代表取締役 松本 秀守


代表取締役 松本 秀守

設立 1996年7月
事業内容
  • HEMS機器の開発、販売、施工
  • 太陽光発電・オール電化システムの販売、施工
  • LED、EV、省エネ設備の販売、施工
  • エアコン、空調設備の販売、施工
  • TVアンテナ・映像機器、その他各種住宅設備の販売、施工
会社HP http://www.mediotec.co.jp/

今日までの道のり

役者になろうと、高校を卒業後に上京しました。
日立製作所に就職し、働きながら夢を追いかけていましたが、両立は難しく3年半で退職しました。

その後は劇団に所属し、アルバイトで生計を立てていく事に。
そんなある時、劇団の仲間から誘われて営業の仕事をやる事になりました。結果、これが大はまり。
気付けばビジネスホン、コピー機、英語教材と様々な商材を扱い、営業がどんどん好きになっていきました。
特に、英語教材の場合は完全歩合制だったのですが、そこで2年半続けられた事は大きな経験値となりました。

英語教材を2年半売った後、先輩に誘われ、役員として会社を手伝い始める事になりました。
しかし、ここからが試練の始まりでした。
会社の明確なビジョンが無かった事から僅か1年半で会社は倒産、社長は夜逃げしてしまいました。
我々役員には多額の借金と社員が残される事となり、借金返済の為に奮闘する日々が始まりました。
もう一人の役員と頑張った甲斐もあって3年で借金は完済。その後社長として独立を果たすことに。
元々独立志向は無かったのですが、ただただ借金と残された社員を抱えて必死でした。
そういった経緯もあり、経営者として会社を存続させていく事を第一に考えてやっています。

東日本大震災による実感と変化

東日本大震災で福島にある実家が被災し、両親、兄弟家族等、一家が東京に避難してきました。
この時改めて、原子力発電の恐さと自然エネルギーの重要さを思い知らされた様な気がしました。

この様に、東日本大震災をきっかけに、消費者の中で環境への意識がより一層高まってきたと思います。
事業を展開してから10年以上経過しましたが、
これからもますます「エコ」に関する意識と需要は増えてくると思っています。

現在日本では各家庭で作り出して余った電力は電力会社に買い取ってもらう方法が一般的ですが、
環境先進国のヨーロッパではエネルギーを融通し合うという発想があります。
同じ地域で多く発電した家庭が発電量の少ない家庭に供給する、所謂エネルギーの「地産地消」です。
残念ながら国内では蓄電技術がそのレベルには達していない為、実現にはもう少し時間がかかりそうです。

24時間エネルギーを作り続けられる太陽光や風力、地熱を利用した発電方法等、
安全安心な自然エネルギーの供給安定化がなされた社会が最も理想的であると私は考えます。
その為にも、私どもの様なメーカーとしては、技術革新によって様々な問題をクリアする事で、
消費者の皆様と地球環境に応えたいと考えています。

HEMSのもたらす価値とは

HEMSは電気、ガス、水道等のエネルギー利用量を「視覚化」する機器です。
消費量が見える様になっただけで、自然と意識が向き、エネルギーが10%程度節減されるとも言われています。

以前は他社製のHEMSを取り扱っていたのですが、
太陽光発電がブームになった時、業者数が急増した事で、
競争に勝つ為にはもっと強力な差別化を図る必要に迫られる事となりました。
その結果、メーカーである事の強みに注目し、
メーカーであれば太陽光発電装置に関しても売りやすいとの考えに達しました。

そこで、アラート機能を備えた自社製HEMS「エコー太」を開発しました。
あらかじめ設定した基準より多くエネルギーが消費された場合、
メールでお知らせが届く様になっており、
発電装置が故障を起こした際にもお客様と販売業者にメールで通知してくれる為、
故障の発見も迅速となり、顧客対応についても社内でコールセンターを整備する等、
アフターサービスの充実度を図る事にも成功しました。
さらには、水道を24時間使用がみられない場合に、
別々に居住するご家族の元へメールでお知らせをする「見守りサービス」は、
昨今都市部で問題となっている独居老人の孤独死対策にも一役を買っています。

4年以内の上場を見据えて

「エコー太」はメーカーへの転身を機に初めて生み出した自社製品です。
5年前に上場を考えていましたが、
リーマンショックや東日本大震災によって計画が思う様に進みませんでした。
特に震災の影響は大きく、社内でも暗い雰囲気がなかなか払拭出来ませんでしたが、
思い切ってものづくり事業を展開していく事によって、非常に新鮮な気持ちになる事が出来ました。
それだけに「エコー太」にかける思いは強く、開発には1年半の期間を要しましたが、
すぐに大手ハウスメーカーとの契約が決まった時は、何とも言えない安堵感の様なものがありました。
これからは自社製品を主軸に、
メーカーとして頑張っていこうと決意も新たに、4年以内の上場を目標に掲げ、再びギアを入れ直しています。

具体的な動きとしては、開発者が数名だった今までの状態から、エネルギー関連
商材を数多く自社開発できる環境を構築すべく今後は技術者を積極的に採用して
いこうと考えています。
また、今は1種類しかない自社製品のラインナップを増やしていける様にしていきたいですね。
昔のソニーをイメージに、未だかつて世に出ていないモノを自分達が創り出すぞという
チャレンジ精神溢れる社風になっていけば良いなと思っています。

経営に対するこだわりと今後の展開について

事業内容は太陽光発電装置の設置工事等、今まで環境に関する事業を軸として経営に行ってきました。
エコ関連事業を軸にしている理由は、
地球にも消費者にも自然と貢献出来るという所と、将来性が望める分野であるからです。
将来性に関して言えば、HEMSについては現時点では海外の方が若干進んでいますが、
情報を吸収して、国内だけに止まらず、販売先については国外へも目を向けていきたいと思っていますね。
特に中国は環境意識への高まりが顕著な事と、太陽光発電の設置も日本程浸透しておらず、
今後も成長が見込めると思いますので、
中国を中心としたアジアへの進出を狙ってグローパルな展開をしていきたいと考えています。

仕事に関するこだわりと言えば、工事が発生するかしないかという点を事業展開していく上で基準に考えています。
かつては電気工事が売り上げの90%を占めていましたので、
その点については今も大事にしていきたいと考えていますね。

また、経営を行っていく上では
「素直であれ。真面目であれ。そして正直であれ」という社訓を大切にしてきました。
この3つの価値観に沿ってさえいけば、大きくレールを外れる事はないだろうと思います。

学生へのメッセージ

素直、真面目、正直が大事なキーワードだとお伝えしました。
しかし、私自身を含め、24時間365日、完璧な人間でいられる事は不可能です。
人間は放っておいたら易きに流れるものです。
楽な方、楽な方の道を選び、進もうとしてしまいます。
常に正しい行いを出来ないとしても、
もし素直、真面目、正直から少しでも外れたなと思ったら、
守れなかった自分を責めなくても良いですから、
きちんと「今、外れたな」という意識だけはする様にして下さい。
地球環境と同じで、大事なのは意識を向ける事です。

「雨が降っても自分のせいだと思う様にしなさい」
これは営業をやっていた時に先輩の方から教えられた言葉です。
つまり、人や周りの環境のせいにしない、という事です。
何か良くない事や不幸な事があると、周りのせいにしてしまいがちです。
しかし、どんな時でも自分のせいだと思う事で、何かあっても迷わないし、腹も立ちません。
また、失敗や不幸を前向きに捉える事が出来るので、悩む事もなくなります。
少しずつ、日々意識をする事から始めましょう。
そうすれば絶対に成長出来ます。