代表取締役 田中恵次


代表取締役 田中恵次

設立 2010年7月
事業内容
  • ソフトウェア開発
  • ITアウトソーシング
  • WEB製作
会社HP http://kanamekey.com/

タイミングがきたかなと使命を感じ独立

ソフトウェア開発やウェブコンテンツ制作、アウトソーシングサービスなどの事業を展開する
「要(かなめ)」という会社を2010年7月に設立し、今年で3年目になります。

会社を始めたきっかけは、一言でいうと「なりゆき」です。
なんか、やる気なさそうに感じますが(笑)、自然体というか、流れを大事にしています。

会社設立前は、ソフトハウスで当初エンジニアとして、その後は営業として
勤務していましたが、たまたま独立できるチャンスが訪れました。
周囲もビックリするような、即断即決でした。
所属していた会社の社長が応援してくれたこともあり、
会社から一部事業を引き継ぐ形で、独立を決めたのです。

規模は小さいながらも、前職のつながりもあったおかげで
最初から顧客もいて、ラッキーだったと思います。
大きな投資が必要で、一度コケたらその後の人生に左右する、というような
イチから立ち上げる起業ではないし、やれるという自信はありましたね。
「どうやって飯代を稼ぐか」を考えつつ、
今までの経験でなんとかなるだろうという感覚でした。

離れていく関係 切り開く関係

とは言っても、会社を辞めた翌月からの新会社スタートは今思えば、
ちょっと急すぎて、最初の数ヶ月は苦労しましたね。
それまでの「会社」単位の信用がなくなった分、
中には「契約を見直させてもらう」と離れていく関係もあり、
営業先は自ら「切り開いていく」という感覚に変えざるを得ませんでした。

最初は大変でしたが、でも結果的には良かったと思っています。
立ち上げてから出会えた縁もあるし、
やりたいようにやれる社長としての醍醐味を感じています。
会社勤めをしているときは、トップの判断や社内のしがらみなどで
実現できないこともありましたが、今はすべて自分の責任。
責任をとる義務はありますが、思うとおりに動けています。
また、エンジニアの方々が「田中さんがそうするならじゃぁ一緒にやります」と
ついてきれくたのはありがたかったですね。

会社を立ち上げて3年。
現在、社員は総勢8人で、少しずつ会社らしくなってきました。
最初はがむしゃらで、1年目は私一人、2年目は営業を入れて二人、
3年目は営業とエンジニアを入れて、組織としての形が整ってきました。
土台づくりができたので、次は中長期をどうするか、
社員からも今後の方針を求められるようになってきています。

人間らしさ、取り戻す“再生工場”

目指すのは、社会に役立てる企業になること。
社会貢献といってもいろいろありますが、特に力を入れたいのは、「人の命を救う」こと。
今、日本の自殺者数は毎年3万人と言われますが、特にIT業界はウツが多い。
その原因としてさまざまな課題がある中で「生きづらさ」を感じている人達を
自分の武器であるITでなんとかしたい。
彼らが希望を持って、社会に戻れるようなきっかけをつくっていけたらと思います。
その延長で依存症対策も取り組んでいきます。アルコール依存とか薬物依存とかですね。
日本では問題視されていませんが、ワーカホリックも立派な依存症です。

大手の企業などは、社員のメンタルヘルスのケアなど“予防”に取り組んでいるようですが、
すでにウツや依存症になってしまった人をどう社会復帰させていくか、が私のテーマです。

エンジニアの中には、技術を持っていても、
人間関係のちょっとしたボタンの掛け違いから病んでいく人は多いものです。
でも、仕事ってスーパーマンを目指さなければ、
その人ができることをこなしていくだけで十分な役割を果たせるものだと思います。
それが適材適所でしょ。使う側の問題もあると思いますよ。

病んでしまった人が、一度パソコンから離れて、
沖縄でもベトナムでもカンボジアででも畑作業をやったり太陽の下で暮らしてみたり、
いわゆる人間の原点に帰って人間らしさを取り戻してからまた仕事に戻る、
“再生工場”みたいなものができたらと考えています。
きっかけひとつで人間は変わりますから。

世の中をより便利にするスマホ向けアプリの開発を

そのために会社として力を持たないといけません。
2013年は10人採用が目標で、次の1年で20人。
10人増やすとなると、エンジニア8人、営業一人、事務一人。

事業の特徴は、柔軟性のある“IT系なんでも屋”だと思っています。
いろいろなメーカーのハードウェアやソフトウェアを組み合わせた「オープン系」のシステムも、
ネットワークやサーバーの構築・運用などを行う「インフラ系」の業務も、
なんでもやって、自社サービスにつなげていくことを視野に入れています。
世の中の問題ごとをひとつでも解決できるキッカケを当社で取り組められればと思っています。
「こんなのあるんだ、便利! どこの会社? カナメだって!」と話題に上るものを出していきたい。
来期中にスマホ向けのアプリを出したいと思っています。
ゲーム系ではなく、世間に対してもっと有益な、
仕事で役立つ便利ツールみたいなものをつくりたいですね。

目の前にあるものを一つ一つ

今後はどう会社をまわしていくかを考える必要がありますが、
変化の早い時代ですから、あまり先のことを詳細に計画するのでなく、
各フェーズに合ったアイデアを出していきます。
これまでを振り返ると、1年ごとにやれることが大きく広がっていて、
そうなると銀行も「がんばってるから金貸そうか」と言ってくれて、
さらにできることが増えていきます。
筋道を立てることも大切ですが、一つクリアした先にあるステージで見える1年は違う。
方向だけ間違わずに進むことに注意しつつ、
その場その場をちゃんとこなしていくことが大切だと思います。

就職活動中の学生さんに伝えたいこと。
それは、企業側は「学生が今どんなスキルを持っているか」を
それほど重要視していないということです。
スキルを前面に出す方でも、入社後に何ができるかは明確に意識してください。
「今までこんな経験があるから、会社に入ったらこんなことができます!」という一貫性が必要です。

あと、仕事って、業務を通して経験を積んで覚えていくものですから、
「今は何もできませんが、これがやりたい!今後どうしたい!」を主張できれば十分じゃないかな。
その思いをキチンと伝えてほしいと思います。