代表取締役 鳴海 千尋

代表取締役 鳴海 千尋

設立 2003年3月25日
事業内容
    • OA機器消耗品の販売
    • 各メーカーのトナー、インクの卸、小売販売
    • リサイクルトナー、リサイクルインクの販売
    • 3D(360°立体)フォト撮影ツール(Ortery Photosimile)の販売
会社HP http://www.apollocreate.jp

47歳での起業

私が起業したのは47歳のときでした。
そのとき私はリコーで22年間勤めて管理職になっていましたが、
自分は将来どのようになっていくのだろうということを考えていました。
60歳で定年退職するのがさびしいと感じていましたし、
リコーの早期退職は52歳でそれまでに5年もありました。
52歳から独立するのは厳しいと思い、思いきって起業しました。

起業をするのに、特に深く考えた訳ではありませんでした。
以前、リコーの販社で飛び込み営業をやって新規開拓でN0.1の実績がありましたので
営業には自信がありました。
ですから、会社を起こしても自分で営業をすればいいと思っていました。

創業当時一番苦労した事は、とにかく覚える事が多かった事です。
製品を流通するための手段がもちろんなく、インターネットを通して販売することにしました。
そのために必要な知識を吸収し、自分一人の力でHPを作り、
構築していくのにとても手間がかかりました。

HPでの事業基盤

リコーにいたときからリサイクルが真剣に考えられていました。
メーカーの社内でリサイクルをすると純正品よりもコストがかかりました。
ここにビジネスチャンスを見いだして
2003年にリサイクルトナーの会社を立ち上げました。

この業界は値段勝負です。
それゆえに粗悪品を購入しプリンターが壊れるなどの
失敗するケースが多いです。
そのような風評が立たないことが課題ですが
我が社の製品は国内の工場でリサイクルをし、
品質は他社に比べて圧倒的に優れています。
しかし、それをお客様にわかって頂くのは難しいです。

同業他社が乱立する中での我が社の強みはSEO対策にあります。
つまりインターネットの検索エンジンで
メーカーのリサイクルトナーのキーワードで検索したときに
一番目に表示されることです。
創業当時の苦労がここで生きています。

さらに購入して頂いたお客様に、小冊子をお渡ししています。
これは我が社が優れているということをお伝えするのではなく、
失敗しないリサイクルトナー自体の選び方や、
お客様自身でプリンターの中を掃除しなければならないことなど
気をつけて頂きたいことを伝えています。
お客様にとって有益な情報をお伝えすることが喜ばれて
リピーターになって頂くことが一番重要だと考えています。

フォトシミリとの出会い

2010年に台湾のオートリーという会社の製品を販売する事になりました。
きっかけは人脈でした。
リコー時代の上司だった人が独立して
オートリーの日本法人の責任者をしておりました。
彼は日本での販売代理店を探しており、
私も自分の人脈を紹介して彼のお手伝いをしていました。

オートリーのフォトシミリという商品は
ヨーロッパやアメリカでは伸びていましたが、
日本では苦戦していました。
というのも日本の会社はベンチャー起業の商品をなかなか信用して頂けないからです。

そこで私の会社でインターネットを使って販売することを提案し、
オートリーから総代理店として独占契約を結びました。

現在、インターネットショッピングが盛り上がっていることが追い風になっています。
インターネット上では商品は限られた角度からしか確認できず
お客様は不安に思われる事が多いです。
しかし、フォトシミリを使うと、商品が3D化するので、
商品がなくても手元にあるかのように見える効果があるからです。

AR(拡張現実)への応用

機材を販売したお客様から依頼でAKB48を好きな角度から眺められる
という撮影の協力をさせて頂きました。
これは従来ならばCGを使わなければならなかったことです。
CGだとお金と時間がかかりますが、
フォトシミリを使うと数分で出来てしまいます。
さらに本物の写真を使っているので、漫画のようになってしまうCGよりもリアルです。

このフォトシミリがARにも応用ができるということは逆にお客様から教えて頂きました。
これは、面白いと私は感激しました。
それならば、お客様がARのアプリを開発するのは大変なので
自社開発のアプリを提供しようということではじめてのが「appeAR(アピアー)」です。

今後はこのappeARを標準化することに力を入れていきたいです。
つまり、できるだけたくさん皆さんに使って頂き、
誰もが使っているというアプリにしていきたいです。

ITの世界では先にマーケットをとるのが有効です。
そのためにはお客様に利益度外視で、まずはお試しで使って頂こうと考えています。
さらにワールドワイドなアプリとして
英訳化して海外でも標準なものにしていくつもりです。

ARの篠田麻里子

大企業にしていこうという気概を持って

大企業に入れば安泰という時代があったのは事実です。
しかしこれからの時代は、大企業に入れば成長のチャンスは限られてくるのではないでしょうか。

これから上場する会社であったり、将来性のある会社を探して一緒になって成長していく、
逆に大企業にしていこうという気概を持った方が、楽しく仕事ができるし、夢があると思います。

できあがった会社は安泰かもしれませんが、
将来、本当に安泰だろうかということを学生のみなさんには心掛けて頂きたいです。