代表取締役社長 平山 仁
設立 | 昭和53年3月1日 |
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事業内容 |
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会社HP | http://www.spacetrust.co.jp |
社長になるまで
学生生活は幼稚園から高校まで一貫のインターナショナルスクールで過ごしました。
中学校の時からオートバイや車に興味があり、高校時代は一生懸命アルバイトをしていましたね。
大学では国際経営、経済を専攻しました。
専攻の理由は、慣れ親しんできた「英語」と経営者だった父の姿を見ていたので興味があったからです。
卒業後には、国産自動車メーカーのディーラーで営業職に就き、成績も人並み以上でした。
営業マンとして1年半勤めた後は、クラッシックカー愛好家の集まりで知り合った人と、
新しいビジネスモデルの靴販売店事業を始めることになりました。
社員4名の小さな会社だったので、接客はもちろん、仕事は経理以外何でもやりました。
会社員時代とは違い経営にも携わることで経済の動向にも敏感になり、面白かったですね。
しかし、一方で自分の未熟さを思い知り、経営者の勉強を積むためにフランスの大学院に進学します。
大学院では論理的な思考が身についたことが一番の収穫でした。
帰国後は靴屋の経験から「0から1を創る」楽しさを知っていましたので、
ベンチャー企業を狙って就職活動を実施。
そして、設立6年目のネットリサーチ会社に入社し、企画営業の仕事に就きました。
車や靴といった「物」の力に頼ることなく、
仕組みを作り出して商売する形を学びたいと思ったからです。
ところが、仕事を始めて1年が経過した頃、父が59歳で他界。
もともとは会社を継ぐつもりはありませんでしたが、
オーナー家が関与せずに会社を継続させる準備は出来ておらず、
さんざん迷いましたが会社を継ぐ決断をしました。
独自のフィールドで戦う!当社の強み
主な事業内容はビルのプロパティーマネジメントやメンテナンスなどの管理や、
物件の紹介などの仲介事業をやっています。
一言でビル管理と言っても様々な種別がありますが、当社では大手企業がやりたがらない
「ソシアルビル」(バー・クラブ等が主なテナント構成のビル)に特化した事業を展開しています。
ビルの主な稼働時間が夜であり24時間の管理体制が必要なことなど、
他社が参入してきたがらないのですが、そこに当社の存在意義があると思っています。
大手上場企業がやりたがらない理由として他に考えられるのが、
通常のビル管理に比べて業務が煩雑なことや、各種トラブルが多いこと。
また、当社が管理するビルのテナント属性を考えると、
他社からすれば得たいの知れないところがあることなどが挙げられると思います。
だからこそこの分野において、長期にわたって安定した事業を
継続させてもらえていると思っています。
そもそも一昔前の考えではビルには常駐の管理人を置くことが管理においては大前提の話でした。
しかし、それでは人件費などのコスト面が問題となります。
当社では各街に拠点を置き、「管理センターシステム」を敷いています。
ただ、このシステムもエントリーバリアとなっています。
当然、拠点を構えたならば、人件費を含めた様々な経費がかかります。
規模の経済の原理で、ある程度管理棟数を抱えていないと利益は生み出せない訳です。
初期投資がかかるうえ、相当数の管理ビルを獲得して損益分岐点を突破するまで時間がかかり、
会社の体力が持たないことなどが参入を難しくしています。
長い業歴と他がやりたがらなかった種別に特化してきたノウハウから、
当社だけが出来る仕組みなのかもしれません。
そこが他社と明確な差別化要因であり、戦略的優位性と成っている点ですね。
社内に新しい風を!完全実力主義を採用
先述した通り、事業内容はソシアルビルを24時間365日ビルを管理すること。
その事業を維持していく為には専門性や方向性の違いや、
夜勤を含む勤務体系など、少し異なる条件での人材の確保が必須です。
そこで、新しく良い人材を確保する為にも年間を通して人材採用を行っています。
スキルや能力に関しては入社時に特に求めませんが、
ストレス耐性が強いかどうかは重視しています。
常にビルオーナーと入居者(店舗)側の板挟みになりますので、
大変なことも多いかと思います。
また、社員のモチベーションを維持するにも幾つか工夫している点があります。
まずは所得、福利厚生などの待遇面。
社員は生活を懸けて仕事をしていますから、
得られる報酬の額というのは当然モチベーションアップに繋がります。
具体的な数字は言えませんが、上場企業の平均給与額よりは多く支給していますね。
次に年功序列、古い給与体質などの制度を撤廃しました。
社長就任当初はこれらの制度が残っており、
「何もしなくても年月が経てば自然に上に上がれるんだ」という意識が蔓延していました。
