代表取締役 阪本 欣也


代表取締役 阪本 欣也

設立 2010年3月15日
事業内容
  • アロマセラピーサロン、
    整体・手もみマッサージサロンの運営
    (国産メーカー直営)
  • 化粧品自社工場の運営
    (コスメ・美容関連
    ・アロマ・サロン製品全般の製造。
    【製造業 01CZ200030】
    【製造販売業 01C0X10037】)
  • ウェルネスプログラムの企画構築・運営
  • 人材派遣【般13-304974】
  • 各種コンサルティング、
    スポーツイベント企画・運営  等
会社HP http://www.iceresort.jp/

就活での苦労

就活は、バブルがはじけた翌年で、就職氷河期という言葉ができた年。かなり大変でした。
就職協定も厳しくない時代だったので、就職説明会は東京6大学以外は参加できない、といったこともよくありました。
ウェブでのエントリーもなかったので、せっせと手書きでハガキを出しました。
高校時代には、美大に進もうかと思ったぐらいデザインに興味がありましたので、
就活は美容関連や、アパレル企業をメインに受けました。

就職を決めたのは、誰も名前を知らない小さな会社でした。入社当時は、社員30人ぐらいでしたね。
会社が大きくなる過程で、化粧品や健康食品へと事業を拡大し、
エステやホテル、アパレルにまで多角化を進めていったので、新規事業の立ち上げに携われたのは貴重な経験です。
なにしろ、「ヘリコプターを買ってこい」、「温泉を掘削してこい」と次々に言われるのですから、こりゃあ面白いと。
普通ではできない経験です。

20代は面白い、で良かったのですが、たとえ10億円の売上げ取ってきても給料は変わらない。
やりがいという点で、疑問を感じるようになりました。

コンサルに転身、起業という事への意識

30代になって、仕事のやりがいについて向き合うことが多くなった時に、
経営コンサルティングをしていた大学の先輩から誘われ、事業再生のコンサルを始めます。
2年程の単位で企業に入って事業再生をするのですが、
テレビなどで目にする大手航空会社のような大企業の再建とは全く違います。
銀行が債権を放棄したり、税金が投入されるなんてことは中小企業ではありえません。
債権者は少しでも借金を取り立てようとするし、オーナーによってはリストラ前提でやってほしいという場合もあります。

その状況で「モチベーションアップ」という言葉は全く意味を成しません。
会社に背を向けた人には、モチベーション云々よりも目の前の仕事の為に手を動かさなければならない。
結局は、企業の再生は人の再生なのです。

おかげさまで、手がけた事業再生は全部成功しましたが、本当に大変でした。
マイナスというマイナスを何とかゼロに持っていって、さらにそこからプラスにしなければならない。

ゼロをプラスに持っていく方が早いだろうと思い、起業について真剣に考え始めたのです。

健康をキーワードにした会社を設立

会社の事業分野は、本当はスポーツに絞りたかったのですが、それだけで食べていくのは難しいので、
「美容・健康」をキーワードにしています。
僕自身、健康志向が強く、病院が大嫌いで、年金も今後どうなるかわからない。
それなら病院にかからなければ良いわけで、「予防医療」に繋がる事業を展開しています。
幸い、化粧品や健康食品、エステ事業の経験があるので、
まずはフランスでは医療として使われているアロマを切り口にしたサロンをスタートさせました。

化粧品の自社工場も、北海道に構えました。北海道は水と空気がとても綺麗です。
オホーツク海の鮭からとれるオーシャンコラーゲンや、雪解けが起きる10日間にしか取れない白樺の樹液など、
そこでしか取れない特殊な素材があるからです。
北にあるものほど、保湿効果や、保温効果の高いものを得ることが出来るんですよ。
機械を最小限にし、なるべくハンドメイドに近い形で製造しているのでひとつひとつの製品にどうしても差異が出てしまいます。
大量生産もできませんし、売り幅も減ります。
しかし、日本人のハンドメイドによるクオリティは大切にしていきたいので、ブレずに続けるつもりです。
大手企業と同じことを行えば良いわけではないので、ランチェスター経営を重視した戦略になっていますね。

