代表取締役 井芹 昌信

代表取締役 井芹 昌信

設立 2008年7月1日
事業内容
    • 次世代型出版メディア事業
会社HP http://www.impressrd.jp

日本初のベンチャーで上場を経験!

就職したアスキー出版(現:角川グループホールディングス傘下)は
日本初のベンチャー会社でした。
スティーブ・ジョブズがパソコンを作ったのが1976年頃で、
会社はほぼ同時期に設立されました。
パソコンを日本に本格的に紹介したのも、何を隠そうこの会社です。

パソコンの爆発的な人気に背を押されるように、
IT企業は急成長を遂げ、関連する仕事も急増しました。
当然、会社も急成長を遂げ、あれよあれよという間に出世していきました。
今の若い人には信じられないかもしれませんが、
毎年昇格する程で、時代の勢いを感じました。
一方、良いことばかりではなく、部下を抱え、要職に就いたものの、
能力が追いつかずに苦労したこともありました。

そしてアスキー出版はベンチャー企業からの上場を達成します。
自身は経営する立場ではありませんでしたが、
社員一丸となって仕事に取り組む姿は圧巻でした。
マイクロソフトの日本代理店だったり、
会社がワールドワイドな視野を持っていたのも大きいのかもしれませんが、
時代の流れと会社の勢いには物凄いものがありました。

日本初

27歳で編集長、30歳で理事にまで上り詰めたのですが、
地位が上がるにつれて現場からは遠ざかり、管理する業務が多くなっていきました。
仕事に対する面白みが薄れ始めていた頃、
アスキーの副社長(塚本慶一郎氏)から会社を起ち上げるという話を聞き、賛同しました。

塚本さんはアスキーに入社した時からの直属の上司。
信頼を寄せていたこともありましたし、
気持ちを切り替えたい思いが強かったのかもしれません。
30歳と言えば、世間一般ではまだまだこれからという年齢。
「また現場でバリバリ仕事が出来る!」自分としては
まさに願ってもいないチャンスだったのです。

こうしてサラリーマン側から経営者側にまわって仕事をしていくようになった訳ですが、
最初の2年位はとても大変でした。
現場から離れていたこともあって、カンが戻るまで時間がかかり、会社も利益が出せませんでしたね。
順調に成長しだしたのは3年目以降からでした。

インプレスは日本に初めて『インターネット』という概念を紹介したメディア社として知られています。
94年9月に創刊した「インターネットマガジン」は大ヒット。
創刊号から売り切れ、2度も重版をするなど、雑誌としては考えられないレベルでした。

「日本初」は会社のキャッチフレーズのようなものです。
インターネットの雑誌を作ったのも、mailやwebで商業メディアを手がけたのも日本初でした。
新しいことにワクワクして挑戦していく流れはアスキー時代から変わらないかもしれませんね。

次世代型出版メディア事業

新しい挑戦へのアイディアは必要に迫られて作り出してきたものではなく、
材料さえ揃っていれば考え出せるものです。
webメディアや電子出版についても同様のことが言えます。

通常、紙媒体で情報を紹介しようと思うと、インタビューなり調査をして、
文字に起こして、印刷して…と月刊誌を出すまでには最低でも1ヶ月半はかかります。
スピードが早く、情報量が多いwebの場合では、
そんなことをしている間に情報の鮮度は落ちていくばかりです。
そこで、webの情報を紹介するには、こちらも電子サービスを用いるしかないということで、
web上で週刊誌や、メールを使った日刊新聞を作りだしたのです。

そしてもう一つの「日本初」の試みである、次世代型出版事業については、
プリントオンデマンドを利用した全く新しい出版方式を採用しています。

これらのデジタルを利用したビジネスの流れは一つの物語のようなもので、
私は「マイクロテクノロジー物語」と呼んでいます。
パソコンの誕生からテクノロジーの進化を見ていくと、
自然と次に何が必要かが見えてくるものです。
大事なのはその必要性をうまくキャッチして、流れにのせてリリースするだけ。
ずっと見てきた者にしか分からないと思いますが、
間違いなくアイディアに繋がっていると言えますね。

時代を先読み

テクノロジーの流れをずっと見てきた者だからこそ、
時代を少しだけ先読み出来るようになりました。
そのような能力を活かす為にも、出版する側として
新しい情報をどんどん紹介していく義務があると思っています。

インプレスグループは、インプレスホールディングスを中核にした様々な出版社の集団です。
山登りが好きな人達に支持されている『山と渓谷社』なども同じグループですし、
それぞれの分野の専門を煎じ詰めてビジネスにしている集団の集まりと言えます。
高い専門性と新しいことに挑戦していく会社の姿勢が共通しているところ。
社員もその辺りについては、自負しているところだと思います。

しかし最近は、会社の有り様も少し変化をしてきたと言えます。
以前は株式会社と言えば、一つの会社の中に何でもあるようなものでした。
仕事に関しても会社単位で動くことが多かったですが、現在では個人でも仕事が出来る時代となり、
会社や学校などの集団は、前に比べると弱くなってきたと言えます。

最近では、仕事のクリエイティビティやスキルは自社で全てを賄う必要はなく、
個人や別会社に任せられる時代になりました。
そのような時代の中、会社がやっていくべきことは、
資金、契約、仕事の管理や資産・特許など知的財産権の管理などが重要になってきます。
良い悪いに関わらず、今後はそういった時代になっていくんだと思いますよ。

素直・努力

会社単位で仕事をしてきた時代とは違い、
個人にも仕事を依頼出来る時代の訪れは、
雇用に関しても大きな変化を生み出していると思います。
必ずしも全社員が正社員である必要もなく、
ましてや会社は多くの人を雇うことすら必要がなくなる時代が来るはずです。
個人の裁量が広がった時代ではありますが、
その分会社で正社員で働くということは厳しくなってきたのかもしれません。

そんな時代を生き抜くには「素直」であることが大事だと思います。
これは弊社だけでなく、どこの企業でもそうだと思います。
素直に人の言うことや情報を素直に聞けなければ、
偏った考えに凝り固まってしまい、伸びなくなってしまうんです。
凝り固まる例としては、最近の若い人に感じるのは先入観が強すぎる点です。
テレビやネットの情報だけを鵜呑みにしてしまって、
実際に見て体験する理解を怠っているような気がして、非常に危険だと思います。

素直さが大事だと言いましたが、勘違いしてはいけないのが「素直=おとなしい」ではないということ。
言いなりになることを奨励しているわけではなく、あくまでも偏見なく、
時代の変化を自然に受け取れて、自然に意見を述べられることです。
素直に前向きに努力を積み重ねていける人、そんな人を会社は求めていると思いますよ。