そこで、社員のやる気を奮い立たせる意味でも完全なる実力主義を導入しました。
昇格、昇給、もちろん時と場合によっては降格さえもあり得ます。
頑張れば頑張った分だけ評価される…そんな会社にしていこうと考えています。
経営者としての苦悩
実力主義を導入したからには、働きぶりによって
会社のトップとしては「イヤだな」と思っていることも
伝えなければいけない場面も出てきます。
指導や教育で終わる程度なら社員を叱咤激励して奮起させて、
また頑張ってもらえれば良いのですが、場合によってはもっとイヤなことが出てきます。
その最たる例としては、社員に会社を退いてもらわなくてはならない時です。
社長というのは、グループ会社や協力会社などを含めた
何百人という子供を抱えた「一家の大黒柱」のような存在です。
しかし、当然のことながら社員は子供ではなく、
生活をしていかなくてはならない大人なんですよね。
中には結婚して子供がいる者、親の生活を支えている者もいるでしょう。
つまり、その社員だけの生活だけではなく、社員の家族の生活までも含めると、
恐ろしく多くの方の生活に関わっていることになります。
その中でも厳しい決断を下さなければいけない。
命や生活を預かっている身としてはとても辛い決断になりますが、
それでも決断を迫られるという大変さが社長業にはあると思います。
父も言っていましたが、いざ何百人の会社の社長に就任してみると、
その責任の重さを実感しています。
ハイエンドなプロフェッショナル集団を目指して
今後の展開についてですが、新しい事業を始めることに力を注ぐというよりかは、
暫くは今やっている事業を継続に集中して行きたいと思っています。
ですが、ただ継続していくといっても
今までと同じことをやっていれば良いという風に考えている訳ではありません。
「スペーストラスト」というブランドをより強固にしていけるように考えています。
具体的には高い専門性を持った、ハイエンドなサービスを提供出来る会社を目指しており、
それには「人」が全てだと思っています。
そこで「人材育成」と「強固な組織作り」に力を入れて取り組んでおります。
人材育成という面においては、個々のレベルアップが欠かせません。
そこで当社は専門性を強めるという点でも各種資格取得を応援しています。
また、ビル管理は定型的な業務や商品の提供では無く、
お客様にご満足頂けるサービスの提供であるため、
何をするべきかは常に考えなければいけません。
その為、能動的に動けることや、強い思考力を社員には求めています。
組織作りに関しては、実力主義を一貫して行い、
やる気、能力のある社員を上に立たせていこうと思っています。
そして、下の社員にも「やる気次第でのし上がれるんだ!」という
意識を植え付けることによって、会社全体がエネルギーに満ちた、
活気溢れる会社にしていきたいですね。
とにかく全力で走る!
とにかく全力疾走する癖をつけて下さい。
勉強でもバイトでも、遊びでも何でも構いません。
大事なのは全力かどうかです。
組織の中に入って自己実現する為には皆と同じでは意味がありません。
頭一つ抜きんでる為にも、まずはチャンスを獲得することです。
そのチャンスも頑張っているからこそ気づき、掴めるものです。
だからこそ多少苦しくても全力疾走を続けなければいけません。
全力疾走だからこそ得られる経験や知識、見えてくる世界があるからです。
これらを踏まえると、これから社会に出ようとされている方にとっては、
まず20代の過ごし方で大きく差が出て来ます。
20代は知識や経験等のパーツが頭の中でバラバラな状態。
30代は新たなパーツを集めつつ、徐々にパーツが整理され、
それぞれの関連性が見え、パーツが小さな集合体と成ってくる。
その後各集合体は新たなパーツが足されたり、他の集合体と融合し、
大きく複雑な物へと進化していく事を続けていきます。
パーツの集合が一定レベルの完成度に達し、
大きな結果が出せるようになるのは40代になってから。
だから20代はひたすら走り続け、貪欲に知識や経験を貪っていれば
何で頑張るかは問題ではないのです。
また決して損得勘定だけで動いたりしないこと。
短期的な目で見れば意味のないようなことでも将来的にどう繋がるかは分からないからです。
社会では自分で考えて行動に移せる人物が求められます。
もう一つ大事なのはどれだけ周りから頼られる存在になれるかどうか。
人の上に立つ人物は決してスタープレイヤーばかりではありません。
僕がマネジメントポジションに選ぶのは周囲のことを気遣い、
自分の利益だけでなく、周りの利益も考えて行動出来る、
「情けは人の為ならず」が体現出来る人です。
すぐに評価されなくても継続的に全力で頑張っていれば
意外と多くの人が見ていてくれるものです。
どんな仕事であっても、自ら選んで仕事に就いた以上、
3年以上はエネルギーを思いっきりぶつけてみて下さい。
そしていつでも、どこでも、何でも「全力疾走」。
それが一番大事だと思います。