代表取締役 門田政己

代表取締役 門田政己

設立 2010年4月1日
事業内容
    • 人財(人材)育成のための教育及び指導
    • 戦略・戦術の立案、実行に関する経営指導
    • 講演会・セミナーなどの企画、運営、実施
    • 受託研究・共同研究などの調査、分析、成果発表
会社HP http://www.moncompany.co.jp

人格形成

人は、個性によって人生が大きく変わります。
その意味において「門田政己」という
人間のベースを形成した故郷の影響は大変大きいと思います。

私は愛知県の知多半島南部の町で生まれ育ちました。
人口約25,000人、産業は農業や漁業などの一次産業に従事する方の多い地域です。
平たくいえば、豊かな自然に囲まれた町です。
そこで社会人になるまでを過ごすわけですが、
いま思い返しても学生時代は勉強や運動など同級生と比べて特に秀でるものはありませんでした。
ただ、好奇心が強く、
多くの人が反対しても自分の興味関心を持った道を進む典型的なマイノリティでした。
そんな自分を包み込んでくれた故郷や心優しい地元の方たちとの関わりによって
人格形成されたと感謝しています。
そんな気持ちもあってか、私は今も昔も故郷のことが大好きです。

ちなみに私の考えている人生の終着駅は、生まれ育った故郷へ恩返しをすることです。
ひとえに「恩返し」と言ってもいろいろな関わり方や貢献の方法があります。
この点については、また機会がありましたらお話ししたいと思います。

■農業と漁業が盛んな知多半島南部■

常に転職マーケットを意識した働き方

学生生活を終え、社会に出るときの選択肢や可能性は無限大にあります。
しかし私は、団塊ジュニア世代ということもあり就職競争が激しく、
合わせてバブル崩壊後の就職氷河期に突入した厳しい時期でした。
そんな時代に就職できるだけでも感謝すべきことですが、
多くの学生は過度な夢と希望を抱き、
「業界・会社・地域・職種・・・」などに強いこだわりを持っていました。
逆に当時の私は、「業界・会社・地域・職種・・・」などは何でもいいと思っていました。

就職はゴールではなく、あくまでもスタートです。
仮にすべての希望が通ったとしても上司や同僚までは選べません。
未だに社会人の退職理由の1位は群を抜いて人間関係なのです。
こんな分かり切った事実を前にして
「業界・会社・地域・職種・・・」を軸にした就職は無意味でしょう。
また社会人としてスタートラインにも立っていない者が
義務を果たさずして権利だけ主張する姿がとても滑稽にみえました。

今まで学業に専念してきた学生や社会に出て間もない若者が
企業や社会で通用するスペシャリティを持ち合わせていることの方が不自然なのです。
現実味のない理想だけを語る同年代を横目に私が強く意識していたことは
「どんなフィールドでも、いかにして自分の価値を上げるか?」でした。
違う言い方をすれば
「どこでも、なんでも、最高のパフォーマンスを発揮する!」という
自分への約束事であり、社会人としての決意でした。
私は「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」という気持ちで
あえて厳しいと言われる建築業界に進みました。

そして社会人としての価値をはかる1つの指標にしたのが転職マーケットでした。
なにも就職して早々に転職を考えたわけではありませんが、
井の中の蛙になることへの危機感が常にありました。
例えば、“挨拶”や“元気”に価値はありますが、転職マーケットでは価値を認められません。
それは、どんな「業界・会社・地域・職種・・・」であっても
求められる必須要件であり当たり前のことだからです。
ですが、残念なことに社会人として当たり前のことができない人もいますし、
これらを自分の強みと勘違いしている人もいます。
間違ってもそんなビジネスマンにはならないように、
大局観を持って社会全体から自分を俯瞰するように見ていました。
ゆえに転職マーケットで自分のポジションを確認しながら市場価値を上げることは、
結果的に自分の付加価値も高めることにつながっていると信じて取り組みました。

■価値を上げる「当事者意識」と「大局観」■

教育への目覚め

■新拠点の責任者を募集する当時の求人広告■

転機は必然的に訪れました。
学生時代から独立起業を志していた私は
新卒から約5年間勤めた建築コンサルタント会社を退職し、
リクルートへ転職します。
リクルートで仕事をする最高のステージをいただけたのも
前職で自分の価値を高める仕事ができたおかげだと感謝しています。

リクルートに転職してからの6年間は、
新規事業の立ち上げと既存事業の立て直しに奔走しました。
同時に組織の責任者として採用や教育を担当します。
その中でも非正規の仕事しか経験のないご年配者や10代の未就業者を
短期間でトップセールスへ育てた経験は私にとって大きな自信となりました。
当時は、インターネットを含めて競争が激化する広告業界で
新規顧客を獲得する営業職の教育でしたから想像を絶する難易度でした。
もちろん社内には教育パッケージとして用意されている研修カリキュラムはありましたが、
目の前では肉を切らせて骨を断つようなシェア争いが繰り広げられている中で
一辺倒な教育で育つほど簡単な話ではありませんでした。
結果的に私が経験してきたエッセンスとプロセスを基にしたオリジナル教育プログラムが功を奏し、
早期育成に成功します。

この時、教育をとおして触れた感動や体験が
現在弊社のミッションになっている
「すべては人と組織の成長のために」であり、
ビジョンの
「人財(自ら考え、自ら行動できる人)を育成します」という信条になっています。
自分でも当初考えていた起業領域ではなく、
「教育」の世界に進んだことに驚いたぐらいですが、
そのきっかけはこの時に体験・経験したことが原点にあります。

