代表取締役社長 永上 裕之

代表取締役社長 永上 裕之

設立 2010年4月1日
事業内容
    • 男性服の通販サイト運営
会社HP http://mensfashion.cc/

得意な事と、向いている事

中学高校と制作したWebサイト数は150以上。
私は、そんなインターネット大好きという少年時代を過ごしてきました。

私が高校卒業後に選んだ進路は、テレビの専門学校。
インターネットの世界と映像の世界をつなげたいと考えていまして、
知識が足りないなと感じていた映像の分野を学ぼうと選んだ進路でした。
ここではじめの1年間は映像分野の勉強、
2年目はフリーでWeb制作を行い半年ほどで就職の時期となりました。

その頃に声をかけていただいたWeb制作会社にデザイナーとして就職しましたが、
ここで私が取り組んだ仕事は、今まで経験していない営業職でした。
しかし、そこでの仕事は予想していたよりも出来がよく、
自身が営業向きであったと初めて知ることになったのです。
学生時代は世界が狭いので、得意だ、人より優っていると思っていた事が
実際はそうでもなかったという事もあるのです。

この会社に1年ほど勤めた後、縁があり2度の転職を経験します。
そして、2010年の4月に起業に至りました。

「夢の時間」と後輩への想い

起業を決意した理由は2つあります。

「夢の時間」を取り戻したい。その思いが一つ目と言えるでしょう。
営業に向いているとはいえ、私が本来やりたいことは、やはりWebサイト運営でした。
その大好きなWeb制作に費やしている時間を私は「夢の時間」と呼んでいます。
その様な、好きなことに没頭できる時間、
夢中になれる時間をもう一度手にしたいと考えたのです。

そして二つ目には後輩を応援したいという想いがありました。
当時の景気の悪さに、若い人が起業を考えようとしないという事に私は危機感を感じ、
そんな人たちを元気づけたいと考えたのです。
「起業しよう」と考える後輩を応援したい、
元気づけたいという想いがそこにはあったのでしょう。
大学全入時代といわれながら、その道を選んでいない私でも
起業する事が出来るのだ、と後輩たちに思ってもらえるといいですね。

ここに挙げた「夢の時間」を取り戻す事、
後輩を応援したいという想いが私を起業へと導いたのです。

大きな方向転換

今までの会社の方向性とは違い、今はアパレルサイトの運営に力を入れています。
いわゆるピボット(方向転換)という物を我が社は経験したのです。

これまでの私の人生を振り返り、音楽でたとえるとするならば、
14歳でギターを持ち(Webサイト作成)、19歳で初めてバンドを組み(就職)、
インディーズデビューしたという事が23歳(起業)になるのでしょう。
こう見ていくと、「このバンドでは売れない」そう判断したのが、
まさにピボットを行った25歳に相当するのだと思います。
メジャーデビューするにはこのままではいけないと感じ、
お客のニーズに合わせた物を提供する事、つまり売れる物を作ることに決めたのです。
その中では、自分のやりたい事を捨てていいのか等の葛藤はありましたね。

私がやりたかったものはSNSの分野だったのですが、周りとの競争が特に激しい分野でした。
そうではなく共存しながら、今までの経験を活かせる分野へと切り替える事を決めました。
それと共に、人を劇的に変える事を扱いたいと考え、アパレル業界へ入ることを決めました。

経験の点を結ぶ

今運営しているサイトでは、服装の上下の組み合わせパターンが決まったものを買う、
いわゆる「マネキン買い」という事が出来るようになっています。
この「マネキン買い」はお客様に「楽さ」を提供していきたいと考えています。
今、この「マネキン買い」を押し出して運営を行っているのですが、
この方法等を中心に、我が社の今が形作られた経緯には、
今までの私自身の経験・経歴が大きくかかわっています。

学生時代のWeb経験、そして音声や映像に関係する経験、マスコミ関係の経験、
デザインの経験、制作会社や営業の経験、そして起業の経験。
これらの経験の点がすべてつながって線になった状態がまさに今なのです。
例えば、私たちの様なアパレル関係の小売業を行っている会社には、
あまりITやマスコミからの視点は取り入れられません。
そんな中、そのような経験がをもととなり「マネキン買い」の発想が生まれました。
どの様な経験が実際に役立つのかは未知数なのです。

経験をしている当時は考えなかった利用法が、
後になって生まれてくるという事があり、経験の大切さを知りました。

これからの目標

今後は、スマートフォンでの服の買い方を考えていこうと考えていますね。
お客様にとってスマートフォンで服を売ることはなかなか難しく、
情報が伝わりにくいという現状があります。
そこを打開するために、映像や実際に着ている生活の場面を
見せていけるようになる事を目標にしています。
見せ方という物の工夫を行っていきたいのです。

それに加え、ファッションに詳しくない人、
服を積極的に買わない人であっても、服の選び方や買い方が自然と分かり、
考えていきやすい環境をサイトの中で作り出せるようにしていきたいとも考えています。
その事にも関連して、我が社の「マネキン買い」のコーディネートは、
プロのコーディネーターが選ぶような敷居の高いものではなく、
現役の女子大生が選ぶコーディネートにするといった工夫をしています。
プロに認められるよりも、周りにいる実際の人間に認められる、
消費者の目線を売りにしていきたいと思っています。
そのコーディネートも500パターン用意できるようにしたいのですが、
在庫の関係もあり難しい所です。

熱意をもって大人になる為に

自分自身を振り返ってみて、
早い段階で起業へ意識を向ける事が出来ていたのではないかと思います。
その目標に必要な事として、売り上げを伸ばすため、
社会的貢献度を上げるため等、やった方がいいと言われる事は様々にあると思います。
しかし、今の自分を見てみると、若者は25歳くらいまでは
好きなことをやればいいのではないかと感じています。
遊ぶという意味ではなく、ビジネスとして儲けようと考えるのではなく
「これをやりたい」「自分の夢」と思えるものを
追っていても良いのではないかという事です。
その様に好きな事をしていても、自然と大人になる時期が訪れ、
いずれ足元の数字を気にしなければならない時が必ず来ると思います。

ただし、大人として、売り上げや社会的な貢献度を見る時期になっていても、
やりたい事をしていた時期の熱意を保っていてもらいたいと考えてもいます。
夢を追うだけで良かった時期に向けていた熱意は失わず、
方向を修正していくことが大切なことだと思っています。
その熱意を育てるという意味でも、若い人たちには叶えたい夢を持って、
今はがむしゃらに追いかけてもらいたいですね。