代表取締役 桜井 巳一
設立 | 昭和54年7月7日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.metal-create.co.jp/ |
自分の将来を模索することに苦しんだ日々
高校時代は、のんべんだらりとした(笑)、ごく普通の学生でしたね。
高校を卒業して2年間は働きましたが、もともと絵を描くのが好きだったので、
退職してデザイン学校に2年間通いました。
デザイン学校卒業後25歳までは、一応デザイナーとして、
あちこち転職しながら経験を積みました。
25歳の時には、事務所を立ち上げたのですが、半年でたたんでしまいます。
デザインを一生の仕事として考えた時疑問を感じた為です。
昔から独立志向は高かったものの、何をやっていくかを具体的に決めていなかった。
そこから色々と模索する、つらい時期が始まったのです。
それまでの私の経験といえば、高校卒業後に働いた2年間と、
ほんの3年間やったデザインの仕事だけ。
独立したいという気持ちがあっても、自分に何ができるのかと模索し続けて、
本当に苦しかったです。
その期間は2年間にも及んだのですが、
模索しているといっても遊んでいるわけにはいきません。
とにかく色々な会社で働きましたよ。
営業を覚えるための仕事に就いてみたりという感じで、2~3社は転々としていました。
それと、将来の独立のために、貯金はしましたね。
軍資金がなければ会社はつくれないと考えたからです。
めぐってきたチャンスを生かして独立へ
職を転々としている中で、
装飾系の看板を作ったり、金属のエッチングをしている会社に入社しました。
その会社がとても面白かったんです。
モノ作りができて、ある程度デザインも生かすことができる。
非常に興味深くて、いい会社だと思いました。
ところが働き始めて半年も経たないうちに、その会社が倒産してしまいます。
当時いた20人ほどの従業員は、皆てんでんばらばらですよ。
このような状況に陥ったら、どこか他の会社に再就職するか、自分でやるかですよね。
こうなったら自分でやるしかない、これが運命だと思いました。
その時に良かったのが、軍資金を貯めていたこと。
とりあえずは事務所を借りることができて、
当面は収入がゼロでも暮らしていけるくらいはあったんです。
それでも最初は大変でしたね。
私1人だったから、営業から何から全て自分でこなしました。
まずは金属のエッチングや看板など小さな仕事から始めて、
徐々にボリュームのあるものを作ることができるようになっていきました。
1年ほど経って、作業をする工場が必要になり、
青山のオフィスから江戸川に引っ越しをするまでになりました。
ヨーロッパの街並みを再現した装飾
独立したバブル時期は売り上げが伸びたものの、はじけた後はどんどんと落ち込みました。
価格競争のような状態で、利益率も落ちましたから、
その時期は、どう脱するかを模索していたものです。
ちょうどその頃、輸入業者の方と出会いがあり、
その人が輸入してきたイギリスのアイアンと、うちの技術をジョイントすることにしました。
そこで始めたのが、欧風の門扉やフェンス、装飾建材。
今から20年ほど前のことです。
現在の当社のテーマ、ヨーロッパの街並みの再現ができたきっかけともなっています。
また、その後「サッポロライオン」さんが、アイリッシュパブの展開に乗り出し、
当社の欧風の商品とベストマッチ。
この店はサッポロビールが展開する英国風のパブで、
設計事務所とジョイントする形で、
直契約で全国30店舗ほど任せていただけるというチャンスにも恵まれました。
この時、「将来はこれだ!」と感じましたね。
そして、これらの出会い、チャンスはきっと必然だったのだと今でも思っています。
商業施設に特化し、他にはない製品を作る
アイリッシュパブから始まり、その後はイギリスの文化をとりいれた商品開発。
その後、試行錯誤が続きました。
店舗用と住宅用を交えたカタログを作って寄せ集めのものになってしまった失敗も・・・。
しかし、それらの失敗を重ね、少しずつ自分たちの進む道が見えてきたと感じています。
飲食店からスタートしてきたものの、模索していく中で、
一般的な良さを狙った住宅商品などにも注力したことが、
当たり障りない商品開発につながってしまったのではないかと思っています。
このような経験から、商品をより魅力的に見せるための商品作りを目指し、
他にはない商品、面白い商品作りをしてきました。
現在では、「ヨーロッパの街並みの再現」というテーマに絞り、
商業施設を中心した商品開発をする、これをぶれさせない事をモットーとして展開しています。
その結果、現在では飲食店、結婚式場、美容室などの商業施設はもちろんのこと、
特養老人ホーム、個人の賃貸のマンション、そして個人邸の方などにも愛用いただいています。
ワクワクする製品を作り続ける。
我々の商品は、まず知っていただくことが基本です。
今では、Webを通して、多くの方に触れていただく機会も増えましたが、
以前は本当に大変でした。
商品開発や方向性を決めるのも私一人でしたし、
同時に販路も作っていかなくてはならなかったのですから、
Webサイト一つにとっても手探り状態だったものです・・・。
現在は、私の息子を中心とした若いスタッフも入り、
Webサイトでの販路拡大、PR活動、
そして商品開発においても、複数の人間が携わっています。
もちろん、いきなりそれでうまくいくわけではありません。
試行錯誤を繰り返しながら、少しでもいいものを作りたいと思っています。
ワクワクする製品を作り、お客様にいいなを提供し続ける、
これがメタルクリエイトの進むべき道です。
そのためには新しい発想を形にし続けていく発想力と、行動力が必要となってきます。
さらには、Webで興味を持ってくれた方が展示場にお越しになることも多くなりました。
私たちの思いのこもった展示場で、
お客様の目の色がだんだん変わっていくのは、この上ない喜びです。
だからこそ、展示にもさらに力が入ります!
60坪くらいの展示場ですが、2、3時間いるお客様もいるんですよ。
メタルクリエイトのファンになってくれたお客様の期待を裏切らないよう、
これからも、ユニークな商品、他には無い商品作りを続けていかなくてはいけないですね。
商品に惚れ込んでくれる人
一緒に仕事をしたい人。
それは、ただ一つ。
うちの商品をとことん好きになってくれる人です。
それは、工場で物作りをする人も、商品開発する人も同じです。
自分自身が好きじゃない限り、いいものは作れないですし、発想もわかないでしょう。
それでは、お客様の心には何も響きません。
私たちはあったらいいなを形にしています。
例えば、こんな照明器具があったらいいのに・・・と思ったら作ります。
もちろん、お客様のニーズに応えることも必要ですが、
自ら発想し、どんどん商品を開発し、
新しい市場、新しい商品を掘り起こし、開拓していくことが重要なのです。
それを続けてきたからこそ、メタルファンもできたのだと思います。
どこにでもあるものではなく、少しマニアックなもの。お客さまが喜ぶもの。
そして、自分たちも好きな物を作っていきます。