代表取締役 佐武 伸


代表取締役 佐武 伸

設立 2005年1月21日
事業内容
  • 中小企業の事業承継・M&Aの支援
  • 事業再生・組織再編コンサルティング
  • 企業・事業評価
  • 財務調査
会社HP http://www.sunbeltpartners.co.jp/

「サラリーマンにはなりたくない」という思い

他のベンチャー企業の経営者さんのように、明らかな夢や目標があって独立したわけではなくて、
なんとなくサラリーマンにはなりたくないという思いからでしたね。

私は関西にある中高大と一貫教育の学校で学生時代を過ごしました。
当時の友達の8割は親が商売をしている家庭で、遊びに行ったりして仕事を見る機会が多かったですね。
その頃バブルの前で景気のいい時代でしたので、商売は面白そうだなと感じていました。
それに比べて私の父親は商社マンでしたので、サラリーマンは面白くなさそうだな、と思っていました。
そういった経験から、なんとなく将来は自分で商売したいと思うようになっていました。

大学時代は特にやりたいことが見付からずに過ごしていましたが、
大学4年生になり、将来独立や開業をするのならば、資格を取っておいた方がいいと思うようになりました。
当時は大学4年の4月から就職活動を開始する時代でしたが、
私は就職説明会に一回も行くことなく、専門学校に行って公認会計士の勉強を始めました。
その一年間はほとんど大学には行かずに、専門学校でずっと勉強していましたね。
その年は公認会計士の試験に合格しなかったのですが、もう1年間とにかく勉強して合格しました。

40歳からの海外挑戦

会計事務所に就職し、公認会計士として働く中で、お客さんのほとんどは中小企業やベンチャー企業の社長でした。
そういった人たちの仕事はとても楽しそうに、クリエイティブなことをやっていましたので、
自分でも何かやりたいと思うようになっていきました。

海外に行ってMBA取りたいという夢があったので、これがラストチャンスだと思い、
一年半単身赴任で海外に留学しました。
40歳で会社を辞め、家庭もありながら、という挑戦でしたが、妻は反対しませんでした。
親や友達には「何考えているんだ」と呆れられましたがね(笑)

実際向こうに渡ってみると、キャリアのある会計などの部分でしか評価してくれないという現実を目の当たりにしました。
であれば、自分の強みである会計のノウハウを活かして面白いことができないかなと考えるようになりました。
そんな時、たまたま授業のなかでM&Aを学び、「コレだ!」と直感しました。

40歳から1日100単語覚えて、次の日には99%忘れて、という繰り返しの日々でしたので、英語は大変苦労しました。

ただ、日本で勉強するのではなく、様々な人種の人とディスカッションすることでアイディアが浮かぶ、
日本人同士で話し合っていても、ビジネスプランは常識の範囲内で収まってしまう、そう思っていたので、
海外留学にはこだわりました。
現在の事業で、クロスボーダーなどの海外案件ができるのも、その一年半のおかげだと思っています。

他社との差別化、強み

M&Aはまだ日本には根づいていません。会社を売買することへの抵抗が、まだ強い国です。
マーケットが成熟していないからこそ、潜在的なニーズがあると思っていました。
アメリカのマーケットを見ていると、日本のM&Aがイメージする大掛かりなものだけでなく、
1店舗単位でもドンドン売買されています。
そこで、日本でも小さい案件のM&Aマーケットを作りたいと思い始めました。

弊社は中小ベンチャー企業を中心にM&Aの事業を行っておりますが、
私が会計出身ということもあり、グループとしては会計事務所や監査法人の業務も行っております。
グループ内ですべてまかなえるので、ワンストップサービスが提供できることが強みだと思っています。

他に、私どもの特徴として挙げられるのは他にクロスボーダーを得意としていることがあります。
弊社と同じくらいの規模では、なかなか海外案件を扱えないのですが、
私が海外留学を経験したこともあり、弊社では中国やシンガポール、インドなどアジアを中心に
クロスボーダーを行っております。

加えて、完全成功報酬でやっていることも特徴です。
着手金や預り金などは必要なく、
M&Aが成立した場合のみに成功報酬を頂いているので、信頼していただけると思います。

M&Aの本質は「長所探し」

まったくの未経験からM&Aをできるようになるまでで大事なことは、
「経営が見えるかどうか」ということだと考えています。

私どもが扱っているのは中小企業やベンチャー企業がメインです。
それぞれの企業の良いところを見付けてあげることが大切です。
会社の強みをフォーカスすることで、企業の価値が上がります。

ですから、物事を前向きに考えることができる人なら、M&Aの素質はあると思います。
もちろん、法務的なことや財務的なことは覚えていかないとですがね。
「良いところを探す」というのは簡単そうに聞こえますが、意外と難しいですよ。

中で働いている人は意外と気付いていないものですが、
企業が営業用に言っている自社の良いところ以外に、外から見た時にもっと違ういいところがあるはずです。

例えば役所と取引しているとか、本人たちにとっては何年もやってきているから当然と思っていることでも、
新進気鋭のベンチャー企業から見ればとても羨ましいことです。

そういった本人たちでは気付かない点を探し出し、フォーカスしてあげることが大切だと思っています。

チャレンジし甲斐のある業界

今後はクロスボーダーで、アジアのM&Aナンバー1を目指したいと思っています。

設立して今年で9年目ですが、お陰様で大きな失敗とかはなく順調にきています。
ただ、中小企業やベンチャーの社長で、資金繰りに困らない会社は基本的にないと思います。
いい時もあれば悪い時もある。山もありましたが、何とか乗り越えてやってきましたね。

社員にとってモチベーションの上がるやり方を、と思い、弊社では固定給+変動給を導入しております。
お客様との間では成功報酬で行っているので、契約が決まれば社員にもたくさん還元します。
契約が決まった時などは、上場企業の役員クラスの報酬は最低限保障します。

なので、自分の腕に自信があれば、チャレンジする業界としては面白いと思いますよ。

現在はまだ新卒を育て上げるまでの余裕がなく、新卒採用は募集しておりません。
できれば、どこかの企業を経験して、経営者の気持ちがわかるようになってから来て欲しいと思っています。

ただ、学生の方でM&Aに興味があるようであれば、インターンで来ていただいても、と思っています。
特に英語が出来る方であれば歓迎ですね。

大企業への就職がすべてではない

「一社目で人生決まらないので、どんな会社でもいいから5年間は頑張って仕事を覚えろ」と
息子にはいつも言っています。

仕事の内容的には大企業でも中小企業でもかわらないと思います。
大企業に入社することだけを目標としている人もいますが、
例え一社目で大企業に入れなかったとしても、人生諦めてはだめです。
確かに、大企業に入社することはブランディングにはなりますが、
中小ベンチャー企業で、大企業では出来ないスピード感で成長する、という生き方もありです。

今の時代、まずはどこかの企業で働いて、その後に海外で勉強して戻ってきてからでもキャリアアップできます。
それは、少なくとも私が証明しました。
大企業に入れなかっただけで、ネガティブな考え方をしている人は人生損をしているように感じますね。
皆さん、まだまだお若いのに。

今後日本のM&Aは間違いなく加速します。
業界の再編もどんどん行われていくと思います。
そうなると、今までの大企業の名前が消えていく可能性だってあります。

大企業というネームバリューだけでなく、
どんな企業でもまずは一生懸命に働き、自分の人生を切り開いていって欲しいと思っています。