代表取締役 関根 裕之
設立 | 2004年10月22日 |
---|---|
事業内容 |
|
会社HP | http://www.skillnetcom.co.jp/ |
小学生のころから、社長を目指していた
小学生のころ、作文に書いたことがあるくらい、社長になりたいという意識がありました。
父は脱サラして自営業になったのですが、わたしには常々サラリーマンになることを勧めていました。
わたし自身、今でもサラリーマンでもやりたいことができるなら、サラリーマンのほうがいいと思います。
サラリーマンなら、会社の経営が悪化しない限り、安定して給与をもらうことができます。
経営者として、雇用者の給与など会社の資金繰りにわざわざ頭を悩ます必要はないと感じています。
学生のころは、学校は単位を得るだけの場所であると割り切っていて、
学校にはあまり積極的には行かず、ひたすらスナックのボーイのアルバイトに打ち込んでいました。
学校で学べるものと、社会で学べるものは違いますし、
学校で学ぶことが、この先の社会人生活で役立つものだとは考えていなかったので、
社会で多くの経験値を積みたいと思っていました。
水商売をアルバイトとして選んだときは、あまり深いことは考えておらず、
生活のために手っ取り早く稼げるということが理由でした。
お金を稼ぐ手段として、水商売のような仕事にも抵抗は感じていませんでした。
起業は誰にでも実現できるものである
04年に会社を立ち上げたときは、最低資本金制度を利用しました。
そのときの資本金は1万円でのスタートです。
制度を利用するには、煩雑な書類を提出する必要があるのですが、
当時はインターネットで何でも調べられるような時代ではなかったので、本を買ってきて、自分で調べて完成させました。
会社を作るときにも、株式会社の作り方について本を買ってきて、自分で調べて作り上げてきました。
仲間同士で起業はせず、全部自分ひとりでこなしてきました。
誰かに教えを請うものではないと考えていたからです。
今は、会社を立ち上げるにも、ネット上で何でも情報が手に入る時代なので、
わたしの時よりも遥かにハードルは下がっていると思います。
会社を経営することは、資質でも才能でもありません。やろうと思い立ったら、誰にでも実現できることなのです。
それなのに、お金や時間のせいにして先延ばしにしているようでは、いつまでも会社は作れません。
会社を作るのに、誰かの審査や許可を得る必要はありませんから、自分の覚悟次第なのです。
ただ、経営者として誰かを雇う以上、まずはサラリーマンとして何年か経験したうえで始めるべきでしょう。
雇われる側を経験しないまま社長になっても、どういう組織にしたい、というような全体像が描けないと思います。
日本のしくみが、起業を難しくさせている
会社を立ち上げたときに実感したことは、日本のしくみが、起業することをわざわざ難しくさせている、ということです。
税金にしろ、申請にしろ、わざわざ手間がかかるようなしくみになっているのです。
やはり、処理する側にとって都合のいいようになっているのだと思います。
多くの経営者は、そういった処理を手間に感じ、総務や経理といった部署を設けますが、
その手間を理解できれば、その作業も難しく感じなくなることでしょう。
決算にしても、簿記や会計の知識がなければできないと考える人は多いのですが、算数の知識で解決できることです。
書類の様式が、難しいように見せているだけなのです。
ただ、定款といって、事業の内容を取りまとめて提出する文書については、
法務局に行って、同業他社の定款を読み、自分の中で参考にしたうえで作成しました。
こうした作業も、本来なら経営者自身でできるものなので、面倒と思うか、やろうと思うか次第でしょう。
会社を興すだけなら、本当に誰にでも実現できるのです。
経営は、そこから先にある、持続させるということが難しいのです。
起業当初は、方向性が定まっていなくてもいいのです。
たとえば商品を売る、という行為の中で、売れなくなってくるうちに、営業手法を変えたり、商品を改良したりといった
改善に向いていき、手を加えるうちに、事業は継続されていくものだからです。
逆に最初から方向性を定めないほうが、より柔軟に動けるのではないかとも思います。
自分が何にリスクを感じて、どう回避するのか
率直に言うと、私は、仲間と一緒に起業をするというスタイルには否定的です。
仕事をするうえで、仲間や上司に相談することで、格段に業務スピードが落ちてしまうからです。
