのブラウザゲームを中心に事業を行っておりますが順調に収益は伸びています。
時代の流れとともに新しい事業を興していく、やりたい人がやりたい事業部をおこしていく形が、
企業としては理想だと私は思います。
私だけではなく、
例えば新卒で入社した社員がWebマーケティングの事業を広げるということで部署を作り、
事業を拡げていたりする例もあります。
学生へのメッセージ(大手とベンチャー)
私自身が大企業からの転職組ですので、
一般的な大学生には「大企業を目指したらどうですか?」と私はアドバイスしています。
なぜなら大学生の方々は、まだ自分のやりたいことが明瞭ではない人が多いと思います。
大企業であればBtoBビジネスにおける業務プロセス、
例えば与信や検収などの行為、決済、権限、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の在り方など
社会人としての基本的行動の概念が身に付きやすい環境が最初から存在します。
ですから自分の将来についてまだ悩んでいる学生さんはひとまず大企業に入社し、
社会人としての基本的行動をしっかり出来るようにしながら、
自分の適性や本当にやりたいことを探していくのもひとつの手段だと考えています。
ただし、学生のうちからすでに自分のやりたいことが明瞭な人、
例えば、「生涯エンジニアでいたい」「ゲームが好きでゲームに携わっていきたい」など
具体的な仕事のイメージを持っている人であれば、
最初からベンチャーを目指してもよいのではないかと思います。
これは2005年より新卒採用をはじめましたが、
7,8年当社に入社してきた新卒社員を見ての感想です。
ベンチャー企業においては、仕事を自分で見つけていくスタイルが求められます。
また、そういう人が評価されやすい環境でもあります。
自由がありそうなベンチャーがいいというのは、
裏を返せばたとえ自由に行動しても成果を上げられる、
そのための能力や責任感を既に備えている人が求めるべき環境だと思いますね。
当社でも毎年、熱意を持った若い社員が入社してまいります。
就職活動中はいろいろと悩みも尽きないかと思いますが、
それぞれの会社のいいところ、悪いところ、
ご自身のやりたいことが決まっているのか決まっていないのか、
そういうものをふまえて自分にあった会社を見つけてください。