震災後の苦難

震災直後、世の中が自粛傾向にあった時は本当に大変でした。
アロマサロンのリゾートは、半年間開店休業の状態が続いたので、私自身の給料を1年半ストップしました。
整理解雇はしないと宣言しましたが、本社が東京都なので助成金がおりません。
伊豆では計画停電の影響があり、お湯を沸かすことも料理を提供することも出来ませんでした。
3ヵ月の間に様々な旅館が潰れ、多くの人々が解雇されるのを目の当たりにしました。
それでも旅館を閉めるわけにはいかないのですが、お客さんが来ません。
当社のセラピストを旅館に派遣してもお客さんがいないので、
3月の寒い中、雪が降っていてもエンジンをかけたの車の中で5時間待たされることもありました。
そこまでしても収入はゼロです。
切り詰めるところは切り詰め、本社の社員の給料を半分にカットしました。
社員には転職しても構わないと言いましたが、みんな残ってくれました。
価格を下げることで旅館の客数は半年で戻りましたが、単価は戻りませんでした。今現在は回復しています。
大手企業のように設備投資は出来ず、エリアによっては助成金もおりないので、東北の観光業は厳しかったですね。

新たなプログラムと今後のビジョン

ウェルネスプログラムという、ひとりひとりに合わせた食事、運動、施術の連泊型パーソナルプログラムを提案していく予定です。
健康管理等のプログラムを組めるソフトを持つ会社の社長と知り合いでして、
お互い予防医療をやりたいと考えているので、意気投合しました。
旅館なら食事も摂れるし、スペースを頂ければエクササイズもできる。
場所によってはゴルフ場やクアハウスも併設しているので、プログラムにぴったりなんです。
自社のセラピストがウェルネスプランナーとなることで、ドクターや栄養管理士を雇わずに行えるのがウリですね。
プログラムを終えて帰宅してからの2~3ヵ月のホームケアもサポートすることで、リピートに繋げていきます。
その時々の体質でプログラムを変えるので完全なリピート力を得られます。
旅館としても差別化ができるので、引き合いが多いです。
サロンはメーカー直営で、使用するコスメは国産の自社製品ですので、直接マーケティングを取れます。
今年は工場の化粧品、アロマサロン、ウェルネスプログラムの提案を行い、
より美容と健康に強くフォーカスしていこうと考えています。

具体的には、2015年までに25店舗に拡大し、年商を10億円にするのが目標です。
ランチェスター戦略を根底においてやっているので、まずは東京周辺リゾート地を固めていきたいですね。
一番大変なのは、20店舗に増やすまでだと言われています。
20店舗から30店舗に増やす時には知名度が上がってくるので、求人も集客も少しずつ楽になり始めると言われているのですが、
特に当社は難しいリゾートなので知名度は大切にしていきたいですね。

これからの展開

将来必ず展開しようと考えているのは、スポーツ時、スポーツ観戦時に使用できるスポーツコスメです。
例えば、マラソン時に身体を暖めるためのホットクリームというものがあるのですが、あまり存在は知られていません。
これは唐辛子の成分が入っていて肌が弱い方には向いていなかったりするので、別の成分で製造する等の工夫ができますね。
それから、ワールドカップやオリンピックの観戦時、
シュシュっと吹きかけられる小さなアロマミストのボトルを女性のために作るとか……
個人的にスポーツが好きというのがやはり大きいですね。
次のオリンピックはブラジルでの開催なので、ブラジルのブランドは流行りますよ。
提携して何か出来たらいいなと思います。
あとはペットアロマですね。海外ものは高く、ニセモノが多い。
OEMで製造しているものですが、静養成分のあるアロマを使用した肉球クリームが人気です。
お子さんがいらっしゃらない方は、ペットにお金をかけてわが子のように可愛がる方が多いです。
商品を作るというより、市場を作っていきたいです。
少子高齢化の時代なので、エクササイズやスポーツ、健康に携わることは確実に注目されますね。