代表取締役 馬渕 浩幸

代表取締役 馬渕 浩幸

設立 2009年7月
事業内容
    • スポーツに特化したビッグデータの収集、分析を行う専門集団
    • データの取得から、統計解析、解決策の具現化 まで、一連のソリューションを提供
    • ITを駆使し て、その実現に取り組む
会社HP http://www.climbfactory.com/

やりたい事を会社に

このビジネスを構想したのは、いくつかの職を経験した時でした。
元々社長になろう、起業しようという意思は特に持ち合わせていなかった私ですが、
ある日、今行っているビジネスのもとになる部分を思いつき、起業となったのです。

起業前も、初めは自身でやるというよりも案を通して、
どこかの会社で行う事を考えていたのですが、
その案が通らなかったことを機に独立と至ったわけです。
こう見ていくと分かると思いますが、
私自身がやりたい事、やりたかった事がベースとなって
今のCLIMB Factoryを設立したといったところですね。

起業の際は、私自身がスポーツの業界内に知り合いがいなかったため、
人脈づくりが初めの壁となりました。
一人の力でできたことではなく、
多分に知人の手助けがあった事でなし得たのだと考えています。
起業自体は一人で行ったのですが、元々スポーツに詳しく、
業界内に知り合いを持つ人物が身近にいたために今までの基盤が出来たという事に他ならず、
その知人にはとても感謝しています。

IT、統計をスポーツへ

今の日本のスポーツ業界を見ると、
ITや統計解析を考えるという事はまだあまりなされていないように思えます。
そこにニーズを見出して始めたビジネスなのですが、
予想以上にこの世界はそれに疎いと今でも思います。

スポーツの団体がある程度のすでに情報を持ち、
それを集め、分析して活かしていくという事を考えていたのですが、
その情報自体が、情報と呼べるようなものですらなかった事に驚かされました。

日本で言う、スポーツの情報というと、
競技結果や成績を示すことが多い気がします。
しかし、それだけでは本来の情報が持つ役割としては不十分で、競技に活かすことは難しい。
どういう事かというと、本来の情報とは次の局面を予測できるものだと思います。
その情報を元に分析する事により、
個々の選手、あるいは団体の将来を予見できるようなものでなくてはいけないのです。

例えばスーパーマーケットなどは、
周囲の住宅環境や買い物客の年齢層、男女比などを考えて運営をするでしょう。
同じように、スポーツでもそういった研究がなされるべきで、
だからこそ見合う情報や分析が必要なわけです。

調査、立案、実行

今までの就業経験から学んだマーケティングやマネジメントのスキルを生かす、
そういう所から始まったこの仕事は、
スポーツへの特化という部分で他社との差別化が図れています。

物事に対して、調べて、考えて、実行する。
私たちが行うのは、このマーケティングやマネジメントの基本となる部分を
スポーツでも活かそうとするビジネスです。
基礎を固めて調べ、戦略を立案し、実行する。
外からスポーツを見ていると分かりにくいのですが、
この様な基本は、実はスポーツの現場でも同じように利用出来るのです。
これらを前述した情報をもとに行う事で、
サッカーチームを世界に通じるレベルへ、
野球をさらに楽しくといった段階まで持ち上げられるのでしょう。

具体的な実践例としては、適材適所という考えからの調査、戦略立案、実行。
例えば単純に、「速い球が投げられる投手=抑えに使う」と思い込まずに、
もう少しだけ考えてみる。
変化球投手と速球派投手が交互に投げる方が、打者が打ちづらいかもしれない、
そう考えると必ずしも速球派投手が抑えでなくても現実的だと分かるはずです。
スポーツの現場でも、例えばマネジメント理論は応用が効くはずです。

スポーツで社会貢献を

私たちが掲げる目標は、
「スポーツを日本になくてはならないものにする」という事。
それには、スポーツが社会に貢献できるものになっていく必要があるのだと考えています。
どの様な物であったとしても、社会への貢献が無ければ廃れてしまう。
そうならない為にも、スポーツによる社会貢献という事を社員教育でも行っています。

その社会貢献という事の一つとして、スポーツ現場の情報活用があります。
選手生活から見えてくるノウハウを子どもから大人まで、
様々な人にフィードバックするような事をしていきたいのです。
例えば、トップアスリートの生活を想像してみてください。
シーズン中に風邪をひいて休む、なんて選手がすぐに何人も思い浮かぶでしょうか。
おそらく、ほぼいないのではないでしょうか。
つまり、トップアスリートたちが普段から風邪をひかないようにしているヒントが
ここから見えてくるわけです。
身体が資本のアスリートにとっては健康でいることが仕事なわけであって、
大事な商談のため休めない会社員の健康管理にも共通項があると考えています。
身近な日常生活の見本がスポーツ選手である日々を夢に見ています。

これからの展望

この業界内で、当社はある程度認知度が上がってきました。
それは「スポーツにITと統計」といった、
当社が創造した市場であることも大きな要因なのでしょう。

これからの動きとして行っていきたい事はトップアスリートのノウハウの公開。
例えばスポーツの現場で行われている健康的な体作りの方法を
一般の人々へも公開するといった事です。
強度は違えど、スポーツジムに通う人々がトップアスリートの行っている事を実践すれば、
その人の健康増進に役立てると思います。
そういった意味では、健康産業や医療現場とも密接に関わることになるでしょう。
事実、今でも当社の顧客約40%はそういった医療従事者の方だったりします。

そういった当社の将来像を考えれば、社としても規模の拡大は大いに考えています。
スポーツ業界では、メーカーや人材関連以外に200人を超える規模の会社はほとんど存在しません。
今日では、勉学としてスポーツを学んだ優秀な学生なども多くいますが、
受け皿がないため、そもそもこの業界に携わる就業機会が極めて少ないのです。
結果として、スポーツ業界に有能な人材が流入する機会を拒んでいるといった悪循環が生まれています。

東京五輪を契機に雇用の創出も含め、当社のような会社が大きくなるべきだと思いますし、
そうなるといいと思っています。

仕事をする理由

なぜ仕事をしなければいけないと思いますか?
お金を稼ぐためでしょうか。あるいは、家庭を持てば家庭のためでしょうか。
この質問に答えられる人は少なく、答えられても明確な言葉ではない場合が多いです。

私は「なりたい自分になる」という事が仕事をする目的の一つなのだと考えています。
何をするにも、収入は必ず必要で、なりたい自分を実現するために稼ぐ。
多くの友達を持つという所を目標にして、仕事で人脈を築き上げる。
なりたい自分がどの様な物かによって、仕事内容は変わってくると思います。
しかし、間違いなくこの目標は仕事へのモチベーションにつながる事でしょう。

今の若い世代は、自己アピールが上手くなり、
良い印象を与える事に長けていると思います。
しかし、この質問に答えられる人は多くありません。

なぜ仕事をするのか。
仕事をする目的について、是非ゆっくりと考えて社会に出てほしいと思います。