一時はわたしの会社に仲間を呼んで、一緒に営業をやっていたときもありましたが、
リーマンショック以降、1か月で売上が半減した時期がありました。
どの常駐先からも、契約更新を断られ、その後も2年くらいはその名残を引きずっていました。
結局、営業にも会社を辞めてもらわざるを得なくなり、現在はひとりで会社を立て直している最中です。
当社はフリーランスの技術者を専門に斡旋する会社なので、組織を作る必要はありません。
経理や総務を専門に行うスタッフもおりませんし、社員として雇用しているスタッフもおりません。
ただ、IT業界には本当に多くの仕事が存在しているので、フリーランスも選択肢として有効だと思います。
正社員として働くだけがキャリアではありません。
自分がどうなりたいのかを考えるうえで、
フリーランスという働き方は、なりたい自分を実現するための近道にもなりうるのです。
実際に、当社で活躍している技術者の大半が、同年代のサラリーマンよりも高い収入を得ていますし、
実力次第でどんどん上がっていきます。
ただ、年齢を重ねたときに、若いときに比べて仕事の単価が減少することも十分考えられます。
つまり、キャリアを考えるうえで、自分がどんなことをリスクと感じ、どう回避するのかをよく考えたうえで行動すべきです。
「結婚」こそが働くことへの目的になる
起業することは誰にでもできる、と考えていますが、
やりたいことがあるにも関わらず、すぐに実行できない人は、年齢を重ねても、すぐに行動することができないままでしょう。
そこに年齢は関係ありません。
若い人でも、年齢を重ねた人でも、動けない人はいつになってもそのままです。
そこで一歩踏み出す人が、できる人へのスタートなのです。
わたしは、常日頃「結婚」を強く勧めています。
わたし自身、結婚してすでに子どもが3人いるのですが、
働くモチベーションで、結婚という要素は非常に強い影響を受けると感じました。
結婚すれば、生活のため、子どもができれば、子どものため、と稼がなければならない理由が次々にできていくのです。
最近はあえて結婚を選ばない人が増えていますが、未婚者が増えれば、日本の経済は破綻してしまいます。
所帯を持って、子どもを学校に入れたり、食事に行ったり、旅行をしたりといった経済活動が少なくなっているから、
日本の経済は回らないのです。
働くことは目的ではありませんので、働くうえで家族のため、愛する人のため、という何らかの目的がなければ、
働くという行為を継続させることはできません。
働き手はいるにも関わらず、未婚者が多いせいか、働くモチベーションを維持できない人が増えているように感じます。
働く意欲のない人が増えれば、生活保護というかたちで、巡り巡ってわたしたちの生活を苦しめていきます。
わたしたちの生活レベルを維持していくためには、働き手を増やすことが重要です。
学生へのメッセージ
今の学生は、生真面目という印象をが強いです。
どちらかというと、勉強はきちんとしてきたけど、人生において経験を積んだという人が少ない。
人生経験の大半は、働く中で身についていくので、学生のうちでそうした経験が浅いのは当然ですが、
そもそも何か経験になることをしようと考える人が少ないと感じます。
たとえば同じアルバイトをするにしても、より濃密な経験が積めるものを選んだほうがいいのです。
今の若者はとかく個性を重視し、自分探しという言葉にとらわれがちですが、
そういう人に限って話を聞いても、話に何の個性も感じません。
もっと生意気でもいいと思うし、やりたいことには貪欲になるべきです。
アルバイトをするにしても、目的はお金を稼ぐことでもいいと思う。
ただ、お金を稼いだ先、何をしたいのかまでを突き詰めましょう。
就職するときにも、ただ新しいことをやれるから、かっこいいから、というようなあいまいな理由で、
ベンチャー企業を選ぶ人がいますが、規模の大小にかかわらず、会社であることに変わりはありません。
ルーティンワークがあるのはどこも同じだし、結局お金を稼いでいかなければならないのは同じです。
お金を稼ぐことは、辛いことですし、きれいごとで語れないこともたくさんあります。
そうした泥臭いことを避けようとするから、ビジョンとか将来の夢とかで話すような言葉にも厚みが出ないのです。
やりたいことが見えていなければ、仕事のモチベーションを保つことはできません。
働くということは目的ではありませんし、ただ働くだけでは、そこには何の生産性もないのです。