東京での挑戦

リクルートでは「どこでも、なんでも、最高のパフォーマンスを発揮する!」に加えて、
「最短期間で業績結果を出す!」という約束を交わし、
6年間で10の異動をしました。
幸いにも各異動先で成果をおさめることができ、
市場価値も付加価値も高めることができたと感謝しています。

2007年春、リクルート退職と同時にMON companyを創業しました。
当時は「土地勘がない、お客様がいない、人脈がない」
という無い無い尽くしの状態でしたが、
独立起業の想いを胸に東京へ上京します。
上京後は、今まで積み上げてきた経験を活かして事業の立ち上げや立て直しの支援を行います。
具体的には、新事業立上げに伴う採用活動や営業未経験者の教育など、
社会人教育に軸足を置いた活動をしました。
そして創業から3年後の2010年4月にMON株式会社を設立して法人化します。
この時期、ミッションとビジョンに加えて
「10VALUE & 6ACTION」という価値基準と行動指針を掲げます。
ここからは組織として、今までに提供してきた実務家の強み(経験値、実績、実践力)にプラスして、
新たな強みとして「論理(ロジック)」、「理論(セオリー)」、「体系(システム)」を付加していきます。
私たちが提供するソリューション(6ACTION)に置き換えると、
実務家としての強みは
「常駐型人財育成(OJT)」「研修型人財育成(OFFJT)」「コンサルテーション」
といった直接的に人や組織と関わって課題を解決するアプローチです。
新たな強みでは「執筆・出版」「講演・セミナー」「研究・調査」などを媒介して
間接的に人や組織へアプローチしています。

■MON株式会社の信条■

教育者として大切にている2つのこと

あなたは、自分が教育を受ける立場なら、どんな人から教えてもらいたいですか?
私は、その領域において
「活きた経験を持っている人」
「確固たる実績を持っている人」
「第一線で実践している人」
から教えてもらいたいです。
間違っても
「知ってるだけの人」「知ってるけど実践できない人」には教えてもらいたくありません。
「できます!」「やれます!」という実践のできる人がいいですね。
まず、私が教育者として大切にしている1つ目は「実務家」であることです。

リクルートで教育の大切さに目覚め、上京して飛び込んだ教育の世界ですが、
当時は教育を提供する側の実態に幻滅していました。
理由は、あまりにも実務家がいなかったからです。
考えてみてください。
経験もなくて、実績もなくて、実践もできない人が教えることに説得力はありますか?
その教育内容に高い学習効果や学びはあるのでしょうか?
そんな実態を知り、私は教育者である前に実務家として
プロフェッショナルであることを大切にするようになりました。

そして、教育者として2つ目に大切にしたことは「客観性」です。
実務家として現場で実務を突き詰めていくほどに客観性を見失ってしまいます。
また俗人的な実務を汎用的に教育していくには客観性が重要になります。
この客観性のポイントになるのが、新たな強みとして強化した論理・理論・体系です。

その理由を説明するのに、ある2つの会社を紹介したいと思います。
1社目は、組織力を向上させるためにコーチングを提供する会社でしたが
組織力は低く社員の退職率は50%以上でした。
もう1社は、個人を活性化させるために研修を提供する会社でしたが
1番身近な個人である社員を全員リストラしてしまいました。
これは、ほんの一例ですがこの2社には驚く共通点があったのです。
それが「客観性がない!」ということでした。
要するに論理・理論・体系の3要素を持ち合わせていなかったのです。
もちろん教育会社に限った話ではありませんが、
この3要素を持っていないと精神論や根性論が組織を支配するようになります。
そして物事の判断や意思決定を間違った方向へ導き、取り返しのつかないことになってしまいます。

身を持って教育に必要な要素を教えてくれた諸先輩方に感謝しつつ、
実務家としてだけではなく、客観性を持って臨むことを大切にしています。
具体的には、実務から得られた活きた情報を客観的に分析・分解して、
他でも汎用できるように展開しています。
この取り組みが積み重なり、
設立から執筆・研究・公表してきたものは刊行予定を含めて80件以上にのぼります。
最近では、中小企業庁や経済産業局が行う
企業調査(地域中小企業の人材確保・定着に関する調査、構造変化にもたじろがない企業に係る調査)
にも協力させていただいています。

■執筆・研究・刊行は80件以上にのぼる■

これから社会に出る方へのメッセージ

会社を設立した3年前の情熱社長インタビューでもお話ししましたが、
いまも社会に出る方へ伝えたいメッセージは変わっていません。
私が大切だと考えていることは次の3つです。

1. 自分を信じること。
 自分のことを信じていない人は、人からも信用されません!

2. 自分で決めること。
 相談することも必要だが、周りの意見に流されずに自分の意志で決めること!

3. 決めたら行動する。
 信じて、決めても行動しなければ意味がありません、まず一歩でいいから踏み出しましょう!

偶然にもこの3つの傾向は、
弊社が産学共同で研究調査した「人財白書」の
“パフォーマンスを上げる人財の要件”に共通する点でした。
「業界・会社・地域・職種・・・」といった判断軸もいいですが、
「弘法筆を選ばず」ということわざもあります。
不毛なことに人生の大切な時間を費やさないようにしてください。

みなさんのこれからのご活躍を楽しみにしています。

■産学共同研究報告書 「人財白書」■

門田政己